- Blog記事一覧 -歩くと股関節がぬけそう感覚がでる理由とそれを和らげるための3つのストレッチ法
飲食店に勤務されている40歳代女性の方が来院され、歩くときに股関節がぬけそうな感じがするとの不安感を訴えられました。
今回ご相談いただいたことが発症したきっかけをお聞きしました。
すると、普段、仕事場で、調理するだけではなく、10キログラムのお米の袋や油が入った一斗缶を、倉庫から調理場に運ぶことが多くて、それが本当に疲れると。
その何度もやっているうちに、2週間前から、何も持たずに普通に歩いていると、「歩くと股関節がぬけそうな感覚」がでてきた。
本当に抜けたらどうしようと思い、怖くてゆっくりしか歩けなくて困っているとのことでした。
整形外科でレントゲンの検査をしても、股関節を構成している骨盤や大腿骨の変形もないといわれたそうです。
特に股関節の骨自体に異常がないけれども、こういった歩いているときに股関節がぬけそうだという不安感は、特に、女性の方からよくご相談を受けます。
そこで、今回は、歩行時に股関節がぬけそうだと感じてしまう理由とその対処法を紹介させていただきます。
歩行のサイクルは、歩く一連の動作を表すもので、次のステップがあります。
「踏む」
最初にかかとが地面に触れる。これが一歩目の始まり。
「平行」
体重が足に移動し、足が地面に平行になる。足の裏の全体が地面と触れている状態。
「つま先」
足の指先が地面を離れ、足が後ろにスイング。次の一歩に向けての動き。
「振り出し」
足が空中にあり、前に振り出される。次に踏むための準備。
「反復」
上記のステップを繰り返し、歩行が続く。地面を踏んで、平行になり、つま先が浮き、そして振り出し。
このサイクルをおこなうことで、歩行が円滑におこなわれます。
このサイクルの中で、自身の体重が足の裏にかかる「平行」の際に、同時に股関節にも自身の体重がかかります。
この歩く時に股関節に、
体重の5.5倍もの負荷
がかかります。
これほどの負荷が股関節にかかると、骨の連結だけではぬけてしまいます。
それをぬけないようにするために、股関節の周りの筋肉が支えます。
歩行時に股関節がぬけないように支える筋肉の中でも、
お尻の筋肉が役割の66パーセント
をしめます。
今回ご相談していただいた方は、重量物を普段から持ち上げる作業が多いとのことでした。
重量物を持ち上げる作業は、全身の筋肉に相当な負担をかけます。
当然、お尻の筋肉にもその負荷がかかります。そのことで、お尻の筋肉が疲労して硬くなると、歩行時に股関節を支える働きができなくなります。
歩行時に股関節を支えるお尻の筋肉の機能が低下した結果、「歩くと股関節がぬけそうな感覚」がでてしまうのです。
実際には、股関節は、強力な靭帯で囲われており、脱臼が少ない関節です。
股関節がぬける事例は、交通事故やラグビーの試合中といった強烈な衝撃を受けた時ぐらいです。
しかし、お尻の筋肉が働かないことでおきる股関節がぬけてしまうのではないかという不安感は、それを補うための腰や太ももなどに余計な負荷をかけ、体全体にゆがみが広がるので、対策が必要です。
歩行時に股関節がぬけるといった感覚を解消するためには、お尻の筋肉の機能を回復させる必要があります。
そのためのお尻の筋肉へのストレッチの方法を以下で紹介させていただきます。
足を伸ばして座り、右手を後方に置いて体を支える。右ひざを立てて、左のひざの外に右足を置く。
左腕で右ひざの外側を左方向に押すように倒す
上向けで寝て、両ひざを立てて、左足を右ひざの外側にあてて足を浅く組みます。
左足で右ひざを押し付けて、両足を左側に倒す。
下向きで、右ひざを曲げて、右手で右足の内側からつかむ
右手で右足を外側に倒す
股関節は、人間がもつ関節の中で最大のものです。
それだけに、歩行や走行のときや立位や座位のときなど、体を活動させる上では土台となる関節です。
そのような股関節にぬけそうな不安感があることは、日常生活をおくるうえでは、大変な支障がでます。
今回、ブログで紹介させいただいたことが、股関節に不安がなくスムーズに歩けるように皆様の助けになれば幸いです。
それでも、歩く際に、股関節がぬけそうな不安感がある場合は、お近くの治療院で検査や治療を受けていただくことをおすすめします。
当院でも、今回のようなお悩みについての施術をおこなっておりますのでご相談ください。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
他に股関節に関するブログを書いておりますので、参考にしていただければ幸いです。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広