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水中ウォーキング | ひさき鍼灸整骨院の記事一覧
みなさん、こんにちは。加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。
今まで運動をされておられないシニアの方が、日常で体力の不足を感じて、運動を始めようと行動されることがあります。
運動することは、筋力が向上するだけではなく、痛みを緩和したり脳が活性をしたりと、心身の健康には非常に有効なことです。
運動すること自体は良いのですが、テレビやYouTubeなどから得たトレーニング方法の情報から、いきなり基礎体力が上級クラスの運動を始められる方がいらっしゃいます。
そうすると、せっかく健康のために運動を始めたのに、ひざや腰などを痛めてしまう方が少なくありません。
例えば、ウォーキングを大股で早くする、階段や坂道を昇降するなどは、かなりの衝撃が体にかかる運動を、いきなり始めるとお体を痛めてしまうことによく当院でも遭遇します。
そこで今回は、運動を始めようと思われるシニアの方に向けて、運動の程度や注意点などについて紹介させていただきます。
このブログを最後まで読んでいただくことで、安全に効率よく運動をおこなえて体力を上げることができます。
先日、歩くと左の股関節の痛みを感じると訴えて、70歳代女性の方が来院されました。
股関節の痛みで、病院の方で検査を受けたところ、股関節の骨自体には問題がなく、股関節周辺の筋力が低下しているためではないかと診断されたそうです。
それで、運動を始めたら、股関節が余計に痛くなり、運動をしない方がいいのか悩んでいるとのことでした。
どんな運動をされたんですか?という質問をさせていただいたところ、左足で片足立ちをしていたと。
なぜそれをされたのですか?と質問させていただいたところ、整形外科の病院で、片足立ちで何秒の間、立てるかの検査があって、あまり片足で立てなかったので、できるようにしようと思いおこなったということでした。
片足立ちをはじめとした、関節の動きや筋力、神経の状態を調べる整形外科的テストと呼ばれる検査は、基本的に、痛みやしびれがでる状態にさせて、痛めているかどうかを判定するものです。
ですから、片足立ちでトレーニングを行ってしまったことで、痛みを増加させてしまったと思われます。
また、整形外科的テストは別として、確かに、股関節のトレーニングとして、片足立ちはあります。
しかし、片足で立つと、股関節のかかる負荷が、体重の3~4倍かかるとされ、それをするにはある程度の基礎筋力が必要で、運動する段階としては早かったと思われます。
患者様には、運動すること自体はいいことなので、怖がらなくても大丈夫であることをお伝えして、今のお体の状態にあった運動方法をお伝えさせていただきました。
今回の患者様のように、健康意識が高いために、かえってお体を痛めてしまう状況をよくお見かけします。
こういったことが起こらないためにも、次章から運動を始める方に向けての、注意点やポイントを説明させていただきます。
股関節周辺の筋力低下は、何もしなければ年齢とともに進行します。
筋力は、20~30歳をピークに、40歳頃からゆるやかに減少し始め、60歳以降は筋力の急激に低下します。
また、 80歳までに、筋肉量は20歳の頃と比べて、約40%減少するともいわれています。
ご高齢の方から、この歳でトレーニングしても、筋力がつくんですか?というご質問もよく受けます。
研究によると、90歳前後のご高齢者でも、トレーニングをおこなうことで筋肉量が増えたという報告がされていますので、積極にされることをおすすめします。
トレー二ングを続けることで、筋肉量は増えますが、ある程度の期間が必要になります。その期間は、年齢によって異なり、
・20代:2~3カ月
・30代:3~4カ月
・40代以降:4~6カ月
以上の継続的なトレーニングで効果があらわれます。
ですので、シニアの方は、ケガをせずにゆっくり継続できる強度の運動で良いかと思われます。
また、アメリカの大学の研究によると、1日20分の中強度の運動を、2カ月間、続けることで、長生きするための遺伝子のスイッチが入ると報告されています。
こういたことから見ても、健康を保つためには、継続した運動が欠かせません。
運動をした後、筋肉痛が発生します。
運動後の12~48時間の間に、筋肉痛はピークに達して回復していきます。
この法則から言っても、運動によるケガを防止するためにも、運動後はある程度の回復するための期間を設ける必要があり、毎日、する必要はないのです。
シニアの方が運動を始める場合は、まずは、
「1週間に2回の運動」
を目標におこなってください。
また、1日の必要な運動時間は、運動強度にもよりますが、「40分以上」を目指すことが推奨されています。
ただ、いきなり40分も運動すると体を痛めてしまう可能性がありますので、まずは、
「1日10分間の運動」
を目安に始めてください。
当院の実例の方でも、左股関節に痛みを感じているので、左の股関節周辺の筋肉を鍛えようと、左足で片足立ちをしていました。
このように、体の弱いと自覚している部分を集中的に鍛えたくなるものです。
しかし、そうするとますます体を痛めたり、それをカバーするために体の他の部分に負担がかかって新たな痛みが発生する場合があります。
ですので、たとえ片側が弱いと感じても、最初は、体の左右上下をバランスよくできる運動をおすすめします。
