- Blog記事一覧 -体をねじって側方に置いたパソコン作業で起こる股関節の違和感への対処法
先日、パソコンを使ったことが主体のデスクワークをされている50歳代女性の方が、首と肩、背中の痛みとともに、左の股関節の違和感を訴えられ来院されました。
お仕事の環境をお聞きすると、ご自身のデスクの上に、正面と右側面にパソコン画面を置いて、仕事をされているとのことでした。
体を正面に向いてパソコンに向かっている場合と、体は正面を向きながら右方向に首をねじってパソコンに向かっている場合の、二つのパターンを交互に繰り返しているそうです。
今回、ご相談いただいた患者様のように、複数のパソコン画面を使ってデスクワークをされている方は多く見られます。
そのことによって、首や肩などのの痛みとともに、側方に置いたパソコン画面の反対側の股関節に違和感を感じられる方が少なくありません。
そこで今回は、正面と側方にパソコン画面を置いて仕事をすることで、側方に置いた反対側の股関節に違和感を感じる理由とその対処法について紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、複数のパソコン画面を使ってのデスクワークによって体の不調が発症するのを予防できます。
首の関節は、左右にそれぞれ90度づつ、合計で180度の横へ回すことができます。
さらに、両眼で150〜160度の横への視野があります。
ですので、首の可動域と目の動きを合わせると、体を正面に向けたままでも、首をひねるだけで、360度の視野を確保できます。
ということは当然、首と目の可動域だけで、側方のパソコン画面を見ることができます。
しかし、長時間、デスクワークをしていると、眼精疲労によって目の動きが悪くなります。
また、首をひねってキープさせる筋肉が疲労を起こし、可動域が落ちます。
といったように、目と首の機能が低下することで、十分に視野が確保できなくなります。
そうなると、首から下の体をねじって、パソコン画面を見るようになります。
イスに座ったまま、体を横にねじるためには、胸・肩・背中・脇腹・おなか。腰・お尻。太ももなど、複数の筋肉が協力しておこなわれます。
そして、側方のパソコン画面を見るために、体をねじってパソコン画面側に引っ張られる状態を安定させるためには、支点となる部位が必要です。
その安定させるための支点となるのが、今回の患者様の場合では、右側方に置いたパソコン画面と反対側になる、左の股関節です。
左股関節周辺の筋肉を緊張させることで、上半身が安定して側方にあるパソコン画面を見ることができます。
これは例えていうならば、ペットボトルのフタを開けようとするとき、本体の部分をしっかり持って安定させておかなければ、フタをねじって開けることはできないのと同じことです。
このように長時間、複数のパソコン画面を使ったデスクワークによって起こる首や目の疲労が、股関節に負荷をかけます。
それによって、股関節周辺の筋肉が疲労して硬くなることで、動きが悪くなり違和感を発生します。
側方に設置したパソコン画面を見るために体をねじる際に、股関節周辺にある、股関節の深部、お尻、太もも裏の筋肉などのが緊張して支点として働きます。
ですので、それらの筋肉にケアをほどこすことで、股関節の違和感が解消できます。
以下で、職場でもできる股関節の違和感を解消するための体操を紹介させていただきます。
立って、イスの背もたれをつかんでください。
片方の足のひざを伸ばしたまま前に振り上げてください。
次にひざを伸ばしたまま足を後ろに振りあげてください。
これを10回、繰り返してください。
終われば、反対側に足も同じようにおこなってください。
これを左右の足で交互に3回、繰り返してください。
イスに座り、片方の足を太ももの上に乗せて、足を組んでください。
上げた足と反対側の腕の肘を、上げた足の太ももの外側に当てて、上げた足側に体をねじって、気持ちがいいところで止めてください。
ねじった側のお尻の外側が伸びていることを感じたら、10秒間、キープしてください。
反対側の足も同じに体操をおこなってください。
これを左右の足で交互に3回、繰り返してください。
背筋を伸ばしてイスに座り、片方の足を伸ばしてかかとを床につけ、足首を足の甲側に曲げます。
もう一方の足のひざはを曲げて、足の裏を床にしっかりとつけます。
背筋を伸ばしたまま、伸ばした足のひざの上に両手を置いて、そのまま体を前に倒します。
ひざの裏から太ももの裏が伸びるのを感じたら、10秒間、キープしてください。
反対側の足も同じに体操をおこなってください。
これを左右の足で交互に3回、繰り返してください。
今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。
それでも複数のパソコン画面を使ってのデスクワークで起こる股関節の違和感へのお悩みが解消できないようでしたら、お近くの治療院にかかられることをおすすめします。
当院でも今回のようなお悩みに対して、施術をおこなっておりますのでご相談ください。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
また、他にデスクワークによる体の不調への対策のブログを書いておりますのでそちらも参考にしていただければ幸いです。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広