- Blog記事一覧 -介護作業で中腰の姿勢が多くなることで腰痛が起こる要因とその予防法
2020年の厚生労働省の統計によると、日本のご高齢者人口は、全人口の28.7%を占めていると報告されています。
その中でも、要介護認定を受けていご高齢の方は多く、自宅での介護が必要なケースが増加しています。
また、自宅で介護をおこなうことで、ご家族の負担も大きく、特に、ベッドからの移動や着替え、食事の手助けなどを中腰の姿勢でおこなうことで、腰痛を引き起こすご家族の方が少なくありません。
そこで今回は、中腰での介護作業が腰痛を引き起こす理由とその予防法について紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、介護に伴う腰痛のお悩みを解消できます。
長時間、中腰の姿勢を続けて介護作業をおこなうことで、以下のような問題が発生し、腰痛が生じやすくなります。
中腰の姿勢では、腰の骨が前方に曲がることで、腰の骨と骨の間にあるクッションの役割を担うゼリー状の椎間板に圧力がかかり、後方に押し出されます。
この椎間板の変形が、腰の骨と骨の間から出る神経を圧迫して、炎症や痛みが生じ、その結果、腰痛が引き起こされる可能性があります。
中腰の姿勢を維持するためには、上半身の重みを支えることと下半身の安定が必要です。
その役割を担う腰の深部の大きい筋肉が常に緊張状態にあると、疲労を引き起こして硬くなります。
そうなると、中腰による負担に筋肉が対応できなくなり、腰に痛みを感じやすくなります。
よく中腰の姿勢をとる際は、腰だけを曲げてしまいがちです。
そうすると、腰に負担が集中するため、腰を曲げる角度を減らす動作が有効です。
そのためには、腰を曲げる前に、ひざを曲げて腰を落とし、なるべく背中をまっすぐに保つ状態で介護作業をおこなうことが重要です。
介護作業する際には、意識してひざを使うことで、腰への負担が軽減され、腰痛が予防できます。
中腰姿勢で介護をすることで起きる、腰の筋肉が疲労の回復を促すためには、定期的にストレッチをすることが有効です。
中腰で疲れた筋肉に有効なストレッチを以下で紹介させていただきます。
床に背筋を伸ばして、正座で座ります。
上半身を前に倒し、お尻を少し浮かしながら、両腕を前方に伸ばしながら、おでこを床に付けてリラックスします。
この姿勢を、20秒間、キープします。
20秒たったら、元の正座の状態に戻します。
これを、3回、繰り返してください。
上向き寝てください。
片方の足のひざを曲げて、両手で抱えて、ゆっくり胸に引き寄せます。
この姿勢を、20秒間、キープします。
20秒たったら、反対側の足も同じようにおこないます。
これを、左右の足で交互に3回、繰り返してください。
両足のひざを曲げて、上向きに寝てください。
曲げた両ひざを、右に倒して、20秒間、キープします。
20秒たったら、元の位置に足を戻し、同じように、曲げた両ひざを、左に倒して、20秒間、キープします。
これを、左右の足で交互に3回、繰り返してください。
腰に負担をかけないために、介護作業中は、腰へのコルセットを着用するのも、腰痛予防には有効です。
コルセットをする際は、コルセットの中央部分を、背骨に合わせて、骨盤の上部と腰の下部をはむように装着します。
装着する際は、しっかりとしめて、腰やおなかに圧がかかるようにしてください。
ゆるくしめると、腰を支える機能が低下します。
時間がたつと、コルセットの装着が緩みますので、こまめに締め直して、介護作業に当たってください。
日本では高齢化が進む中で、自宅介護を行う家庭が増え、介護者にとって腰痛が大きな問題となっています。
介護作業では、多くなる中腰姿勢は腰に負荷をかけ、腰痛の原因となるため、正しい姿勢の習得、定期的なストレッチ、適切なサポート具の利用することが重要です。
そのための方法として、そのための方法として、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。
それでも、介護作業で中腰姿勢が多くなることで起きる腰の痛みが解消されないようでしたら、お近くの病院や治療院にかかられることをおすすめします。
当院でも今回のようなお悩みに対して、施術をおこなっておりますのでご相談ください。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像のことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
また、他に、腰の不調への対策のブログを書いておりますのでそちらも参考にしていただければ幸いです。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広