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腰痛コルセットをつけ続けると、腰の筋肉は弱くなるのか?

2026.08.27 | Category: ぎっくり腰,ゆがみ,予防,圧迫骨折,姿勢,家事,日常生活の動作,生活習慣,疲労,筋肉の損傷,筋肉疲労,筋肉痛,職業病,肉離れ,背中の痛み,脇腹の痛み,腰痛,運動,関節

みなさん、こんにちは。加古川市のひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。

先日、50歳代の美容師の女性が、腰痛を訴えて来院されました。

腰や骨盤周辺が不安定な状態で、仕事や日常生活にも支障が出ていたため、治療後に、しばらくの間は、腰のコルセットをつけてくださいとお伝えしました。

すると、

「コルセットをずっとつけていると、腰の筋肉が弱くなりませんか?」

「つけ続けるのは、あまりよくないって聞きますけど・・・」

「コルセットに頼って、外せなくなったりしませんか?」

という質問をいただきました。

こういった腰痛コルセットを装着することに対して、ご心配される方は少なくありません。

その考えの背景には、骨折でギプスをした後、腕や脚の筋肉が細くなって力が入りにくくなったという経験や経験談を聞いたことがあるからかもしれません。

しかし、ギプスによる固定と腰痛コルセットでは、体を固定する仕組みも、筋肉への影響も同じではありません。

そこで今回は、腰のコルセットをつけると腰の筋肉は本当に弱くなるのか、ギプスとの違いも含めて紹介させていただきます。

 

腰のコルセットの装着による筋力への影響の研究

 

 

腰のコルセットが、腰の筋肉にどのような影響を与えるのかについては、これまでにもさまざまな研究が行われています。

これらの研究をまとめると、結論として、

“コルセットを装着すると、腰を支える筋肉の活動量が減ることはあります。

しかし、それが長期的な筋力低下につながるという明確な科学的証拠は、現在は確認されていない”

と報告されています。

つまり、「長期の腰痛コルセットの装着=腰周辺の筋力低下」と単純には考えることはできません。

それどころか、コルセットを使用することで、体幹の安定性や筋持久力などが改善されたことを示す研究もあります。

 

腰痛コルセットの装着による筋力への影響

コルセットを装着すると、腰周辺を外側から支えることで、体幹の動きを一部を制限することもあります。

それによって、腰にコルセットを装着した状態では、お腹や背中の筋肉の活動が低下したという研究で報告されています。

これは、コルセットが腰部を支えることで、本来、その動作を担うべき腰周辺の筋肉の仕事量が減ったためと考えられます。

この研究の報告を見て注意したいことが、

“「筋肉の活動量が減ること」と「筋力が低下すること」は同じではない”

ということです。

例えば、ある動作をするときに、腰の筋肉が100の力を出していたところを、コルセットをつけることで70の力で行えるようになったとします。

これは、筋肉が30弱くなったということではなく、コルセットによって腰が支えられ、

筋肉が必要とする仕事量が減った

と考えることができます。

瞬間的には、腰の筋肉が使えても、持続的に力を使い続けると、やがて腰の筋肉が疲労して、痛みが発生してしまう場合もあります。

それならば、コルセットを使用することで、腰の筋肉への負担を減らしながら使い続けることができます。

また、コルセットをして制御されているとはいえ、腰の筋肉の活動はしているので、コルセットの使用が必ずしも筋力の低下につながるわけではありません。

実際に、21日間の腰のコルセットの使用を調べた研究では、体幹の筋力に明らかな低下は認められませんでした。

また、慢性腰痛の方が、6か月間、腰のコルセットを使用した研究でも、背中の筋力低下は認められませんでした。

 

骨折のギブスと腰痛コルセットの違い

 

コルセットの装着では筋力が落ちずらいが、なぜ、骨折のギプスの装着は筋力の低下が見られることが多いのでしょうか?

