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8月, 2021 | 加古川市新神野 ひさき鍼灸整骨院の記事一覧

就寝中、ふくらはぎや太ももに激痛が!夏場、スポーツを楽しんだ高齢者がよく襲われる足のつり。足がつる原因は水分不足?病気?それとも…。

2021.08.06 | Category: こむら返り ケイレン つる,ふくらはぎの痛み,予防,太ももの痛み,栄養・食事・飲み物,熱中症,疲労,睡眠

暑い夏でも、多くのご高齢者の方が卓球やグランドゴルフなどスポーツを楽しまれておられるようです。

 

厚生労働省でも、高齢者の新型コロナウイルス感染予防として、体力と免疫力を向上のために積極的にスポーツすることを推奨してます。

 

スポーツをするメリットの一つとして、心地よく疲労することで寝つきもよくなり、質のいい睡眠がとれることです。

 

しかし、そんないい睡眠がとれている晩に限って足がつることが多くないですか?

 

「寝てるときに背伸びすると気持ちいいんやけど、すぐ足つってまうんよ…」

「血圧のこともあるから塩分控えてるんやけど、それでこんなに足つるんかな…」

「ふくらはぎだけじゃなくて太ももの内側までつることもあって、なんかの病気ちゃうかと思ってまう」

 

と足をつってしまうと痛い思いをするだけでなく、色々な疑問や心配がでてしまいます。

 

そこで今回、ご高齢者の方が夏にスポーツをすることで足がつりやすくなる原因と予防法を紹介させていただきます。

 

これを知っていただくことで、就寝中に足がつって痛みで飛び起きることを防ぐことができます。

 

“高齢者の6割が就寝中にふくらはぎや太ももをつった経験あり!”スポーツをした後に足がつる3つの原因

スポーツをする際、限界以上に筋肉を伸ばしたり縮めたりさせると、痛めてしまいます。

 

筋肉にはそれを防ぐための自動調整システムがあります。

 

この自動調整システムは、筋肉の状態が「伸びているよ~」「縮んでいるよ~」と感知するセンサーである

 

「筋紡錘(きんぼうすい)」

「腱紡錘(けんぼうすい)」

 

と、その情報をもとに筋肉の状態を適切に保つため「縮め!」「伸ばせ!」と命令する

 

「脊髄(せきずい)」

 

で構成されています。

 

この自動調整システムは、以下のような2パターンの系統があります。


【パターン1:筋肉が伸びた時】

筋肉が伸ばされる

筋紡錘が感知し、その情報を脊髄に送る

脊髄が情報をキャッチし、筋肉に縮むように命令をだす

命令を受けた筋肉が縮む


【パターン2:筋肉が縮んだ時】

筋肉が縮んでる

腱紡錘が感知し、その情報を脊髄に送る

脊髄が情報をキャッチし、筋肉に伸ばす(緩める)ように命令をだす

命令を受けた筋肉が伸びる(緩む)


 

この2つのパターンがうまくいくことで、筋肉の伸縮は適度に保たれ傷めずにスムーズに動くことができます。

 

しかしスポーツで筋肉を使いすぎると、この自動調整システムに誤作動が発生しやすくなります。

 

 

筋肉の自動調整システムが誤作動を起こす3つの原因

原因その①“ミネラル不足”

ミネラルは体に必要な5大栄養素の一つです。

 

体にとって必須なミネラルは16種類ありますが、そのなかでも特に、

 

・マグネシウム

・カルシウム

・ナトリウム

・カリウム

 

が筋肉の状態を感知するセンサーである「筋紡錘(きんぼうすい)」や「腱紡錘(けんぼうすい)」が働く材料として使われます

 

スポーツで筋肉を使いすぎると、この4つのミネラルが過度に消耗します。

 

そうなると筋肉の状態を感知するための材料が不足することで、「筋紡錘(きんぼうすい)」や「腱紡錘(けんぼうすい)」の働きが鈍くなります。

 

