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脱水症 | ひさき鍼灸整骨院の記事一覧
6月後半になると、いきなり気温が30度をこえ出し、真夏日になる日が多くなります。
この時期に健康面で注意すべきことは、
「隠れ脱水症」
です。
特に、朝、起きたときには、気づかないうちに、すでに脱水症の状態になっており、体の不調が発生する場合があります。
脱水症は、重症になると生命の危機にも直結しますので、脱水症に関する情報と予防法、対処法をあらかじめ知っておく必要があります。
そこで今回は、寝起きに隠れ脱水症が起こる要因とその対策や対処法について紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、ご自身のお体の水分状態を判断でき、脱水症によるリスクを回避できます。
脱水症とは、体内の水分とナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質のバランスが崩れて、体を正常に機能させるために必要な水分量が不足した状態です。
特に。気温と湿度が高い環境では、汗がかきやすくなり、汗をかくことで、体内から水分と電解質が失われ、脱水症のリスクが高まります。
朝、寝起きには発症している脱水症、いわゆる、「隠れ脱水症」になる要因は、以下のことが考えられます。
高温多湿な環境
夜間でも気温が高く、湿度が高いと、寝ている間に汗をかきやすくなります。
そうすると、朝、起きた頃には、体に必要な水分が失われているため。
水分補給の不足
一晩で失われる体の水分に見合った水分量を、寝る前に十分に摂取しないことで、高温多湿や寝具などの影響で、余分に体内の水分が失われた場合、朝には体に必要な水分が不足し、脱水症が生じる可能性が高まる。
冷房機器の使用の不足
エアコンや扇風機などで、適切な寝室の気温や湿度の管理や室内の換気ができていないと、夜間に体温が上がり、過剰に汗をかいて、その結果、脱水の状態になる。
アルコールやカフェインの摂取
アルコールやカフェインが含まれた飲み物は、利尿の作用があります。
頻繁に、尿が出ることで、体内の水分を減少させ、出した分の水分の補給がおこなわれないと、脱水症を引き起こしやす場合があります。
朝、起きたときには発生している「隠れ脱水症」の一番怖いところは、ご自身が脱水症になっていることに気づきにくく、そのために処置が後手にまわることです。
朝、起きたときに起こっている隠れ脱水症に気付きにく理由は、以下のことが考えられます。
徐々に進行するため
隠れ脱水症状は、寝ている間に、少しずつ汗をかいて水分が失われるため、夜間にゆっくりと進行し、急激に脱水の症状が現れません。
そのため、起床時には既に脱水状態が生じていても、急激な変化がないために自覚しにくい。
寝起きの不快感と混同しやすい
多くの人は、朝、起きたときには、寝ぼけたり、気だるい状態であることが多いです・このため、脱水による軽い頭痛やけん怠感などの症状が、単なる寝起きの不快感と勘違いしやすくなります。
ノドの渇きを感じにくい
寝ている間に体が脱水状態になっても、朝、起きたときに。強いノドの渇きを感じないことが多いため、自身が脱水状態なのを気づくのが遅れる傾向にある。
水分の不足の症状が軽い
初期の隠れ脱水症状は、軽い症状であることが多く、具体的な不快感や異常を感じない場合がある。
例えば、軽い口の乾きや若干のけん怠感などは、日常の生活の中でよくあることなので、つい見過ごしてしまうため。
起床後の忙しさによる気づきの遅れ
朝の忙しい時間帯に、人は起きてからすぐに、朝食や出勤などの準備をはじめ、それに集中しがちです。
このため、自身の体調に対する注意がおろそかになり、隠れ脱水症状に気づきにくくなります。
不快感への慣れ
毎日、少しずつ進行する隠れ脱水症状に、体が慣れてしまうこともあります。
人は繰り返しの不快感に対して、良くも悪くも順応する傾向があるため、軽い脱水状態が「普通」だと、体や脳が感じ、対応が遅れることも出てきます。
隠れ脱水症の症状は、軽度の脱水症状が現れることが多く、気づきにくい場合があります。以下で、隠れ脱水症の主な症状を紹介していきます。
口の乾き
朝、起きたときに口が乾燥していると感じることがあります。