そのための運動入門にふさわしいのが、
「ウォーキング」
です。
ウォーキングは、全身の筋肉の70~80%を使う全身運動の上に、左半身と右半身を対称的に使う運動です。
なおかつ、筋力の検査は、5段階で評価しますが、上半身は「3」の状態であれば日常生活に支障はないのですが、下半身は「4」と高い状態が必要になるため、足を鍛えることは重要です。
ウォーキングですが、10分程度から始めて、徐々に時間を伸ばしてください。
注意点としては、歩けるようになると楽しくなるので、ついつい、やりすぎてしまうことです。
一回のウォーキングにつき、時間で言えば40分以内、歩数で言えば6000歩前後あたりで抑えることをおすすめします。
また、プールに入って行う「水中ウォーキング」も、自分の体重や重力による負荷を軽減させながら歩く運動ができるので、こちらの運動もおすすめです。
一般的には、「中強度」の運動を継続してすることで、健康を維持できるとされています。
前章であげたウォーキングでの運動強度の目安は、
低強度:鼻歌がでるぐらい
中強度:会話ができるぐらい
高強度:会話ができないぐらい
とされています。
ですので、鼻歌がでるぐらいの低強度のウォーキングから始めて、会話ができるぐらいの中強度までのウォーキングを目安におこなってください。
運動前の準備体操や運動した後にケアをすることで、筋力の向上が効率的におこなえたり、ケガを防止できます。
運動前には、ジャンプする以外のラジオ体操を一回でいいのでおこなって、筋肉に刺激を入れてください。
また、運動後のケアとして、運動したその日は、シャワーですまさずに湯船にゆっくりつかるようにしてください。
それによって、体温を上げることで、血流が促進して、運動によって疲労や損傷した部分の回復を促せます。
他に、筋肉の約74%は、水分でできていますので、その2%が失われるだけでも、筋肉に支障が出ます。
ですので、運動の前後には、失われるもしくは失われた水分を十分に補給することを、意識しておこなってください。
持病がある場合や、長期間、運動をしていない場合は、安全に運動を開始するためにも、医師や治療家などの医療関係者にアドバイスを受けてください。
また、運動中や運動後に、
・急な息切れや胸痛
・めまいや吐き気
・関節の痛みや腫れ
・異常な疲労感
などの症状が現れた場合は、すぐに運動を中止し、医師に相談してください。
これらの症状は、運動の強度が高すぎる場合や、健康の問題が潜んでいるサインである可能性があるためです。
筋力トレーニングで、まず、すすめられるのが、「スクワット」です。確かに、スクワットは、効率的に多くの筋肉を鍛えることができます。
ただ、それだけに負荷も大きく、適切なフォームでしなければ、かえって体を痛めてしまう場合もあります。
シニアの方は、ある程度、ウォーキングで基礎体力をつけてからでもいいかと思われます。
また、筋力トレーニングを始めたいと思われるのでしたら、まずは、イスに座った状態や寝た状態で行える低強度の筋力トレーニングから始めてください。
フィットネスジムに行って、機械を使って筋肉トレーニングする方法もあります。
この場合は、一度は、そのジムのトレーナーの方に指導を受けられることをおすすめします。
たとえば、エアロバイクにしても、サドルの高さやペダルの位置が適正でない場合、かえって体を痛めてしまう場合がありますので、専門家の意見を聞いてからおこなってください。
シニアの方が運動を始める際は、安全性を最優先に考え、ゆっくりと段階的に進めていくことが重要です。
そのための方法として、
・筋力が向上するまでの期間
・運動するペース
・運動の方法
・運動前の準備体操と運動後のケア
・医療機関への相談
・筋力トレーニングについて
を紹介させていただきました。
今回、ブログで説明させていただいたことが、みなさまのお役に立てれば幸いです。
当院でも、今回のケースのような運動にまつわることにも体操しておりますので、お気軽にご相談ください。
また、他に、ウォーキングに関するブログも書いておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。
監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
参考文献:「股関節屈筋群の筋力低下が歩容に及ぼす影響」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_H2-143_1/_pdf/-char/ja
先日、60歳代女性の方が、お体のメンテナンスで来院されました。
お体の状態をお聞きすると、運動のために、週に1回、2時間ほど水中ウォーキングをはじめたが、すごく疲れるとのこと。
もともと、腰や股関節に不安がある方だったので、運動を始めたのはいいが、かえって体を悪くしないか心配だそうです。
そのお話を聞いて、水中ウォーキングは、体重の10分の3程度まで軽くした状態でおこなえるので、今回の患者様にとっては最適な運動であることはお伝えしました。
運動すると、なんであれ疲労が伴います。
特に、プールでの運動後は、さまざまな理由でその傾向が顕著です。
運動で疲労すること自体は、体力や筋力が増強する過程なので、悪いことではないのですが、早めに回復させるにこしたことはありません。
