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1月, 2025 | 加古川市新神野 ひさき鍼灸整骨院の記事一覧
みなさん、こんにちは。加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。
今まで運動をされておられないシニアの方が、日常で体力の不足を感じて、運動を始めようと行動されることがあります。
運動することは、筋力が向上するだけではなく、痛みを緩和したり脳が活性をしたりと、心身の健康には非常に有効なことです。
運動すること自体は良いのですが、テレビやYouTubeなどから得たトレーニング方法の情報から、いきなり基礎体力が上級クラスの運動を始められる方がいらっしゃいます。
そうすると、せっかく健康のために運動を始めたのに、ひざや腰などを痛めてしまう方が少なくありません。
例えば、ウォーキングを大股で早くする、階段や坂道を昇降するなどは、かなりの衝撃が体にかかる運動を、いきなり始めるとお体を痛めてしまうことによく当院でも遭遇します。
そこで今回は、運動を始めようと思われるシニアの方に向けて、運動の程度や注意点などについて紹介させていただきます。
このブログを最後まで読んでいただくことで、安全に効率よく運動をおこなえて体力を上げることができます。
先日、歩くと左の股関節の痛みを感じると訴えて、70歳代女性の方が来院されました。
股関節の痛みで、病院の方で検査を受けたところ、股関節の骨自体には問題がなく、股関節周辺の筋力が低下しているためではないかと診断されたそうです。
それで、運動を始めたら、股関節が余計に痛くなり、運動をしない方がいいのか悩んでいるとのことでした。
どんな運動をされたんですか?という質問をさせていただいたところ、左足で片足立ちをしていたと。
なぜそれをされたのですか?と質問させていただいたところ、整形外科の病院で、片足立ちで何秒の間、立てるかの検査があって、あまり片足で立てなかったので、できるようにしようと思いおこなったということでした。
片足立ちをはじめとした、関節の動きや筋力、神経の状態を調べる整形外科的テストと呼ばれる検査は、基本的に、痛みやしびれがでる状態にさせて、痛めているかどうかを判定するものです。
ですから、片足立ちでトレーニングを行ってしまったことで、痛みを増加させてしまったと思われます。
また、整形外科的テストは別として、確かに、股関節のトレーニングとして、片足立ちはあります。
しかし、片足で立つと、股関節のかかる負荷が、体重の3~4倍かかるとされ、それをするにはある程度の基礎筋力が必要で、運動する段階としては早かったと思われます。
患者様には、運動すること自体はいいことなので、怖がらなくても大丈夫であることをお伝えして、今のお体の状態にあった運動方法をお伝えさせていただきました。
今回の患者様のように、健康意識が高いために、かえってお体を痛めてしまう状況をよくお見かけします。
こういったことが起こらないためにも、次章から運動を始める方に向けての、注意点やポイントを説明させていただきます。
股関節周辺の筋力低下は、何もしなければ年齢とともに進行します。
筋力は、20~30歳をピークに、40歳頃からゆるやかに減少し始め、60歳以降は筋力の急激に低下します。
また、 80歳までに、筋肉量は20歳の頃と比べて、約40%減少するともいわれています。
ご高齢の方から、この歳でトレーニングしても、筋力がつくんですか?というご質問もよく受けます。
研究によると、90歳前後のご高齢者でも、トレーニングをおこなうことで筋肉量が増えたという報告がされていますので、積極にされることをおすすめします。
トレー二ングを続けることで、筋肉量は増えますが、ある程度の期間が必要になります。その期間は、年齢によって異なり、
・20代:2~3カ月
・30代:3~4カ月
・40代以降:4~6カ月
以上の継続的なトレーニングで効果があらわれます。
ですので、シニアの方は、ケガをせずにゆっくり継続できる強度の運動で良いかと思われます。
また、アメリカの大学の研究によると、1日20分の中強度の運動を、2カ月間、続けることで、長生きするための遺伝子のスイッチが入ると報告されています。
こういたことから見ても、健康を保つためには、継続した運動が欠かせません。
運動をした後、筋肉痛が発生します。
運動後の12~48時間の間に、筋肉痛はピークに達して回復していきます。
この法則から言っても、運動によるケガを防止するためにも、運動後はある程度の回復するための期間を設ける必要があり、毎日、する必要はないのです。