これは、夜間に水分が失われた結果で起こります。
皮ふの乾燥
朝、起きたときに、肌が乾燥し、カサカサした感じがすることがあります。
寝ている間に体の水分の消失することで、皮ふの弾力性が低下し、このような症状が現れます。
目の乾き
寝ているときに起きる体の水分の消失は、目の中の水分にも影響して、目が乾燥するあるいは、目ヤニが増えることがあります。
けん怠感
寝ているときに体の水分が失われることで、寝起きに、全身のけん怠感を感じたり、疲労感が残っている場合があります。
頭痛
軽度の頭痛や、頭が重く感じる場合があります。
これは、体内の水分不足により、首から脳への血液の循環が悪くなるためです。
めまい
朝、寝床から立ち上がったときに、めまいを感じることがあります。
これも水分不足による血圧の変動が原因です。
口臭
寝ている間に体の水分がなくなることで、口の中に分泌される唾液が減少し、それによって、口の中の菌やバクテリアが増え、口が臭くなる場合がある。
筋肉のけいれんやこむら返り
寝ている間に、体の筋肉から2パーセント以上の水分が失われると、筋肉がこわばったり、けいれんを起こすなどの異常が現れます。
これは、筋肉の電解質のバランスが崩れるためです。
尿の色が濃い
朝、一番の尿が、濃い黄色または茶色の場合、体の水分が不足している可能性があります。
正常な場合は、尿は薄い黄色です。
重度の脱水症状が現れると、
・極度のノドの渇き
・尿の量の減少
・めまいや立ちくらみ
・意識の混濁や消失
・極度の全身のけん怠感
・心拍数の増加や不整脈
などような症状が発生します。
これらの深刻な症状が見られる場合は、直ちに病院で適切な処置を受けられることをおすすめします。
隠れ脱水症状は、体内の複数の臓器やシステムに悪影響を及ぼします。
以下は、特に影響を受けやすい主要な臓器です:
脳
脱水により脳への血流が減少し、注意力や集中力、記憶力が低下、頭痛が発生します。
腎臓
脱水状態では腎臓が水分を再吸収しようとし、尿が濃縮されます。
これが腎臓に負担をかけ、長期的には、腎臓の機能を低下させる可能性があります。
また、尿が濃縮されることで、尿中のミネラルが結晶化し、腎結石が形成されるリスクが高まります。
心臓
水分の不足により血液がドロっと粘度のある血液になるため、流れにくなり、それを排出させるためにため心臓に負担をかけます。
消化器系
水分不足により腸の中の水分が減少し、便が固くなって便秘が生じます。
また、水分不足が胃液や腸の消化酵素の分泌も減少するので、消化不良を引き起こします。
筋肉
体の水分不足により、電解質バランスが崩れ、筋肉の正常な機能がさまたげられ、けいれんやこむら返りが発生します。
肌と皮ふ
皮ふの水分が失われ、乾燥やかゆみが生じ、皮ふの弾力も低下します。
水分不足により、皮ふの再生が遅くなり、皮ふにできた傷の治癒が遅れます。
免疫系
脱水により、血液中の免疫細胞の機能が低下し、感染症にかかりやすくなります。
隠れ脱水症状は、日常生活に以下のようなさまざまな影響を及ぼします。
エネルギーのレベルの低下
脱水により、体のエネルギーのレベルが低下して、日中に疲労を感じやすくなり、無気力感や活動意欲が下がりやすくなる。
認知機能の低下
脱水により脳への血流が減少し、集中力や記憶力が低下し、学業や仕事の効率が悪くなる。
運動のパフォーマンスの低下
脱水により筋肉のけいれんや筋力低下、神経活動の低下が、迅速な動きや反射神経の低下を招き、により、運動のパフォーマンスが低下する。
精神への影響
脱水は、脳の機能が低下し、それが情緒の安定に影響を与え、イライラや不安感、気分の落ち込みなどを引き起こす。
体への不快感
軽度の脱水でも頭痛を引き起こしたり、立ち上がったときにめまいを感じることで、日常生活に支障をきたしたり、転倒や事故のリスクが増える。
胃腸への影響
水分不足により、便が固くなり、便秘がちになったり、消化液の減少で、消化不良や胃の不快感から食欲が低下する。
肌への影響
肌が乾燥しやすくなり、化粧のノリが悪くなったり、しわやたるみを引き起こし、見た目に影響する。
仕事や学業の効率低下
水分不足による脳の機能低下が、判断力や注意力、認知機能、集中力の低下することで、ミスが増えて仕事や学業の効率が落ちる。