これは、ギプスと腰痛コルセットでは、身体を固定する方法が大きく違うためです。

骨折のギプスでは、骨折した部分を安定させて骨が治るのを待つため、骨折部だけではなく、その上下にある関節の動きまで制限することがあります。

筋肉は関節をまたいでついていることも多いため、多数の関節を固定されると、十分に筋肉が動かせなくなることがあります。

すると、関節を動かせないことで、歩く・体重をかけるなどの活動が減り、筋肉を使う機会が減ることで筋肉への刺激が少なくなると、筋力や筋肉量が低下しやすくなる。

つまり、ギプスをする時間が長くなることで、筋肉が細くなっているのは、単純に、外から支えられていたからではなく、ギプスによって関節の動きや身体活動そのものが大きく制限され、筋肉を使う機会が減っていたことが大きな理由です。

一方、一般的な腰痛コルセットは、腰部を支えながらも、通常のギプスほど身体の動きを完全に固定するものではありません。

腰のコルセットは、歩いたり、立ったり、座ったり、股関節や膝、足首を動かしたりすることができ、筋肉には刺激が入ります。

このため、「ギプスで固定された状態」と「腰のコルセットを装着して生活する状態」は、筋肉にとって同じ環境ではなく、双方の状態には違いも出てきます。

 

腰痛コルセットの使用で注意したいこと

 

腰痛コルセットを使用するとき、本当に注意したいことがあります。それは、

“コルセットそのものよりも、コルセットを使うことで、日常生活全体での活動量が低下してしまう”

ことです。

腰痛のためにコルセットを装着したことで、

「コルセットをしているから、腰は動かさないほうがいい」

「腰が不安だから、できるだけ横になっておこう」

と考えて、歩くことや仕事、家事などの日常生活まで減ってしまうと、身体全体の活動量が低下します。

すると、腰の筋肉だけでなく、足やお尻などの筋肉も使う機会が減ってしまいます。

そのため、コルセットを使う場合でも、痛みや身体の状態に合わせながら、できる範囲で普段の活動を維持することが大切です。

日本の整形外科学会の腰痛ガイドラインでも、

「腰痛で安静にしているより、無理のない範囲で動いた方が、腰痛の改善が早まる傾向にある」

と記されています。

つまり、「コルセットをつける=動かない」のではなく、

「コルセットで腰をサポートしながら、できる範囲で動く」

という考え方が重要になります。

 

腰痛コルセットも使い方次第

 

腰痛コルセットは、「一日中、絶対につけ続けなければいけない」というものではありません。

腰の状態や仕事の内容によって、必要な場面で使い分けることもできます。

例えば、

・中腰での作業が多い時間帯

・腰に疲れを感じやすい午後からの時間帯

・長時間、立って仕事をするとき

・長時間、座って仕事をしているとき

など、腰に負担がかかることが予測される際に装着する方法があります。

また、ひどい腰痛になる前は、何もないところで足がつまずきやすくなったり、歩いていたら体が左右にやけに揺れる、立ち上がる時に腰が抜けそうになるなど前兆があるかと思われます。

そういった前兆があったら、腰にコルセットを装着するのも良いかと思われます。

大切なのは、「コルセットは長時間つけると悪い」「短時間なら良い」と一律に考えることではありません。

腰の状態や仕事内容、痛みの程度など状況に合わせて、「腰を補助する時間」を作ってあげることが大切です。

 

正しい腰痛コルセットの装着の仕方

腰痛コルセットを装着するとき、ただふわっと巻いているだけでは、腰へのサポートができず、腹巻と変わらない状態になります。

腰椎コルセットや骨盤ベルトは、製品によって推奨される位置は異なりますが、一般的な考え方として、以下のような装着を心がけてください。

 

腰のコルセットの正しい付け方

腰のコルセットは、まず、コルセットの上下を確認してください。

コルセットには上下があり、一般的には幅が広い側が下側、細くなっている側が上側になっているものが多いです。

ただし、製品によって異なるので、取扱説明書をご確認ください。

そして、コルセットを背中側から当てたとき、

「腰の部分だけを覆うのではなく、コルセットの下端が骨盤周辺にもかかる位置に合わせる」

ことが重要です。

つまり、腰だけをコルセットで覆っても、固定力があまり見込めませんので、腰と骨盤を一緒に覆うようにしてください。

また、お腹側では、おへそ周辺から下腹部にかけてコルセットがかかるようにしてください。

また、コルセットが左右どちらかにずれていると、片側だけ締め付けが強くなったり、反対側が浮いたりします。

左右の高さが同じで、ねじれていないことを、鏡を見たりや他の方に確認してもらったりしてください。

あとは、骨盤ベルトを締めるときは、思い切りお腹をへこませたり、息を止めたりする必要はありません。

普段どおりに呼吸できる状態で、腰が支えられていると感じる程度の圧力で締めてください。

 