シニアの方が運動を始める場合は、まずは、
「1週間に2回の運動」
を目標におこなってください。
また、1日の必要な運動時間は、運動強度にもよりますが、「40分以上」を目指すことが推奨されています。
ただ、いきなり40分も運動すると体を痛めてしまう可能性がありますので、まずは、
「1日10分間の運動」
を目安に始めてください。
当院の実例の方でも、左股関節に痛みを感じているので、左の股関節周辺の筋肉を鍛えようと、左足で片足立ちをしていました。
このように、体の弱いと自覚している部分を集中的に鍛えたくなるものです。
しかし、そうするとますます体を痛めたり、それをカバーするために体の他の部分に負担がかかって新たな痛みが発生する場合があります。
ですので、たとえ片側が弱いと感じても、最初は、体の左右上下をバランスよくできる運動をおすすめします。
そのための運動入門にふさわしいのが、
「ウォーキング」
です。
ウォーキングは、全身の筋肉の70~80%を使う全身運動の上に、左半身と右半身を対称的に使う運動です。
なおかつ、筋力の検査は、5段階で評価しますが、上半身は「3」の状態であれば日常生活に支障はないのですが、下半身は「4」と高い状態が必要になるため、足を鍛えることは重要です。
ウォーキングですが、10分程度から始めて、徐々に時間を伸ばしてください。
注意点としては、歩けるようになると楽しくなるので、ついつい、やりすぎてしまうことです。
一回のウォーキングにつき、時間で言えば40分以内、歩数で言えば6000歩前後あたりで抑えることをおすすめします。
また、プールに入って行う「水中ウォーキング」も、自分の体重や重力による負荷を軽減させながら歩く運動ができるので、こちらの運動もおすすめです。
一般的には、「中強度」の運動を継続してすることで、健康を維持できるとされています。
前章であげたウォーキングでの運動強度の目安は、
低強度:鼻歌がでるぐらい
中強度:会話ができるぐらい
高強度:会話ができないぐらい
とされています。
ですので、鼻歌がでるぐらいの低強度のウォーキングから始めて、会話ができるぐらいの中強度までのウォーキングを目安におこなってください。
運動前の準備体操や運動した後にケアをすることで、筋力の向上が効率的におこなえたり、ケガを防止できます。
運動前には、ジャンプする以外のラジオ体操を一回でいいのでおこなって、筋肉に刺激を入れてください。
また、運動後のケアとして、運動したその日は、シャワーですまさずに湯船にゆっくりつかるようにしてください。
それによって、体温を上げることで、血流が促進して、運動によって疲労や損傷した部分の回復を促せます。
他に、筋肉の約74%は、水分でできていますので、その2%が失われるだけでも、筋肉に支障が出ます。
ですので、運動の前後には、失われるもしくは失われた水分を十分に補給することを、意識しておこなってください。
持病がある場合や、長期間、運動をしていない場合は、安全に運動を開始するためにも、医師や治療家などの医療関係者にアドバイスを受けてください。
また、運動中や運動後に、
・急な息切れや胸痛
・めまいや吐き気
・関節の痛みや腫れ
・異常な疲労感
などの症状が現れた場合は、すぐに運動を中止し、医師に相談してください。
これらの症状は、運動の強度が高すぎる場合や、健康の問題が潜んでいるサインである可能性があるためです。
筋力トレーニングで、まず、すすめられるのが、「スクワット」です。確かに、スクワットは、効率的に多くの筋肉を鍛えることができます。
ただ、それだけに負荷も大きく、適切なフォームでしなければ、かえって体を痛めてしまう場合もあります。
シニアの方は、ある程度、ウォーキングで基礎体力をつけてからでもいいかと思われます。
また、筋力トレーニングを始めたいと思われるのでしたら、まずは、イスに座った状態や寝た状態で行える低強度の筋力トレーニングから始めてください。
フィットネスジムに行って、機械を使って筋肉トレーニングする方法もあります。
この場合は、一度は、そのジムのトレーナーの方に指導を受けられることをおすすめします。
たとえば、エアロバイクにしても、サドルの高さやペダルの位置が適正でない場合、かえって体を痛めてしまう場合がありますので、専門家の意見を聞いてからおこなってください。
シニアの方が運動を始める際は、安全性を最優先に考え、ゆっくりと段階的に進めていくことが重要です。
そのための方法として、
・筋力が向上するまでの期間
・運動するペース
・運動の方法
・運動前の準備体操と運動後のケア
・医療機関への相談
・筋力トレーニングについて