結果、特に【パターン2:筋肉が縮んだ時】による誤作動で、


筋肉が縮んでる

腱紡錘の感知が鈍くなり、その情報を脊髄に送れなくなる

脊髄は情報が来ないので、筋肉に伸ばす(緩める)ように命令が出せない

命令が来ないので筋肉は縮み続ける

筋肉が過度に縮みすぎて痙攣(けいれん)をひきおこす

筋肉に痙攣が起こることで、いわゆる「足がつる」状態をひきおこす


といった過程で、ミネラル不足が「足がつる」状態を引き起こしてしまいます。

 

 

原因その②“水分不足”

人間は体重の60%が水分で占めています。

 

体にある水分に色々な栄養素が溶け込むことで、全身にその栄養素を運び受け渡すことができます。

 

ミネラルも水分に溶けている栄養素の一つです。

 

スポーツをすると、汗や吐く息から水分が失われすぎると、全身へのミネラル受け渡しが悪くなります。

 

結果、「原因その①“ミネラル不足”」でのべたような筋肉の自動調整システムに誤作動を引き起こし、「足がつる」状態を引き起こしてしまいます。

 

ちなみに、体重の3%以上の水分が失われると生命維持が崩れるとされていますほど、水分不足は体に深刻なダメージを与えます。

 

 

原因その③“血流不足”

血液には、赤血球や血小板・ミネラル・水分など色々なものが含まれます。

 

その血液は、心臓から押し出す力だけではなく、体の筋肉が縮んだり伸びたする際に血管を刺激して、ポンプのような作用をして全身に流れていきます。

 

スポーツをすると多かれ少なかれ筋肉が疲れます。

 

筋肉が疲れることでポンプ作用が弱くなり、血流が悪くなります。

 

そうすると筋肉の伸縮に必要なミネラルが全身にいきわたりにくくなります。

 

結果、水分不足の時と同様に「原因その①“ミネラル不足”」でのべた筋肉の自動調整システムに誤作動を引き起こし、「足がつる」状態を引き起こしします。

 

「足がつる」のが睡眠中に多い理由

スポーツをする“筋肉痛“が多かれ少なかれおこります。

 

筋肉痛を感じるのは、スポーツ直後より少し時間がたってからの方が多いのではないでしょうか?

 

スポーツをしてから筋肉痛が発生するまでにかかる時間は、

 

“12~48時間後”

 

とされています。

 

つまり昼間にスポーツをした後に筋肉痛が起こりはじめるのは、ちょうど就寝中にあたることが多いとも言えます。

 

筋肉痛が起こるということは、血液を全身に流す筋肉ポンプ作用が弱くなり「原因その③“血流不足”」で述べたような過程で足がつってしまいます。

 

 

頻繁に足がつるなら要注意!原因は放置してはいけない病気かも?

 

以前、毎日足がつって、むくみもきつくて歩きにくいので何とかしてほしいと来院された患者様がおられました。

 

足のつりやむくみの多くの場合は、筋肉の疲労や血の流れの悪いことで起こりますので、整骨院で治療することを選択されるのはいいと思います。

 

ただその時は、検査しようと少し足に触ったり体の向きを変えるだけで足がつり、ふくらはぎのむくみ方が通常の感触ではなかったため、内科に行って検査されることをお勧めしました。

 

結果は、透析を検討しないといけないほど腎臓機能が低下したことがわかりました。

 

腎臓が悪くなると、体からでる毒素を排出できなくなり、最悪の場合は心臓が停止するなど生命の危機につながります。

 

このようなこともありますので、「足がつる」症状が頻繁に起こるようでしたら、病気の可能性を頭に入れておかれてもいいと思われます。

 

放置しておくと危険な病気は以下のように記しましたので、「足がつる」以外の症状もあわせて参考にしてください。

 

病気の種類 筋肉がつる以外の症状
糖尿病 のどの渇き・疲労感・多尿・頻尿
腎臓・肝臓機能の障害
腰の脊柱管狭窄症 腰痛・足のしびれ・歩くと足がしびれたり痛み、しばらく休むと歩けるようになる
腰の椎間板ヘルニア 腰痛・足のしびれ
閉塞性動脈硬化症 歩くと足がしびれたり痛み、しばらく休むと歩けるようになる
一過性脳虚血 手足がしびれる・めまいバスる・ろれつが回らない・物が二重に見える
脳梗塞
狭心症 胸の痛みや背中な痛み、のどの痛み、左肩から腕にかけてのしびれや痛み
心筋梗塞
甲状腺機能低下症 全身の倦怠感・食欲低下・皮膚の乾燥・顔のむくみ・脱毛
副甲状腺機能低下症
筋萎縮性側索硬化症 筋力の低下や委縮・認知症上・性格の変化・白内障・脂質異常症・前頭部脱毛
筋強直性ジストロフィー
多発性神経症 手足のしびれ・歩行御困難

