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疲労と自律神経の不調による胃の不調や首・肩のこりへの対処法

2024.07.23 | Category: ストレス・自律神経障害,ゆがみ,予防,姿勢,日常生活の動作,栄養・食事・飲み物,生活習慣,疲労,睡眠,肩こり,胃痛,胃腸,首の痛み

 

先日、50歳代の女性から、自律神経と胃の不調の関係性についてご質問をいただきました。

詳しくお聞きすると、最近、胃が不調になり、2〜3日、食べ物を受け付けなくなり、病院で検査をしても異常がなく、最終的には自律神経の不調ではないかと医師から言われたそうです。

さらに、症状が出る数日前にキャンプに行き、非常に疲れていたとのこと。

また、胃の他に気になる体の不調として、首と肩のこりがきつい状態であるともお話しされました。

この患者様の症状を整理すると、まず「疲労」があり、その後「自律神経の不調」が起き、結果として「胃の不調」や「首・肩のこり」が発生したことがわかります。

これらの症状は相互に関連性が高く、共通のメカニズムを持っています。

今回は、疲労がどのように自律神経の不調を引き起こし、それが胃の不調や首・肩こりをもたらす理由とその対処法について紹介させていただきます。

 

 

 

疲労によって自律神経の不調、特に交感神経が優位になるメカニズム

 

疲労が体のたまってくると、体は生命活動を維持するために、交感神経を活性化させます。

交感神経は、体に「戦うか逃げるか」反応を引き起こす働きがあり、それをおこなうために、以下のような反応が起こります。

 

エネルギーの確保

疲労が蓄積すると、体はエネルギーの不足を補うために交感神経を活性化します。

それによって、血糖値を上昇させたり、脂肪を分解して、体からエネルギーをひねりだし、体が迅速に対応できる状態にします。

 

ストレスへの対応

疲労は、体にとってストレスとみなされ、これに対応するために、交感神経が副腎に働きかけて、アドレナリンやノルアドレナリンといったストレスホルモンの分泌を増加させます。

これらのホルモンは、長期的な疲労により、体が炎症を引き起こすことを、一時的に抑制します。

 

 

 

交感神経が優位になることで起こる胃の不調のメカニズム

 

交感神経が優位になると、体を活動させる方にエネルギーを集中させるために、胃の消化する機能が抑制されます。

これにより、胃の動きが低下して、胃に入ってきた食物を、胃と続いている消化器官の十二指腸や小腸にスムーズに送り出せなくなります。

そうなると、胃の中に食物が、長時間、滞留するため、胃の不快感やはき気を引き起こします。

また、胃酸の分泌も低下して、食物の分解が遅れて、消化不良や胃の不調が引き起こされます。

 

 

 

交感神経が優位になることで起こる首・肩のこりのメカニズム

 

交感神経が優位になると、体を活動させるために、筋肉が緊張しやすくなります。

特に、肩や首にある僧帽筋や胸鎖乳突筋といった筋肉は、脳からの信号を受け取りやすいため、他の部位に比べて、緊張しやすい。

そのため、交感神経が優位となると、肩や首のこりが発生しやすくなります。

 

 

 

交感神経が優位で起こる胃の不調と首・肩のこりへの対処法

 

交感神経が優位になることで起こる、胃の不調と首・肩のこりへの対処法として、自律神経を整える、つまり、交感神経と副交感神経のバランスを整える必要があります。

そのための方法を以下で紹介させていただきます。

 

姿勢で整える

胃の不調や首・肩のこりの症状をお持ちの方の姿勢を診させていただくと、許容範囲をこえるゆがみやバランスが崩れている方が少なくありません。

姿勢の崩れは、姿勢を保とうと体が自動的に制御するため、交感神経が優位になりやすくなります。

正しい姿勢を常に保つことは難しいですが、姿勢の崩れを気づいたときにできる簡単な姿勢の矯正法を、以下で紹介していきます。

それを実践することで、交感神経の優位を抑制し、自律神経のバランスを整えることができます。

 

胸を開く

両手を腰に当て、肘を後ろに引きいて、 肩甲骨を寄せるイメージで、胸を前に突き出しながら開きます。

この姿勢を、10秒間、キープし、終われば、ゆっくり元に戻します。

これを3回、繰り返しおこなってください。

 