を紹介させていただきました。
今回、ブログで説明させていただいたことが、みなさまのお役に立てれば幸いです。
当院でも、今回のケースのような運動にまつわることにも体操しておりますので、お気軽にご相談ください。
また、他に、ウォーキングに関するブログも書いておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。
監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
参考文献:「股関節屈筋群の筋力低下が歩容に及ぼす影響」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_H2-143_1/_pdf/-char/ja
みなさんこんにちは。加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。
先日、左上腕の冷えを伴う首の痛みを訴えられて、50歳代女性の方が来院されました。
詳しくお話をお聞きすると、夜に家の廊下が暗い中トイレへ行ったときに、トイレのドアが半開きになっているのに気づかず、開いたドアの角で、きつく頭をうってから、今回の症状が出るようになったそうです。
こういった頭部をきつく打ちつけることで、首の痛みだけではなく、上腕に冷感やしびれなどといった感覚の異常が伴って発生することは少なくありません。
そこで今回は、頭部の打ち身が上腕の冷感を伴う首の痛みが起きる理由とその対処法について紹介させていただきます。
このブログを最後まで読んでいただくことで、思わぬタイミングで頭をうった後の後遺症である上腕の感覚の異常を伴う首の痛みを軽減し、健やかな日常生活を過ごせます。
思わぬタイミングで頭部をうった場合、その反動で4~5kgの重さがある頭部が、前後に揺さぶられます。
そうすると、ぶつかった際の首の角度や歩く速度によりますが、頭と体をつないでいる首に、頭の重さの数倍から数十倍の負荷がかかるとされています。
それによって、「バレー・リュー症候群」「外傷性頚部症候群」などと呼ばれる、いわゆる「むち打ち」の症状が体に発生します。
以下で、むち打ちによって首や上腕に起きる症状のメカニズムについて紹介させていただきます。
自律神経は、暑いと汗をかいたり、ご飯を食べると胃腸が消化や吸収をおこなってくれたりと、生命を維持するために、自動的に調整してくれる神経です。
自律神経は、活動や防御するために体を緊張させる働きがある交感神経と、リラックスしたり回復させる働きがある副交感神経に別れます。
自律神経は、脳から背骨に沿って走行して、そこから内臓や筋肉などに分布します。
頭をうった衝撃が首に伝わると、体を守ろうと首に存在する交感神経が優位に働きます。
交感神経は、血管を収縮させる働きもあるため、交感神経が過度に働くと、首周辺の組織への血流が悪くなります。
血液の供給が減ると血液が不足している部分の神経が過敏になったり、体温が低下するため、上腕に冷感を伴う首の痛みが発生する可能性がある。
頭を打つと、大きな衝撃が背骨の首の部分にかかるため、7つある首の骨の並びが乱れます。
そうすると、首の背骨の中を通っている神経が圧迫されることにより、圧迫された神経が支配している体の部分に感覚の異常が起こります。
7つの首の背骨の中を通る神経は、それぞれ支配している体の部分があり、特に、5番目の首の背骨部分にある神経は、肩から上腕にかけての感覚を支配しています。
この5番目の首の背骨部分の並びが乱れていると、そこを通る神経が圧迫されて、上腕に冷感やしびれなどの感覚の異常を伴う首の痛みが発生することもある。
実際、今回、当院に来られた患者様も、5番目の首の背骨にゆがみが発生していたため、その周辺の背骨のゆがみを治療で整えると、「腕の血管が開いた感じがする、なんかじわっとあったかくなってきました」という反応がありました。
以上のような理由で、不意に頭をうった後に、上腕に感覚の異常を伴う首の痛みが発生します。
頭をうってすぐではなく、頭を打撲してから2~4週間後にこれらの症状が遅れて発生することもあります。
また、いったん治ったと思っても、天候や季節の移り変わりなどに対応しようと自律神経が反応した際に、その過程で再発する場合もあります。
頭をうったときに、首の痛みや腕の感覚の異常以外にも、筋力の低下、しびれ、頭痛、はき気、めまいなどが発生している場合は、脳に重篤な病気が発生している可能性もありますので、お近くの専門の医療機関に受診されることをおすすめします。
上腕の冷感を伴う首の痛みへの対処法
