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長時間、床で座る時間が体に与える影響と簡単にできる3つの対策方法

2023.09.09 | Category: 予防,姿勢,座り方,生活習慣,肩こり,腰痛

日本人は、畳や板の間に直接、腰を下ろして座る生活習慣の歴史が長い民族です。

そのDNAが色濃く残っているためか、椅子に座る生活と床に座る生活では、72%の方が「床で座る生活の方がくつろげる」と回答した統計がでています。

そして最近は特に、コロナや暑い気温が続くせいで、外出を控えて、家で座ってテレビやYouTubeなど見て過ごす時間が多くなっている傾向にあります。

床に座っている時間が長くなると、ご自身の姿勢が崩れていくのを感じて、これでは良くないと思い、どんな座り方がいいですか?というご質問をよく受けます。

床で座る方法は、正座や長座、横座りなど、いろいろとあります。

そこで今回は、床で座ることで体に与える影響と、床に座ることで起こるデメリットを解消する方法を紹介させていただきます。

このブログを読んでいただくことで、安心して床で座って生活を送ることができます。

 

 

 

「座り方」より「座る時間」が重要?

 

床に座るメリットは、直接地面との接触により、安定感を自然と無意識に覚え、リラックスできることです。

椅子でしたら、地面との距離があるため、転倒しないようにと多少の緊張感がでますが、床に座るとそれが減少します。

また椅子に座るより、目線が下がることで、部屋の空間を広く感じることができ、こちらもリラックス効果が発生すると言われています。

では、そんなリラックス効果が高いとされる床で座ることですが、座り方はいろいろとあります。

その中でも、体にとってベストな座り方は?

結論からいえば、「体がゆがまない床での座り方はない」ということです。

なぜなら、床での座り方のそれぞれにデメリットがあるからです。

 

「正座」

骨盤が安定して床に座る方法としては一番良いのです。

しかし、本来140度ほどしか曲がらなようにできているヒザを、無理に180度まで曲げてしまうことで、ヒザに負荷をかけて痛める可能性があります。

 

「長座」

座る姿勢の中で一番上半身が不安定になりやすく、足を伸ばして座る体勢を維持するためには、腰や太もも、お尻の筋肉の負担が大きくなります。

 

「アヒル座り」

股関節を内側に、ひざを外側に、過度に捻る体勢です。

下半身のねじれは、それを補うために、全身にゆがみを派生させます。

 

「横座り」

足を横に出した反対側の方に重心が傾きます。

そのままにしていると倒れてしまうので、上半身を反対側に自然と傾ける体勢となり、体のゆがみを助長します。

 

「あぐら」

膝を折り曲げた状態で広げることで、骨盤が後ろに倒れやすくなり、体が後ろに倒れていきます。

それを防ぐためには、体を前に倒す「猫背」の体勢をとってしまいがちとなり、姿勢を崩しやすくなります。

 

「体操座り」

両腕で膝を抱えて股関節を深く曲げ込むことで、内臓や血管を圧迫する体勢となってしまいます。

 

と、いろいろとデメリットをあげていきましたが、床に座るのが短時間でしたら、どの座り方でも大丈夫です。

しかし、同じ体勢の座り方で、長時間、床に座り続けていると、体に変調を起こします。

座ると楽に感じますが、実は、立っている時よりも、座っている時の方が、腰に1.4倍の負荷がかかります。

さらに、ただでさえ座ることは体に負荷を上に、床で座ると、それぞれの座り方が、筋力が必要となったり、体にねじれが生じたりと、プラスαの負荷をかけるので、長時間、床で座り続けるのを避ける必要があります。

余談ですが、座る時間が体に与える影響の研究で、座る時間が長くなるほど死亡リスクが増え、一回の座る時間が、30分未満であると死亡リスクは減少したという報告されています。

実際のところは、ご本人が座りやすいのでしたら、どの方法でも座ってもらってもいいです。

ただし、

 

「長時間、同じ体勢で座るのは避ける」

 

ことが、大前提です。

「座り方」より、「座っている時間」への意識が重要です。

 

 

座る時間が長くなった80歳代女性の実例

 

80歳の女性の方が、腰痛でご来院されました。

昨年、急に腰痛がひどくなって、病院に行くと脊柱管狭窄症と診断されたが、リハビリの指示もなく、湿布と痛み止めを処方されたと。

腰痛が起こるまでは元気で動き回っていたので、現在、家事や散歩もできず、心配した娘さんに治療を勧められて来院されたとのことでした。

腰痛になって以来、床に長座で座って、長い時間、テレビを見ていることが多くなったが、そうしていると、姿勢がどんどん崩れていくのを自覚しているとお話しいただきました。

お体を診せていただくと、左の足が2センチほど短くなるほど、骨盤のゆがみがあり、このゆがみは、座る時間が増えた影響が大きいのではないかと思われます。

治療後は、腰痛に意識が集中しすぎて、肩こりの自覚がなかったためか、「肩が軽い・・・」と、驚いて盛んにつぶやいておられたのが印象的でした。

床で座る時間が増えたことで、腰だけではなく、体全体に影響を及ぼしたことが感じられる実例でした。

 

 

 

床に座ることで体がゆがむのをリセットするための方法

 

まず、「30分に一回」は、座っている体勢を変えることが大切です。

座っている状態から、立ち上がるなんかは、すごく体勢チェンジとしてはいいです。

しかし、テレビを見ているのに、いちいち立ち上がるなんか、面倒だと思います。

そこで、座ってテレビを見ながらできる、体の歪みをリセットできる方法を紹介させていただきます。

 

お尻を落とす 

①お尻の真ん中あたりを触ると「坐骨」と呼ばれるとがった骨を感じると思います。

その坐骨を地面に意識して床に当てるように長座位で座ります。

 

②両手を床について、お尻を3センチほど浮かせます。

 

③両手の力を抜いて、お尻を床に落とします。その際に、坐骨に刺激を与えます。

これを3度ほど繰り返してください。

 

 

ヒザを伸ばす 

①長座位で座り、右のヒザを曲げます。

 

②曲げた右のヒザを床に滑らすように、力を抜いて伸ばします。

3回ほど繰り返したら、左足も同じように3回ヒザ伸ばしをおこなってください。

 

 

背伸びをする

 ①あぐらをかいて、ゆっくりと息を吸いながら、手を耳の横に上げるように、ゆっくりと背伸びをします。

その際に、腰を軽く反らすイメージで、背筋を伸ばしてください。

 

 

②息をゆっくりをはきながら、ゆっくり腕を下ろして、体を脱力をしてください。これを3回繰り返してください。

 

 

 

まとめ

 

統計によると、日本人は、一日平均5時間座っているという結果が出ています。

座ることは、体にとって楽そうですが、実は結構な負担を体にかけます。

それを補うために、座布団や座椅子などいろいろな補助具がありますが、座る時間が長ければ補助しきれないものです。

ですので、座っている時間に気をつけていただいて、こまめに体勢を変えるようにしてください。

その体勢を変えるための方法として、今回、ブログで紹介させていただいた当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。

そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。

このことがみなさまのお役に立てれば幸いです。

 

監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広


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