猫背の矯正

イスに浅く座り、足の裏を床にしっかりつけてください。

両手を頭の後ろに置いて、肘を開いて後ろに引いてください。

その状態から、胸を開きながら、頭をゆっくり後ろに倒してください。

この姿勢を、10秒間、キープし、終われば、ゆっくり元に戻します。

これを3回、繰り返しおこなってください。

 

座り姿勢をリセット

イスに座ったまま、両足の裏を床にしっかりとつけ、背筋を伸ばし、骨盤を立てるように意識して座ってください。

肩を後ろに引き、軽く下げてリラックスさせ、あごを軽く引き、頭をまっすぐに保ちます。

この際、耳と肩をそろえるように意識してください。

この姿勢を保ちながら、深呼吸を、3回、繰り返してください。

 

食事で整える

自律神経のバランスが崩れると、胃の働きが悪くなることがあります。

これを改善するためには、消化に優しく、自律神経のバランスを整える食事を心がけることが大切です。

以下に、具体的な方法を紹介させていただきます。

 

一日三食を規則正しく摂取する

血糖値が上昇や低下が激しい場合、それを調整する自律神経に負荷がかかります。

規則正しい食事をすることで、血糖値を安定させ、自律神経への負荷が軽減して、そのバランスを保つのに役立ちます。

 

栄養バランスの良い食事

ビタミンB群やマグネシウムは、自律神経の機能を改善する効果があります。

ビタミンB群を含む食品としては、

・全粒穀物

・緑黄色野菜

・ナッツ類

・豆類

・卵

・肉

・魚

マグネシウムを含む食品としては、

・ダークチョコレート

・ナッツ(特にアーモンド)

・種子

・豆類

・緑色野菜

 

消化に優しい食品

消化に優しい食品をとることは、胃の負担を軽減し、胃の不調を改善し、自律神経のバランスを保つのに有効です。

消化にいい食事としては、おかゆやスープ、ヨーグルトや発酵食品蒸したり煮たりして柔らかく調理した野菜などがあります。

 

避けるべき食品と飲料

過度のカフェインやアルコールが含まれる飲料は、摂取することで、交感神経を過度に刺激し、胃の働きを悪化させる可能性があります。

 

睡眠で整える

胃の不調や肩こり、首こりなどの症状を改善するためには、質の良い睡眠を確保し、自律神経のバランスを整えることが重要です。

以下に、その方法を紹介させていただきます。

 

規則正しい睡眠

規則正しい睡眠のスケジュールを守ることで、体内時計を整え、自律神経のバランスを保てます。

そのポイントとしては、毎日、同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにすること。

また、休日でも、平日と同じスケジュールを維持し、体内時計のリズムを崩さないようにしいてください。

 

リラクゼーションの習慣化

寝る前にリラックスする習慣を取り入れることで、交感神経の興奮を抑え、副交感神経を優位にします。

そのポイントとしては、寝る1時間前からは、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器の操作を控えること。

また、寝る30分〜1時間前に入浴し、体温を一度上げてから下げることで、自然な眠気を促がされます。

軽いストレッチや深呼吸も、寝る前におこなうことで、睡眠の質の向上に効果的に働きます。

 

睡眠環境の整備

快適な睡眠環境を整えることで、睡眠の質を向上させ、自律神経のバランスが整います。

そのポイントとしては、

・暗く、静かな部屋を作る

・20〜22℃程度の適切な室温を保つ

・体に合う良質なマットレスと枕を使用する

・ラベンダーなどのアロマをたく

 

規則的な運動

適度な運動を日常生活に取り入れることで、体を疲れさせ、良質な睡眠を促します。

運動としては、ウォーキングやストレッチなどのを、30分程度をおこなうことをおすすめします。

激しい運動をおこなう場合は、寝る3時間前までには終わらせてください。

 

 

 

まとめ

 

疲労から自律神経のバランスが崩れると、ドミノ倒しのように、体の不調が発生します。

これに対処や予防するためには、まずは自律神経を整える必要があります。

そのための日常生活で実践できる方法として、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。

それでも、疲労から自律神経のバランスが崩れて、胃の不調や首・肩こりへのお悩みが解消されないようでしたら、お近くの病院や治療院にかかられることをおすすめします。

当院でも今回のようなお悩みに対して、施術をおこなっておりますのでご相談ください。

当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。

そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。

 

また、他に、疲労で起きる体の不調への対策のブログを書いておりますのでそちらも参考にしていただければ幸いです。

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監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広


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