頭をうって首に衝撃が加わったことで、首の背骨部分がゆがみ不安定になることで、首の痛みだけではなく上腕に冷感を感じるような感覚の異常が起こります。
首はとても繊細な部分でもあるので、セルフケアを行うにしても、優しく刺激する必要があります。
以下で首に優しく行える対象を紹介させていただきます。
頭をうったことで、首の組織が過緊張の状態になっています。
それを緩めるためには、首を温める必要があります。
温めることで、自律神経の交感神経が優位な状態から、リラックスや回復の働きをする副交感神経が優位になります。
そうなると、血管が緩み、血液の流れも回復することで、痛みや冷感が軽減することが見込まれます。
首を温める方法ですが、電子レンジで温めるホットパックやネックウォーマーなどを首に巻いて、温めたり保温に努めてください。
また、お風呂に入るときには、首まで湯船につかったり、シャワーを首に集中的に首に当てて、温めるようにしてください。
首に痛みがあるときに、無理に動かすと、かえって、首周辺の筋肉が緊張して、痛みが増加する場合もあります。
ですので、首を無理に動かさずに、首に適度な刺激を与えて、首周辺の組織や自律神経を緩める必要があります。
そのためには、「目を動かす」ことが適切です。
目の動きと首の筋肉の動きは、神経的に連動しています。
目を動かすと、自然と首の筋肉に適度な刺激が入り、その結果、首の状態が安定します。そのための方法ですが、
1.上向で寝て、合わせた両手の親指をおでこに当てて、首が動かないように止めます。
2.首を動かさないように注意しながら、目だけで上方を見て、その状態を、5秒間キープします。
3.5秒たったら、目を元の位置に戻し、5秒間、休憩します。
4.この一連の動作を、10回、繰り返してください。
5.次に、首を動かさないように注意しながら、目だけで下方を見て、その状態を、5秒間キープします。
6.5秒たったら、目を元の位置に戻し、5秒間、休憩します。
7.この一連の動作を、10回、繰り返してください。
頭をうつことで、首の背骨だけではなく、連動している背中の背骨部分の動きの不調を及ぼします。
背中の背骨部分を整えることで、活動時に首の背骨の動きを助けて、負荷や痛みを軽減できます。
そのための方法として、背中の背骨を整えるためのストレッチを紹介させていただきます。
1.足は肩幅に広げた状態で壁に向かって立ち、片方の手のひらを指先を床方面に向けた状態で腕を伸ばして、壁につけます。
2.壁に手をついたとは反対側に体をひねり、腕から背中が伸びるのを感じたら、その状態で、10秒間、キープします。
3.10秒たったら、体を元の位置に戻します。
4.次に、反対側の手のひらを壁につけて、同じような動作を行います。
5.この一連の動作を、5回、繰り返して行ってください。
不意に頭を打ったことで、上腕に冷感などの感覚の異常を伴う首の痛みが発生した場合の対処法として、
・首を温める
・目を動かす
・背中を動かす
を紹介させていただきました。
首の痛みだけではなく、上腕にも感覚の違和感を感じてしまうと、心身にストレスがかかり、日常生活に支障が出てしいます。
ですので、早めにケアされることをおすすめします。
そのための方法として、今回、紹介させていただいたことが、皆様のお役に立てれば幸いです。
もし、それでも、頭部の打撲後に、上腕に感覚の違和感を伴う首の痛みが続くようでしたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関を受診されることをおすすめします。
当院でも、今回のようなケースの首の痛みに対しても対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
また、他に首の痛みに関するブログもかいておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。
監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
参考文献:「頸椎捻挫(むちうち損傷)と徒手理学療法─神経から考える─」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/8/41_KJ00009647391/_pdf/-char/ja
皆さんこんにちは、加古川市ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。
1月も後半になり、日の出の時間も早くなって、太陽が出る時間帯が長くなってきました。
とはいえ、まだまだしばらくは寒さは続きそうですね。