そこで今回は、プールで水中ウォーキングをすることで疲労するメカニズムとそこから回復を促す方法について紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、水中ウォーキンングによる疲労の回復を促進できます。
プールで水中ウォーキングをすると疲れる理由は、水の中での運動の特性によってかかる体への負荷によります。
以下で、プールで水中ウォーキングをすることで体に受ける影響を紹介していきます。
水は密度が高く、粘りがあります。
そのため、水中ウォーキングは、姿勢を維持しながら、水を押しのけて歩く必要があります。
その負荷は、陸上の空気中を歩くより、はるかに抵抗が大きくなり、より多くの筋力とエネルギーが必要になります。
陸上にいるときより、プールに入っているときの方が、体の外側から内側に向かって水圧がかかります。
体の中で、特に水圧の影響を受けるのが、肺がある胸の部分です。
胸が膨らんだりしぼんだりすることで、肺が機能して呼吸がおこなわれます。
プールに入っての呼吸は、陸上で呼吸をするときより、水圧で胸の動きに抵抗がかかり、呼吸することに負荷がかかります。
スポーツ施設の温水プールでは、一般的に、運動に適した温度である約28°C〜30°Cの範囲で設定されています。
これは体温に比べると、約7℃の差があります。
水は空気に比べると、20倍も熱を伝える力が強い性質を持っています。
プールの水温が体温より低いため、この性質が働いて、プールの水に体があたることで、体温が奪われます。
そして、水中で失われた体温を上げるために、体のエネルギーの消費が激しくなります。
このように、水中ウォーキングは、浮力によって自身の体重を軽減させながら、陸上で運動するより体に負荷をかけて運動ができます。
これは運動する上ではメリットですが、体への負荷も大きいため、疲労もたまりやすくなります。
運動を続けることで、体が鍛えられていることに手応えを感じているとき、その状態をキープしたいため、体調が不良でも無理して運動をしがちです。
そうすると、かえって体調を崩す期間を伸ばしたり、けがをしまいます。
ですので、以下のようなメディカルチェックに当てはまるようでしたら、水中ウォーキングをひかえてください。
・最高血圧が140 mmHg、最低血圧が90 mmHgをこえている
・睡眠時間が5時間以下である
・体温が37度以上ある
・安静にしていても心拍数が1分間に100回をこえている
・めまい
・胸がしめつけられる感覚がある
水中ウォーキングによる疲労を早期に回復する方法を、以下で紹介していきます。
運動後2時間以内に、消費したエネルギーや筋肉の損傷を回復させるために、タンパク質と炭水化物を含んだ食べ物を摂取してください。
例えば、おにぎり・豚まん・バナナ・サンドウィッチ・牛乳・チーズなどの食事をしてください。
プロティンは、効率的に栄養を摂取できますが、過剰にとると内臓に負担をかけます。
プロティンの1回あたりの摂取する目安の量は、一般的には20~30g前後を、水や牛乳で溶かして摂取してください。
運動によって、体の中の水分が2%失われると、筋肉が疲労を起こして機能が低下します。
水中での運動は、のどの渇きが感じにくいので、意識して水分をとってください。
その際に、飲料の温度が15度以上のものの方が多く飲めます。
ですので、常温や温かいの飲料をとることを心がけてください。
飲む量としては、運動後に体重が1kgへへれば1リットル飲むといったように、運動後に減った体重を目安に摂取してください。
人間の体は、睡眠中に回復モードとなり、疲労がリカバーされます。
運動した日の晩は、6〜7時間は睡眠をとるように心がけてください。
運動後に昼寝をするのであれば、20〜90分以内以内を目安にとってください。
プールで水中ウォーキングをした後、施設内のシャワーを浴びると思いますが、自宅に帰った後に、もう一度、湯船につかり体を温めてください。
湯船につかり、全身を温めて体温を上げることで、血流が促進して疲労した筋肉や関節に栄養が運ばれ、老廃物が回収され、回復が促されます。
お風呂に入った後や寝る前でもいいので、下半身を中心に、軽いストレッチをおこなって、筋肉に刺激を入れてください。
そうすることで、血流が促されて、運動による疲労の回復を助けます。
ストレッチの方法は、当院の他のブログでも紹介しておりますので、参考にしてください。
こういった方法を組み合わせていただくことで、プールでの水中ウォーキング後に起こる疲れからの回復を促進できます。
水中ウォーキングは、生涯において続けることができる健康を促進・維持するためのスポーツと言われています。
このメリットが多い水中ウォーキングを、疲労をうまく抜きつつ継続するためにも、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。
それでも水中ウォーキングで疲労が解消できないようでしたら、お近くの治療院にかかられることをおすすめします。
当院でも今回のようなお悩みに対して、施術をおこなっておりますのでご相談ください。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像のことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
また、他に疲労への対策のブログを書いておりますのでそちらも参考にしていただければ幸いです。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広