- Blog記事一覧 -重い荷物を放り投げる動作が引き起こした腰痛後の腰の違和感へのケア方法
お仕事や家の片付けなどで、重たい荷物を下ろすときに、腰をねじって放り投げる動作をすることで、腰に痛みが発生する方が少なくありません。
また、その後遺症として、そういった動作をして痛みが発生してから、数日後には痛みが軽減するのですが、何をするにも腰に違和感が残って、ストレスを感じることもよくおうかがいします。
そこで今回は、腰をねじりながらものを投げた際に腰を痛めてしまう理由とその後に起きる腰の違和感へのケア方法を紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、腰を瞬発的にねじることで起きる痛みや違和感を早期に回復できます。
立った状態で、体をねじるという動作は、腰だけではなく、首から腰、太ももにかけて、ほぼ全身のねじれ動作を要求されます。
そしてそのねじり動作を、反動をつけて瞬発的におこなうことは、筋肉が素早く縮めて、素早く伸ばすことが要求されるため、筋肉に過剰なストレスを与えます。
さらに、重たいものを投げるということも加わわれば、負荷が上乗せされます。
水にぬれた雑巾を絞るとき、雑巾の端と端を持ってねじると、雑巾の中心部が最も圧力がかかります。
つまり、体をねじって、重たいものを持ち上げて投げる動作は、体の中心である腰に最も負荷がかかります。この負荷に対応できないことで、腰周辺の組織が損傷して、痛みが発生します。
腰をねじる動作によって起こる腰痛は、筋肉の損傷によって引き起こされます。
以下で、筋肉の損傷の中でも、軽度のものと重度のものとは、症状や治癒期間が違いを紹介させていただきます。
症状は、瞬間的な鋭い痛みではなく、鈍い痛みや不快感が続くことが多いが、完全に動作が制限されることは少ない。
痛みのある部分に腫れや内出血は、ほとんど、見られません。
治癒期間は、数日から1週間程度で痛みはほぼ解消され、完全な回復には1〜2週間かかることがあります。
症状として、筋肉が部分的に断裂するため、痛みによって筋肉がうまく動かせなくなることが多いです。
損傷した部分に腫れや内出血し、皮ふにあざができることがあります。
治癒するまでの期間は、軽度で数週間で、中等度から重度で、数カ月の治療とリハビリが必要になることがあります。
軽度の筋肉の損傷は、自然と治っていくこともありますが、重度の筋肉の損傷や、痛みが発症してから数日がたっても全く痛みの度合いが変わらないようでしたら、病院で精密検査を受けて、適切な診断と処置をされることをおすすめします。
先日、溶接業の50歳代男性の方が、腰痛を訴えて来院されました。
きっかけをお聞きすると、来院される3日前に、鉄など入った重たいゴミを、ゴミボックに放り投げたときに、腰に痛みが走って、しばらく動けなくなったとのこと。
ゴミは右手で引きずってゴミボックスまで持っていって、体の右後方にあるゴミを、体を右から左に瞬発的にねじりながら、正面のゴミボックスに投げたそうです。
痛み止めを飲んで過ごし、今は発症直後よりは良くなり、仕事はできるほどは動けるけど、腰に違和感が残っている。
立ち上がりがスムーズにできないのと、そのままにしておいたら、また痛みが仕事に再発するのも心配なので、来院されたとお話しいただきました。
お体を検査させていただくと、右腰と左のお尻の筋肉の緊張がキツく、背骨にもゆがみが発生して、左股関節や首の可動性が低下していました。
背術としては、股関節の可動性の手技、背骨と骨盤の矯正、鍼治療による筋肉の緊張緩和などを施しました。
施術終了後は、「腰が伸ばしやすい」「スッと立てる」といった喜びの感想をいただけました。
今回は、腰に負荷をかけてねじる動作が、全身にその影響がでるということがわかる症例でした。
腰をねじってものを放り投げた際に起こる腰痛ですが、発症から数日たって痛みが軽減したものの、腰に違和感が残る場合は、腰周辺の筋肉の炎症がおさまり、筋肉自体が硬くなっている可能性があります。
そういった場合は、腰周辺の筋肉に適度な刺激を加えて、血流を促し、酸素と栄養が提供されることで回復されます。
以下で、腰周辺の筋肉に刺激を入れるためのストレッチの方法を紹介させていただきます。
下向きで寝て、肘を曲げて脇の横にうでを置き、手のひらを床につけます。
息をはきながら、ゆっくりとひじを伸ばし、上体を起こします。
上体を起こして、背中が伸びるのを感じたら、5秒間、キープします。
息を吸いながら、ゆっくりと元の位置に戻ります。
これを、3回、繰り返します。
イスに座り、背筋を伸ばして、両手を背中で組んでください。
胸を張ったまま、ゆっくりと両手を上に持ち上げます。
胸が広がり、肩甲骨の間が狭まったのを感じたら、5秒間、キープします。
これを、3回、繰り返します。
イスに座って、背筋を伸ばし、右足を左のひざの上にのせます。
その状態で、ゆっくりと体を前方に傾け、お尻が伸びるのを感じたら、5秒間、キープします。
反対側の足も同じようにおこなってください。
これを、交互に、3回、繰り返してください。
追伸として、前章での実例の患者様ですが、気温が暑くなってきたことで、晩の入浴がシャワーで終えることが多っかったそうです。
シャワーは、体表面の皮ふ程度しか温まらないため、体の深部にある筋肉が硬くなる生活習慣となっていました。
このことも、腰を痛める要因ですので、ストレッチと合わせて、少しでもいいので、湯船につかって、腰周辺の筋肉を温めるようにしてください。
それによって、けがもしにくくなりますし、疲労の回復も大きく違ってきます。
腰をねじってものを放り投げることは、実例でも述べさせていただいたように、腰だけではなく全身に影響がでます。
この動作で起きた腰の違和感を放置すると、やがて、肩や首、足などに症状が広がり、生活に大きな支障がでるリスクがあります。
そういったことを最小限に抑えるためにも、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。
それでも、腰をねじってものを放り投げることで起きた腰痛後の腰への違和感が解消されないようでしたら、お近くの病院や治療院にかかられることをおすすめします。
当院でも今回のようなお悩みに対して、施術をおこなっておりますのでご相談ください。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
また、他に、ものを運搬することで起きる体の不調への対策のブログを書いておりますのでそちらも参考にしていただければ幸いです。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広