さて、先日、60歳代女性の方が、足の指がつることを訴えて来院されました。
詳しくお話をお聞きすると、朝、散歩するのが習慣で、最近、歩き始めてしばらくすると、足の指がつって、靴を脱いで伸ばさないとなおらないことが増えたと。
何年も同じコースを歩いているけれども、なぜ、急に冬場にこんなに足の指がつるようになったかがわからないとのことでした。
1日の中で運動する機会は、朝の散歩だけであるし、健康を保つためにも、足の指をつらずに歩きたいとご希望でした。
今回、ご相談いただいたケースのように、冬場に歩いていると、足の指をつる方が少なくありません。
そこで今回は、寒い時期の散歩中に足の指をつってしまう理由とその予防方法について紹介させていただきます。
このブログを最後まで読んでいただくことで、気温が低い中でもスムーズにウィーキングを楽しむことができます。
足の指をつるということは、筋肉の伸び縮みを感知するセンサーが誤作動を起こして、足の指周辺の筋肉が過剰に緊張して、けいれんを起こすしている状態です。
そういった状況になるのは、
・水分の不足
・ミネラルの不足
・筋肉の疲労
・冷え
・血流の不足
・薬の服用
といったことが、単独もしくは複数に重なった場合、引き起こされます。
冬の朝の散歩をすることで、こういった状況が引き起こされるのは、以下のことが考えられます。
冬に散歩に出かける際には、寒くないように防寒着をしっかり着込みます。
しかし、顔や首などで、冷たい空気を感じると、体温が奪われないように、自動的に血管が収縮します。
そうなると、血流が悪化して、体に血液を通して酸素や栄養が行き渡らなくなります。
特に、足先は、心臓から最も遠い場所なので、足の指周辺の筋肉へのエネルギー供給が低下して、足の指がつりやすくなる。
寒い環境で運動をすると、運動のために使うエネルギーに加えて、体温を上げて寒さに対応するためのエネルギーも使います。
つまり、寒い環境下では、暖かい環境よりエネルギーの消費が増加します。
ある研究では、寒い気候でのトレッキングが、穏やかな気候の中で行うトレッキングと比べて、30%も多くのエネルギーを消費したことが報告されています。
いつもと同じコースを歩いても、冬の寒い中での散歩は、他の季節より足の筋肉の疲労を引き起こしやすくなり、その結果、足の指がつりやすくなる。
冬は夏に比べて、喉の渇きを感じにくくなるため、水分をとる量が減りやすくなります。
特に、寝ているときに汗を無意識下でかくため、朝、起きた時の体は、水分が不足している状態です。
また、寒さによって尿意を感じやすくなるため、散歩の途中でトイレに行かないように、散歩前の水分の摂取を控える傾向にあります。
こういったことで、体の水分の不足が起きている状況で、散歩を行うと足の指がつりやすくなります。
なぜなら、筋肉の約76%は水分で構成されており、その中の2%の水分が失われるだけで、筋肉に不具合が出るからです。
靴を履くさいに靴下の役割は、靴と足に起きる摩擦を和らげたり、足の皮ふの保護、汗の吸収、衝撃の緩和、などがあります。
冬の散歩では、冷えないように、分厚い靴下を履くことが多いと思われます。
靴下が分厚くなると足と靴とのフィット感が変わります。
そうなることで、靴の中で足が滑りやすくなって、いつもより足の指に力を入れなくなり、分厚い靴下のために足のサイズが大きくなり、靴が窮屈になって足の指を圧迫するなど、足の指にかかる負担が大きくなる場合があります。
分厚い靴下を履くことで、靴下と靴がフィットしない状態で歩くと、足の指周辺の筋肉が疲れやすくなり、足の指を釣りリスクが高まります。
冬の朝の寒い環境下で散歩をする際に、足の指がつるのを予防するための方法を以下で紹介させていただきます。
冬の朝の寒い中で散歩をする際に、指の足先をなるべく冷やさないようにするためには、カイロの使用が有効です。
足先を温めるための、足先に貼る専用のカイロが販売されています。
しかし、足先にカイロを貼ってから靴を履くと貼ると、靴と足のフィット感が低下し、散歩で歩くときに靴の中で足の指の動きに不具合が出やすくなります。
ですので、直接、足先に貼るのではなく、内くるぶしに小さなカイロをはってみてください。
内くるぶしの下縁に、足先につながる大きい血管が通過します。
その血管を通る血液をカイロで温めることで、温かい血液が足先に届き、足先の冷えを防ぎます。
その結果、足の指のつりを軽減する効果が期待できます。
冬の寒い環境下で運動をすると、エネルギーの消費が大きくなります。
ですので、散歩前に、エネルギーとなりやすい食べ物をとることをおすすめします。
