- Blog記事一覧 -正座から立ち上がりでひざが痛む60歳代女性の茶道先生に知ってほしいその対処法
茶道歴の長い先生ほど、正座から立ち上がる動作で、ひざの痛みを訴えられることが多いです。
茶道のお点前は、一つをおこなうのに、総じて1〜2時間ほどかかります。
当院にも来院されている60歳代女性の茶道の先生方の足の甲にできる「正座だこ」を見るたびに、正座の時間の長さや頻度を感じます。
正座から立ち上がる動作で、ひざに痛みが発生すると、稽古や研究会など、人前でお点前をしたり正客をする際に支障が出ます。
そこで今回は、正座から立ち上がる際にひざの痛みが発生する理由とその対処法について紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、茶道に関わっている際に感じるひざの痛みが解消できます。
正座をすることでひざに与える影響は以下のとおりです。
人間のひざの関節は、その構造のため、
「130度」
までしか曲がらないようにできています。
正座は、ひざの関節を
「150度」
にまで曲げた状態です。
つまり、正座はひざの関節にとっては、無理やりに曲げ込んで、関節に負荷をかけた状態です。
太もも前面の筋肉量は、体の中の筋肉でも最も多い部分です。
この強力な筋肉が、星座によって、構造以上にひざが曲げられることで、過剰に引き延ばされます。
正座の時間が長くなれば、太もも前面の筋肉が伸ばし続けることとなり、疲労して硬くなります。
その結果、太ももの前面の筋肉の付け根であるひざに痛みが発生します。
正座によてひざの関節を過剰に曲げ込むことで、ひざ関節の中を通る血管が圧迫されます。
それによって、ひざ周辺に分布する神経に血液の供給が悪くなります。
血液は、酸素や栄養などを運ぶ液体なので、それが神経に届かないことで、神経の機能が低下して、ジンジンとしたしびれが発生します。
年齢が若いときには、それほど苦労しなかったが、年齢を重ねるごとに、正座から立ち上がるのが苦労される茶道の先生方が少なくありません。
その理由は、正座から立ち上がる動作の特性とご自身の筋肉量の変化に要因があります。
正座から立ち上がるために、ひざ関節を伸ばすときに、主に働くのが太ももの前の筋肉です。
前章でも述べましたが、長時間、正座をすると、太ももの前面の筋肉を過剰に伸ばし続けて、ついには硬くなります。
実は、ひざ関節は、曲げるときよりも、伸ばすときのほうが1.6倍ものエネルギーを要します。
また、ひざ関節を伸ばす動作は、ゆっくりやればやるほど、太ももの前面の筋肉の最大値に近い出力を出さないとできません。
さらに、統計で女性の方は50歳代から筋力が急激に落ちる傾向にあります。
つまり、筋力が落ちる年齢になった茶道の女性の先生方が、正座で硬くなった上にエネルギーが不足した状態の筋肉で、無理にひざの関節を伸ばして立つ動作をおこないます。
その結果、筋肉にダメージが出ると脳が判断して、その動作にブレーキをかけために、ひざ周辺に痛みを発生させます。
茶道においては、正座をすることは避けられない動作です。
ですので、長時間、正座する際におこなってほしい対処法を以下で紹介させていただきます。
130度しか曲げられないひざを、正座で150度まで曲げています。
ですので、正座をするときには、お尻に正座イスを入れて、20度分、ひざを曲げないようにすることをおすすめします。
目安としては、かかとからお尻の間にテニスボールが一個分が入るぐらいの幅をあけて正座をしてください。
注意点としては、正座いすが硬すぎて、かかとからお尻の角度が20度以上になっても、体が前に倒れて、かえってひざに負荷をかけるので、調整しながら正座をおこなってください。
正座いすは、ホームセンターや通販で販売されています。
正座いすの販売しているサイトのリンクを貼り付けましたので、参考にしていただければ幸いです。
正座からひざを伸ばすには、太ももの前面の筋肉を使います。
長時間、正座をするときには、太ももの前面の筋肉をサポートするために、テーピングを貼ることをおすすめします。
テーピングの種類は、筋肉テープと呼ばれるもので、テープには幅は5センチのものが使いやすいです。
その筋肉テープを40センチほど切ってください。
ひざを曲げられるだけ曲げてください。
ひざのお皿の下に、ぽこっとでた骨があります。
その骨を目安にして、ひざを曲げたままテープを貼り付けます。
そのまままっすぐ、テープを引っ張らずに、ふわっと太ももの前面に貼り付けてください。
テープを引っ張って貼ると、皮ふを引っ張って、かぶれの原因になりますので、テープがもつもともとの長さのまでま貼ってください。
おすすめの筋肉テープの販売サイトのリンクを貼り付けておきますので、参考にしていただければ幸いです。
正座をしていると、太ももの皮ふがひざの方向に引っ張られた状態で固まりがちです。
ですので、太もも前面の皮膚を刺激して、ひざが伸ばしやすいように、緩みを作ります。
まず、足を伸ばして、ひざの関節をはさんで、手を当てます。
太ももの前面に当てた手は、股関節方向に、すねに当てた手は、足関節方向にじわっと引っ張ります。
この状態を、10秒間、キープしてください。
反対の足も同じようにおこなってください。
これを交互に3回、おこなってください。
正座は、短い時間でしたら、腰に負荷がかからない座り方ですし、集中力も上がる座り方だと言われています。
ただ、茶道に関しては、正座の時間が長いため、それが積み重なると、お点前の動作に支障が出始めます。
長く茶道を楽しむためにも、正座によるひざへの負荷を軽減する方法を、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。
それでも正座からの立ち上がりでの痛みが解消できないようでしたら、お近くの治療院にかかられることをおすすめします。
当院でも今回のようなお悩みに対して、施術をおこなっておりますのでご相談ください。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
また、他にひざ関節の不調への対策のブログを書いておりますのでそちらも参考にしていただければ幸いです。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広