 

 

 

 

足がつるだけでなく生命の危険も!高齢者に多い「夏の水分不足」。その原因は高齢者特有の身体機能と住まいの環境?

高齢者の水分不足からおこる危険な現状

夏に「足がつる」症状をひきおこす原因の代表格が、“熱中症”です。

 

特に夏は熱中症で救急搬送される高齢者が増える季節です。

 

総務省の「令和2年(6~9月)の熱中症による救急搬送状況」によると、熱中症で搬送された、

 

約6割が高齢者

 

だったという統計がでています。

 

夏に高齢者が熱中症となる原因の一つとして、水分不足があげられます。

 

これは高齢者の「身体機能」と「生活環境」が原因となっています。

 

身体的理由

・温度を感じる機能が低下する

50歳までは約0.5℃の温度差を判別できるのに対して、65歳以上になると約1~5℃の温度差になって初めて判別できるようになる。つまり温度感覚が鈍ることで、ご高齢者は暑さを感じて、水分を取ろうとする行動が遅れる傾向にあります。

 

・のどの渇きを感じにくくなる

体に水分が少なくなると、脳が「のどの渇き」を感じ、水分を取るように促します。しかし高齢者になると、「のどの渇き」に対する脳の反応が鈍くなり、水分を取る行動に遅れがでます。

 

・体重に対する水分割合が減る

成人の体内水分量は約60%であることに対して、高齢者の体内水分量は約50%にさがるといわれています。つまり高齢者の体は10%も水分の貯蓄が少ない状態です。ですので、暑さで体の水分が奪われると、すぐに水分不足となり熱中症を引き起こします。

 

 

生活環境

高齢者の方が夏の日常生活で

 

・エアコンは体に悪いと思いつけない。

・節電のためにエアコンをつけない。

・睡眠中にトイレに行くのが煩わしくて水分の摂取を控える。

 

といった行動をよくとりがちです。そのことが体に水分不足を招き、熱中症を引き起こしてしまいます。

 

 

足がつる3つの原因を予防するには?夏でもスポーツを楽しみたい高齢者の方にやっていただきたいこと。

ミネラル不足を解消するためには?

ミネラル摂取レシピ

スポーツをすると不足しがちなミネラルは、マグネシウム・カルシウム・ナトリウム・カリウムの4種類。

 

ミネラルは体の中で作れないので、食事からとりこむ必要があります。

 

ミネラルが食事からとれるように、ミネラルを豊富に取り入れたレシピサイトを以下に紹介させていただきますので参考にしてみて下さい。

 

cookpad ミネラル豊富レシピ

https://cookpad.com/search/%E3%83%9F%E3%83%8D%E3%83%A9%E3%83%AB%E8%B1%8A%E5%AF%8C

 

Nadia 「ミネラル」人気レシピ

https://oceans-nadia.com/recipe/tag/%E3%83%9F%E3%83%8D%E3%83%A9%E3%83%AB

 

レシピブログ ビタミン?ミネラル豊富のレシピ

https://www.recipe-blog.jp/search/recipe?keyword=%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3%EF%BF%BD%E3%83%9F%E3%83%8D%E3%83%A9%E3%83%AB%E8%B1%8A%E5%AF%8C

 

 

ミネラルが豊富な食材

・マグネシウムが多く含まれる食材

スルメ、ワカメ、アーモンド、ピーナッツ、ゴマ、イワシ、納豆、豆腐、ヒジキ、ホウレンソウ、玄米など

 

・カルシウムが多く含まれる食材

小松菜、切り干し大根、ゴマ、わかさぎ、ししゃも、しらす干し、干しエビ、豆腐、牛乳、ヨーグルト、チーズ、

 