また、食べることによって、体は「特異動的作用」という現象が起こり、体温が0.3度上がる効果もあります。
エネルギーとなりやすく、朝から軽く食べられるものとして、
・ゆで卵
・バナナ
・ナッツ
・トースト
・おにぎり
などをとってください。
散歩する30分前に食べることが理想です。
散歩中に、冷えてトイレに行くのが不安かもしれませんが、水分の補給は、足の指がつるのを予防するために必要です。
大量に飲む方がいいと言うわけではなく、朝、起きたらすぐに、200ml程度でいいので、常温か温かい飲み物を飲んでください。
コーヒーや紅茶などカフェインの成分が多い飲料は、利尿効果があるため、散歩前には避けていただくほうが無難です。
また、散歩から帰宅後も、忘れずに水分の補給をすることで、散歩で疲れた筋肉をケアします。
寒いときに散歩をするとき、分厚い靴下を履く選択をすることが多いかと思われます。
そうすると、靴と靴下のフィット感が低下して足の指に負担がかかります。
できれば、散歩やランニングなど靴を履いて運動をするときだけでも、通常の靴下を履くことをおすすめします。
それが難しいようでしたら、靴のヒモをいったん緩めてから足を靴に入れて、靴のヒモを下から上まで、足の甲に沿うように締め直してください。
そうすることで、少しでも分厚い靴下を履いた状態でも、靴に足がフィットすることを促進できます。
寒さのために運動が不足しがちな冬は、全身運動となる冬の朝の散歩の習慣は、とても良いです。
ただ、足の指周辺の筋肉に負担がかかる条件がそろいやすいので、散歩中に足の指をつらないための予防方法として、
・カイロを内くるぶしにはる
・散歩前にエネルギー補給
・朝の水分の補給
・靴下と靴とのフィット感を上げる
を紹介させていただきました。
このことが皆様のお役に立てれば幸いです。
もし、それでも、冬の朝の散歩で、足の指のつることのお悩みが解消されないようでしたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関にかかられることをおすすめします。
当院でも、今回のケースのような散歩中に足の指がつりやすいことにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
また、冬に起こりやすいお体に不調への対策ブログも書いておりますので、参考にしていただければ幸いです。
監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
参考文献:「靴下の有無が靴着用時における歩行中の足甲接触圧に与える影響」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jje/57/6/57_310/_pdf)
みなさん、こんにちは。加古川市ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。
1月は、初詣や十日戎などで神社やお寺にお参りする機会が多い月です。
参拝することで、気持ちも新たに一年を始めようとする意欲が上がったり、その帰り道に屋台に寄って楽しんだりできます。
ただ、初詣や十日戎などのお参りは、同じタイミングで人が集まるので、人混みをかわしながら慣れない道を、長時間、自分のリズムで歩けないことで、足を痛めてしまうことが少なくありません。
先日も60歳代女性の方が、十日戎に参拝をされた後に起きた足首の前面の痛みを訴えて来院されました。
お話をお聞きすると、参拝する人が混雑しすぎて前に進まず、神社まで坂道や階段上り下りを長い時間をかけて歩いて、その翌日、痛みが発生したそうです。
特に、家事をするために、しゃがんだり歩いたりするときに、足首を曲げると、足首の前面が痛くて、スムーズに動けないことにストレスを感じるとのこと。
今回、ご相談いただいた患者様のように、長時間の不自由な環境下で、長い時間、歩くことで、特に、つま先を上にあげる方向に足関節を曲げると、足首の前面に不調をうったえられる方が多いです。
そこで今回は、長時間、寺社仏閣に詣でるために歩いたことで、足関節を曲げることで、足首の前面に痛みが発生する理由とその対処法について紹介させていただきます。
このブログを最後まで読んでいただけることで、神社やお寺などに参った後の足首へのフォローの方法がわかり、それによって日常生活を健やかに過ごせます。
長時間、慣れない道で、人混みを避けながら歩くことで、足首の関節に不自然なねじれが起こり、足関節の動きに不具合が出る場合があります。