自身が脱水状態かどうかを判断するための基準として、以下のようなことを参考に判断して対処してください。
体重の変化
寝る前と朝、起きたとき体重を比較し、明らかに減少している場合は脱水の状態を疑います。
尿の色
濃い黄色の尿は、体が脱水の状態であるサインです。
皮ふの弾力
皮ふをつまんで離したとき、皮ふが元の状態に戻りにくい場合、体が脱水状態であることを示します。
口の乾き
朝、起きたときに、強い口の乾きを感じる場合も脱水のサインです。
ご自身が脱水状態なのか判断に迷うときには、病院で診察を受けてください。
病院にいくことや救急車を呼ぶことを迷った場合は、兵庫県では、医療安全相談センターで電話相談できます。
兵庫県の医療安全相談センターは、以下のリンクで兵庫県内の市別に電話番号が掲載されていますので、参考にしてください。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf15/hw11_000000003.html
朝、起きたときには脱水状態になっていることを防ぐための方法を以下で紹介させていただきます。
十分な水分補給
寝る前にコップに一杯の水を飲むことや、夜中に目が覚めたときにも水を飲む習慣をつけください。
また、寝床の枕元には、いつでも水分補給ができるように、ポットやペットボトルなどを備えることをおすすめします。
適切な室温管理
エアコンや扇風機を使って寝室の温度と湿度を適切に保ちます。
夏の寝室の適切な温度は、22度〜25度程度で、湿度は、40%程度が目安です。
室温の設定とともに、扇風機を使用して空気を循環させることも効果的です。
通気性の良い寝具の使用
通気性の良い寝具やパジャマを使用し、寝ている間の過剰な発汗を防いでください。
アルコールやカフェインを取る量を控える
特に、寝る前は、体から水分を出す作用があるアルコールやカフェインを含む飲料の摂取を控えることで、寝ている間に脱水になるリスクを減らせます。
朝、起きたときに、自身が「軽い脱水症状」であることを感じたら、以下のことをおこない対処してください。
水分の補給
まず、ただちに水や麦茶などを飲み、水分補給をおこなってください。
できれば、常温に近い状態での飲料を摂取すると、胃腸への負担が軽減されます。
また、OS1などの経口補水液は、体の水分と電解質バランスを補うために特別に配合された飲料ですので、軽い脱水症状には効果的です。
スポーツドリンクは、含まれている糖が高いため、飲みすぎると帰って脱水症状を促す場合もありますので、水や麦茶などと併用して摂取してください。
体を冷やす
エアコンや扇風機を使って涼しい場所で休むことで、体温を下げて、体から水分が失われるのをおさえます。
また、脇や股関節の前面、首に氷水の入った袋や氷のうを当てることも、体温を低下させるおことに有効です。
服装の調整
汗をかいた寝まきを脱いで、薄着や通気性の良い服に着替えてで、体温の上昇を防いでください。
医療機関への相談
脱水の症状が重度の場合は、医療機関を受診し、適切な処置を受けることが重要です。
隠れ脱水症状は、寝起きの一般的な不快感や忙しさなどで、見落としがちになります。
寝る前の予防や起床時の対処がおくれると、日中の仕事や学業中に急激に体調が崩れて、場合によっては命の危機に直面する場合もあります。
ですので、急激に暑くなって、体がその暑さに慣れていないこの時期は特に、隠れ脱水症への予防や対処を意識しておこなうことをおすすめします。
そのための方法として、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。
それでも朝、起きたときに不快感や気だるさなどの体に不調が解消されないようでしたら、お近くの病院や治療院にかかられることをおすすめします。
当院でも今回のようなお悩みに対して、施術をおこなっておりますのでご相談ください。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
また、他に、寝起きに起こる体の不調への対策のブログを書いておりますのでそちらも参考にしていただければ幸いです。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広