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肉離れや捻挫などの筋肉損傷後のアルコール:回復を阻害するメカニズム

2024.01.05 | Category: 予防,捻挫,生活習慣,筋肉の損傷,肉離れ,飲酒

 

40歳代の男性が、運動中にふくらはぎの肉離れをおこして来院されました。

処置をした後に、注意事項として、“飲酒はひかえてください”とお伝えしたところ、ひどくがっかりされました。

理由をお聞きしたところ、運動後に飲もうと思っていた楽しみにしていたお酒があったようで、「なんでダメんでしょうか?」というご質問をいただきました。

3日ほどで、普通に動けるようになるとも思っておられたので、通常は、軽度の筋肉の損傷で、2週間程度、重症の場合は1~2か月程度、回復には結構な時間がかかるケガであること。

また、仕事もあるし、試合も近いということなので、肉離れを早く治したいというご希望もあるということなので、早く回復するためには、なおさら、アルコールをひかえるべき、その理由をお伝えして、納得していただけました。

筋肉の損傷するケガをした際に、アルコールをひかえることをお伝えすると、こういった質問よくされています。

実際、肉離れをした方が、アルコールを摂取したことで、治りが悪かった方がいらっしゃった経験もあります。

そこで今回は、捻挫や肉離れなど筋肉が損傷を受けた際に、アルコーつの摂取を控えるべき理由を総会させていただきます。

このブログを読んでいただくことで、筋肉が損傷した際のアルコールとの付き合い方を理解できます。

 

 

 

筋肉が損傷した時にアルコール摂取をひかえる方がよい理由

 

まず、アルコールを摂取することの良い面は、

・食欲が増進すす

・血流が良くなる

・ストレスが和らぐ

・会話がはずむ

・善玉コレステロールの増加

などがあります。

逆に、アルコールを摂取することのマイナス面は、

・神経に障害を与える

・骨量の低下

・筋肉量の低下

・血中に毒性の強い物質の増加

など、体にとってよくない影響もでます。

さて、このように体にとっていろいろな影響がでるアルコール摂取ですが、肉離れや捻挫など、筋肉が損傷した場合には、結論から言えば、

 

「アルコールの摂取はひかえるべき」

 

です。

その理由としては、以下のようなことが筋肉に影響を与えるからです。

 

 

アルコールの摂取で筋肉が分解される危険性が高まる

 

アルコールを飲むと、

・アルコールによる脳の興奮

・アルコールからできる毒性の強い物質の増加

・アルコールによる血糖値の不安定になる

などがおこることで、体が“ストレス”を感じてしまいます。

体がストレスを感じると、ストレスに対応するホルモンの分泌が増加します。

このアルコールを摂取するストレスから分泌されるホルモンは、体にエネルギーを作り出す作用があります。

エネルギーを作り出すには、タンパク質が必要です。

筋肉は水とタンパク質で構成されているため、このホルモンが筋肉を分解してエネルギーを作り出す方向に持っていきます。

その結果、筋肉が損傷しているにもかかわらず、アルコールを摂取することで、筋肉を回復させるどころか、分解されて減らす方向に向かってしまうのです。

 

 

アルコール摂取によって脱水症状により筋肉に異常がでる

 

筋肉全体の約70パーセントは「水分」、約20パーセントはタンパク質でできています。

筋肉に含まれる水分量の2パーセントでもへると、筋肉がケイレンなど異常が発症します。

アルコールは強い毒性があるので、分解する必要があります。

その分解には、水分と酸素が必要です。

アルコールを飲むことで、分解するために体の水分が消費されます。

また、アルコールには利尿作用もあるため、水分の喪失に拍車をかけます。

このことで、アルコールの摂取は、体が脱水症状におちいりやすいのです。

つまり、アルコール摂取によって体が脱水状態になっていると、筋肉に必要な水分が失われて、筋肉が損傷がますますひどくなる可能性が高まります。

 

 

アルコール摂取してからの睡眠は酸素の不足を引き起こす

 

睡眠中は、自律神経の働きで、体は回復モードとなる。

損傷した筋肉を回復させるには、水とタンパク質と酸素が必要です。

しかし、アルコールを摂取してから眠ると、舌が緩んでノドをふさぎ、無呼吸やいびきが誘発され、体に取り入れる酸素の量が低下します、

つまり、アルコール摂取した後に睡眠をとることは、睡眠中に筋肉をを回復させるための酸素が足らない状態となる。

 

 

アルコールの摂取は筋肉を増やすホルモンを低下させる

 

体には筋肉の増量をうながすホルモンも分泌されます。

アルコールが体に与える影響の研究では、アルコールを摂取すると、筋肉の増量をうながすホルモンの分泌を減少させ、筋肉が作られる量が30パーセント低下することが報告されています。

 

アルコールの摂取が筋肉の損傷による炎症を増加させる 

筋肉が損傷すると、内出血してはれる場合があります。

そこから筋肉を修復するために、痛みを発するの物質がでて、炎症をおこします。

アルコールには、血流を良くする作用があります。

筋肉が損傷した際にアルコールを飲むと、血流がよくなてしまうことで、そんそうした部位に血液の流れ込みが増し、炎症が増加します。

結果、はれがひどくなったり、痛みが増すこととなる。

 

 

筋肉の回復を促すためには

 

筋損傷の回復を促進するには、アルコールの摂取を避けることと他に、損傷のピークがすぎた3~4日後からおこなう次のような方法があります。

 

・無理のない程度に動かして筋肉に刺激を入れて血流を高める

・入浴で体を温め、血液の循環をよくする

・タンパク質と水分をこまめに摂取する

・睡眠をしっかりとる

 

といったことを意識しておこなってください。

 

 

 

まとめ

 

スポーツをやっておられる方はもちろんのことながら、普通に仕事や家事をされる方でも、肉離れや捻挫などの筋肉に損傷があると、日常生活に支障がでます。

私自身も何度も経験がありますが、肉離れは本当に痛くて、不自由で、心身ともにストレスがかかります。

そんな筋肉の損傷を少しでも早く治すために、お酒がお好きな方には申し訳ないのですが、この時だけは我慢していただくための理由を理解していただくために、今回のブログがお役に立てれば幸いです。

それでも筋肉の損傷がなかなか回復しないようでしたら、お近くの治療院にかかられることをおすすめします。

当院でも、筋肉の損傷に対する施術をおこなっておりますのでご相談ください。

当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。

そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。

 

他に筋肉に関するブログも書いておりますので参考にしていただければ幸いです。

稲刈り後に体中が筋肉痛に・・・、その原因と解消法

 

監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広


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