例えて言うなら、レールの上をスライドするドアを、まっすぐに動かすのではなく、ドアを揺らしながら動かすことを繰り返し行うと、レールやドアにゆがみが発生して、ドアが開けにくくなるのと同じような現象が足首に起こるのです。
足先を上に持ち上げる足関節を曲げる動きに制限がある要因を調べた研究で、足首を構成している距腿関節と遠位脛腓関節の2つ関節の不具合が、大きく関係していると報告されています。
これらの関節は、距腿関節と遠位脛腓関節は、足の脛骨と腓骨と距骨で構成されています。
距腿関節は、ふくらはぎの2本の骨(脛骨と腓骨)が作る遠位脛腓骨関節(えんいけいひかんせつ)の下方にできる溝の間に、距骨と呼ばれる台形の骨がはまってできています。
つま先を上にもちあげる方向に足首を曲げるときは、ふくらはぎを構成する2本の骨のが作る溝の間を、距骨が後ろに転がりながら滑っていきます。
この動きは、例えて言えば、ロッキングチェアが前後に揺れる動作に似ています。
また、距骨が後方に転がっていく際に、ふくらはぎの2本の骨(脛骨と腓骨)の下方で構成されている遠位脛腓骨関節(えんいけいひかんせつ)の間が広がり、溝の幅が開くことで、この動きをスムーズにします。
しかし、次のような問題があると、この動きがスムーズにできなくなります。
・脛骨と腓骨と距骨の位置がずれている
・足首の周りの筋肉が硬くなっている
・じん帯という骨をつなぐひもが硬くなっている
こういった問題があると、距骨が前方に押し出されて、足関節を曲げる動きにブレーキがかかり、それを無理に動かそうとすると痛みが発生します。
足先を上に持ち上げる動作をする足関節の動きをする際に起きる足首の前面の痛みを軽減するための方法を、以下で紹介させていただきます。
1.足を伸ばして座り、タオルの端を手で持ち、つま先にタオルをかけます。
2.つま先にかけたタオルを体の方向に引いて、ふくらはぎが伸びるのを感じたら、10秒間、キープします。
3.ひざを軽く曲げて、つま先にタオルをかけます。
4.つま先にかけたタオルを体の方向に引いて、ふくらはぎが伸びるのを感じたら、10秒間、キープします。
5.この一連の動作を、3回、繰り返しおこなってください。
1.足首の力を抜いて、ひざを軽く曲げて座り、片方の手で外くるぶしの前方に親指を当て、もう片手で足の裏のつま先に当てます。
2.外くるぶしの前方にあてた親指で、外くるぶしを後方に押すのと同時に、つま先に当てた手で、つま先を持ち上げて足首を曲げ、10秒間、キープします。
3.10秒たったら、元の位置に足を戻してください。
4.この一連の動作を、3回、繰り返しおこなってください。
1.ひざを軽く曲げて座り、片方の親指と人差し指で、足関節の前面を挟むように手を当て、もう片手で足の裏のつま先に当てます。
2.片方の親指と人差し指で挟んだ足関節の前面を後方に押して、同時に、つま先に当てた手で、つま先を持ち上げて足首を曲げ、10秒間、キープします。
3.10秒たったら、元の位置に足を戻してください。
4.この一連の動作を、3回、繰り返しおこなってください。
神社やお寺への参拝で、長時間、歩くいた後に、足首の前面に痛みを感じた場合、早めのケアが大切です。
今回、紹介させていただいた以下の3つの対処法を実践することで、足首の前面の痛みを軽減できます。
・ふくらはぎの筋肉を緩めるストレッチ
・遠位脛腓関節の間を広げる動作
・距骨を後方に滑らせる動作
これらを、日々の隙間時間に行うことで、症状が改善する可能性があります。
もし、それでも、足首の前面の痛みへのお悩みが解消されないようでしたら、お近くの病院や治療院になどの専門の医療機関に受診されることをおすすめします。
当院でも、今回のようなケースの足首の前面の痛みにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
また他に、歩行に関するブログも書いておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。
監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
参考文献:「足関節背屈における可動域制限因子の検討」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2013/0/2013_1538/_pdf/-char/ja)
みなさん、こんにちは。加古川市のひきさ鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。
先日、70歳代女性の方が、自宅内で転ばれ体を強打し、首や胸、背中などの不調を訴え来院されました。