・ナトリウムが多く含まれる食材

食塩、醤油、味噌、ハム、ベーコン、ウインナー、かもぼこ、魚肉ソーセージ、たくあん、梅干し、

 

・カリウムが多く含まれる食材

昆布、焼きのり、サツモイモ、ジャガイモ、納豆、豆腐、梅干し、バナナ、キウイフルーツ、スイカ

 

※各ミネラルが豊富な食材を体に取り入れる際の注意点

食材によっては、高血圧や糖尿病・腎臓病などの持病に影響が出る場合があります。持病と食材への兼ね合いに不安があるようでしたら、かかりつけの病院または薬局で聞いてみて下さい。

 

 

水分不足を解消するためにやってほしいこと

大前提として、一日に必要な水分の摂取量は、

 

1.2ℓ

 

です。

 

さらにスポーツで失われた水分量は、スポーツする前後の体重の変化や摂取した水分量などを組みあわせた計算式でわかります。

 

しかし実際に計算するのはなかなか面倒ですよね。

 

そこでスポーツ後に、今自分がどれだけ水分を取ればいいのかを

 

“尿の色”

 

を確認してください。

 

厚生労働省が下図の「尿の色で脱水症状チェック」というカラーチャートをだしています。

 

こちらを参考にして、ご自身の体内水分の状態と摂取量を把握してください。

 

 

水分を取る際の飲料の種類

よく汗をかいたスポーツ後は、経口補水液をまず摂取するのがベストです。

 

経口補水液は、塩分と糖分などの成分や含まれている比率により、体の水分吸収の効率がたいへんいいです。

 

薬局で手に入れやすいの経口補水液は、大塚製薬の「経口補水液OS-1」(https://www.os-1.jp/)です。

 

経口補水液の一日にとってもいい目安量は、500~1000mlです。

 

経口補水液で体の水分が整った後には、水や麦茶で水分を取っていただくのがおすすめです。

 

アルコール含まれるお酒やカフェインが含まれるコーヒーや緑茶などは、利尿作用があり水分が外にでやすくなるので、なるべく控えていただきたいです。

 

また、汗をかいてスポーツで体の水分量が少なくなっている状態で、スポーツドリンクや真水を大量にとるとかえって脱水症状を起こしてしまいますので注意が必要です。

 

 

血流不足を解消するためにやってほしいこと

血流不足は筋肉の動きが悪いことから来ます。

 

生理学的にみると、筋肉は体温を38℃ぐらいまで引き上げると、筋肉内のカルシウムなどの働きが活性化して非常に動きやすくなります。

 

スポーツで、やっていくうちに体が動き出すのはこの理由のためです

 

ですので筋肉が活動しやすいように体温を上げるには、

 

“お風呂で体を温める”

 

ことがベストです。

 

夏場は暑いのでどうしてもシャワーで済ませがちです。

 

シャワーだけではなかなか体が温まらないので、5分でもいいので湯船につかってください。

 

また夏は暑いので、ついつい半袖半パンと寝巻を薄着にしがちです。

 

上半身はともかく、薄手の生地でもいいので下半身は長ズボンを履いて保温に努めてください。

 

そうすることで筋肉の活動をキープし、血流不足を防ぐことができます。

 

 

まとめ

私自身、剣道を週一回ほど稽古に行きます。

 

夏場の稽古は、軽く体重が1~2㎏ほど落ちるほどきついので、行こうかどうか毎度迷います。

 

そんな夏に外に出かけて、積極的にスポーツをされるご高齢者の方のエネルギッシュな行動は本当に頭が下がります。

 

せっかく素晴らしいことをしているのに、「足がつる」というデメリットがでてしまうのは残念です。

 

ですので今回それを解消できるようにと思い、原因と対策を紹介させていただきました。

 

今回のブログを読んでいただくことで、「足がつる」ことを防ぐことができるようになれましたら幸いです。

 

それでも「足がつる」状況が続くようでしたら当院にご来院ください。

 

当院は足がつりやすくなっている方への治療を得意としております。

 

体全体を整えることで、足がつりにくいお体を作っていきます。

 

監修 柔道整復師 鍼灸師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

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