骨盤ベルトの正しい付け方

骨盤ベルトの場合は、腰痛コルセットよりもさらに装着する位置が重要です。

骨盤ベルトは、基本的に骨盤そのものを支える目的で使用します。

まず、自分の骨盤の左右にある硬い出っ張りを探します。

骨盤ベルトは、製品によって推奨位置が異なりますが、一般的な骨盤サポートでは、その骨盤の出っ張り周囲を適切に包み込む位置に装着します。

骨盤ベルトの注意点は、腰のくびれ部分まで上げて装着してしまうと、骨盤を支えるという本来の目的から外れてしまいます。

腰の一番細いところを締めるのではなく、骨盤をベルトで包むように支えるようにイメージして装着してください。

骨盤ベルトを装着したら、前側・横側・後ろ側の高さが大きくずれていないか、鏡を見て確認したり、他の方に見てもらって確認してください。

ベルトが後ろだけ上がっていたり、前だけ下がっていたりすると、左右均等に支えられない場合があります。

骨盤ベルトも、強く締めすぎたり、ほわっと締めても効果が薄れます。

骨盤周辺が安定した感じがあり、歩いたときや立ち上がったときにベルトがずれない程度を目安にします。

 

腰のコルセットや骨盤ベルトを装着に確認すべきこと

腰のコルセットや骨盤ベルトを装着したら、立つ・歩く・イスから立ち上がる・軽く前かがみになる・腕を動かす、などを行ってみます。

そのとき、

・腰が支えられている感じがするか

・ベルトがずれないか

・息苦しくないか

・痛みやしびれが出ていないか

を確認します。

装着した瞬間は問題なくても、歩いているうちに上にずれてしまうことがあります。

その場合は、装着位置やサイズ、締め方を見直す必要があります。

 

コルセットをつけた際の体調を確認

腰が痛い時に、腰のコルセットや骨盤ベルトの装着することで、日常生活の動作を助けてくれることは多いです。

しかし、コルセットを装着することで、かえって腰の痛みが増加したり、気分が悪くなった場合は、症状の対処としてはコルセットの装着が体に合っていないことも考えられます。

その場合は無理をして装着されないことをおすすめします。

コルセットをつけるべきかどうか迷った際には、整形外科や整骨院など、専門の医療機関を受診して相談してみてください。

 

腰痛コルセットの装着をやめる基準や目安

腰の状態が改善してきたら、いつまでもコルセットを装着し続ける必要はありません。

例えば、

・コルセットを外しても痛みが強くならない

・立つ、歩く、座るなどの日常動作が楽になってきた

・仕事中に腰の不安を感じることが少なくなった

・中腰などの動作をしても以前ほど腰がつらくない

などといった状態になってきたら、少しずつ装着する時間を減らしていくことも検討してください。

ただし、骨折や手術後など、医師から装具の使用期間を指示されている場合は、その指示を優先してください。

また、コルセットを外すと痛みが急に強くなる、しびれや力の入りにくさがある、日常生活に大きな支障があるといった場合は、自己判断で装着を中止せず、専門の医療機関などに相談してください。

 

まとめ

腰痛コルセットを装着することで、腰の筋肉は必ずしも弱くなるわけではありません。

腰に負担がかかる時期や痛みがある時期に、腰を支えながら身体を動かしていくためのサポート役として考えてください。

コルセットも日常生活を送る上で便利な道具の一つと考えて、腰の状態に合わせて上手に利用されることをおすすめします。

もし、今回のブログで紹介した内容で、わからないことが有りましたら、当院にご相談ください。

当院では、患者様お一人おひとりの状態を丁寧に診させていただき、それぞれの方に最適な回答や施術をご提案しております。

完全予約制で対応しておりますので、インターネットまたはお電話でご予約ください。

監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

 

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【ブログ執筆者プロフィール】

氏 名:久木崇広(ひさきたかひろ)

資 格:柔道整復師・鍼灸師
所属院:ひさき鍼灸整骨院(兵庫県加古川市)

得意分野:肩こりや腰痛などの慢性の不調

整骨院で腰痛を治してもらったことをきっかけに、治療の道へ。 整骨院に10年以上勤務し経験を積む中で、治療に対して自分が思う理想が明確となり、2017年に地元の加古川市で開業。 痛みだけを追う治療ではなく、患者様が痛みによってなににお悩みか、また、治ることでどんな未来がご希望なのかを、話し合い共有しながら、治療にあたっております。


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