診させてもらうと、体のゆがみや筋肉の過緊張などがいろいろな部分に出ており、転倒で受ける体へのダメージの大きさを改めて認識しました。
ご高齢の方の転倒に関する統計によると、年間に約100万人が転倒による骨折を経験しており、また、年間の転倒による死亡事故数は交通事故による死亡者数を大きく上回っていると報告されています。
転倒しやすくなる身体的な要因は、筋力の低下・バランス感覚の低下・視覚や聴覚の機能低下・認知機能(注意力・判断力)の低下など、いろいろありますが、その一つとして、「呼吸の機能の低下」が挙げられます。
今回のブログでは、ご高齢者の方の呼吸の機能が低下するとなぜ転倒につながるかを解説し、その対策を紹介させていただきます。
このブログを最後まで読んでいただくことで、転倒しにくい体を作ることができ、日々の生活を安全にかつ快適に過ごすことができます。
加齢によって筋力は低下する傾向にあり、その中には呼吸に関わる筋力も低下します。
それによって、20歳代と比較して70歳代は、30~40%低下していると研究報告がされています。
呼吸に関わる筋肉は、背中やおなか周りにあります。
これらの筋肉は、呼吸に関わるだけでなく、体幹の安定や姿勢の制御などにも関わります。
これは、例えば、武道や格闘技で深い呼吸をして下腹に力を入れることで、動作の安定や精度が上がることが証明しています。
つまり、呼吸筋が弱まると、動作中の安定性が失われ、その結果、転倒リスクが高まります。
また、転倒経験のある方と転倒をされていない方の身体の比較すると、転倒経験のある高齢者は、ろっ骨や胸の背骨の可動域が制限されている場合も多くみられます。
このように、呼吸の機能の低下は、単に体に酸素を取り込む能力が悪くなるだけでなく、運動能力に影響を及ぼして、体が転倒しやすい状態になりやすい。
呼吸機能を改善し、転倒リスクを軽減するためには、以下のような呼吸筋を刺激するための体操を紹介させていただきます。
1. イスに背筋を伸ばして座ります。
2. おなかに手をあてて、口を閉じて、鼻から息を、4秒間、吸ってください。息を吸った際に、おなかにあてた手で、おなかが膨らむこと確認してください。
3. 次に、体を軽く前屈みになりながら、口を軽くすぼめながら、6秒間、ゆっくりと息をはきだしてください。息をはく際に、おなかにあてた手で、おなかがへこむこと確認してください。
4. この一連の動作を、3回、繰り返してください。
1.背筋を伸ばしてイスに座り、胸の前で手を組みます。
2.手を組んだまま、胸の前に腕を伸ばします。
3.そのまま腕を頭の上にあげて上方に伸ばした状態で、10秒間、キープします。
4.次に、手を組んだまま、頭の後ろに回して、肘を開いて胸をそらして、10秒間、キープします。
5.次に、再び、腕を頭の上にあげて上方に伸ばした状態で、10秒間、キープします。
6.次に、手を組んで腕を伸ばした状態のまま、両手を胸の前に伸ばした状態に戻ります。
7.最後に、肘を曲げて、胸の前に手を組んだ最初の状態に戻ります。
8.この一連の動作を、3回、繰り返しおこなってください。
1.背筋を伸ばした状態でイスに座り、右手は左肩に、左手は右肩をつかみます。
2.ゆっくりと上体を右側にひねって、10秒間、キープします。
3.次に、ゆっくりと上体を左側にひねって、10秒間、キープします。
4.この一連の動作を、3回、繰り返しおこなってください。
転倒をすると、肉体にさまざまなダメージを起こすだけでなく、活動意欲を低下させることで、生活の質を下げます。
転倒のリスクは、今回のような呼吸への適切なトレーニングをすることで、予防や改善が可能です。
そのための方法として、紹介させていただいたことが、皆様のお役に立てれば幸いです。
もし、それでも、転倒に関して不安がございましたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関で、相談や体のケアを受けられることをおすすめします。
もちろん、当院でも、今回のような転倒に関することにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
また、他に、転倒に関するブログを書いておりますので、参考にしていただければ幸いです。
監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
参考文献:転倒経験の有無が呼吸機能および 身体機能に及ぼす影響 (https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/35/4/35_541/_pdf/-char/ja)