





- Blog記事一覧 -スポーツを頑張るお子さんのケガ予防に!湯船につかる入浴法のすすめ

みなさん、こんにちは。
加古川市ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。
水泳やバスケ、剣道などスポーツを習っておられるお子さんのお話を聞いていると、私たちの子供の頃とは比べ物にならないぐらい、高度で熱心な指導を受けておられるのに驚かされます。
親御さんたちも、スポーツを通じて、お子さんの成長の過程を見るのが楽しいことが、お話をしていても伝わってきます。
それと同時に、練習量や試合数が多くなることで、ケガをされるお子さんも多くなってきています。
先日も、練習で足を痛めたお子さんを治療に連れてこられた親御さんから、
「家で何かストレッチと筋トレとか何かしたほうがいいですか?」
というケガを防止するためのご質問を受けしました。
実は、お子さんが、スポーツで体を痛めないためのセルフケアに関するこういったご質問を、よくお受けします。
そういった際には、症状に合わせて、セルフケアの方法をお伝えします。
しかし、夜の遅くまで練習をしたり、練習で疲れ切ってしまっていたり、他の習い事もあるので、セルフケアにとる時間がないことが実情であると感じます。
ですので、お子さんにセルフケアに手をまわす余裕がない場合には、
「運動後の夜の入浴は、必ず湯船につかるようにしてください」
とお伝えしております。
というのも、スポーツをしておられるお子さんには、あるあるなのですが、夜の入浴はシャワーですませておられることが少なくありません。
そして、シャワーで夜の入浴をすませる生活習慣のお子さんが、スポーツでケガをしてしまう確率が高いのことも感じます。
そこで今回は、お子さんのスポーツによるケガを予防するために、湯船につかることでどのようなことが体に働くのかと、効果的な入浴の方法について紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、お子さんが運動によるケガを防ぎつつ、しっかりと競技に打ち込むお子さんの姿を親御さんが安心して見守れます。
日常的に入浴をシャワーにしている大学生を対象に、シャワー浴から湯船につかる入浴法へ変えたことで、体にどのように変化が起こるかの研究で、
・熟睡感
・体の疲労感の回復
・体の軽快感
・作業効率
・注意力や集中力
が大きく向上したと報告されています。
このように、湯船につかることで体に起きることは、スポーツをする人にとっては、ケガの防止だけでなく、競技のパフォーマンスを上げることにもつながります。
以下で、湯船につかることで体に起きることが、スポーツによるケガを防止につながるメカニズムを、具体的に紹介させていただきます。
運動をすることで、エネルギーを使い、細胞が損傷したりします。
それを回復させるためには、血液から栄養や酸素を供給してもらったり、疲労物質を回収してもらう必要があります。
血液は、心臓からの押し出す力だけでなく、体の筋肉がポンプのように血管を圧縮することで循環します。
スポーツによって筋肉が疲労していると、ポンプの役割が果たせず血流が悪化します。
その結果、体の回復が遅れ、その状態でまた運動するとケガにつながります。
湯船につかることで、水圧が体にかかり、疲れた筋肉の代わりに血管に圧縮力がかかり、自然と血流が良くなる効果があります。
お風呂に入ることで体にかかる圧力は、
「静水圧」
と呼ばれています。
水によってかかる圧力は、水深1メートルで、1平方センチに100グラムの水圧がかかります。
例えば、身長170センチで60キログラムの方が、首まで水につかると、体に600キログラムもの静水圧がかかるとされています。
この水圧によって、200~300ミリリットルもの血液の循環が増加します。
ですので、練習で疲れていて動きたくないときでも、湯船につかるだけで、水圧によって自然と血流が良くなります。
それによって、疲労の回復がすすみ、翌日からの運動中でもケガがしにくくなることが期待できます。
余談ですが、週5回以上の湯船での入浴習慣がある方は、
・血管や心臓の状態が良い
・要介護のリスクが3割低下する
という研究データも出ています。
長い目で見ても、湯船につかる入浴方法は、健康維持に有効です。
自律神経は、生命を維持するために体を無意識下で、自動的に調整してくれる神経です。
例えば、運動して体が熱くなると、体温を下げるために発汗するとか、ご飯を食べたら胃腸が消化と吸収のために機能するなど、これらの体の活動は、自律神経の働きでおこなわれます。
自律神経には、体を活動モードにする交感神経と、体をリラックスや回復モードにする副交感神経と、二つの神経によって機能します。
運動をすると、交感神経の働きが活発になり、心拍数を上げたり、血管を収縮させたり、筋肉を緊張させて、体を活動しやすい戦闘モードの状態になる。
運動後は、今度は消費したエネルギーを回復させるためには、胃腸を動かして食べたものを消化吸収したり、血管を広げる副交感神経を優位に働かせて体をリラックスと回復させる必要があります。
スポーツで熱心に練習をしていると、体が興奮状態が続いて、交感神経から副交感神経へのスイッチが切り替わらず、自律神経のバランスが崩れる場合があります。
そうすると、十分に睡眠を取ったり食事をしても、なかなか体の疲労が回復しないことが起こります。
その状態でスポーツをする結果、ケガをしやすくなります。
自律神経は、意識的にコントロールできない神経です。
ですので、スポーツの場合でしたら、運動後に副交感神経が、自然と優位に働く環境に持っていく必要があります。
そのための方法として、適度な温度に設定した湯船につかることが、とても有効です。
湯船につかることで、血管が開き血流が良くなったり、水の浮力で体が軽くなったりすることで、体がリラックスして、副交感神経の機能が高まります。
つまり、湯船につかることで、自律神経のバランスが適正に調整されて、運動時にケガすることを防げます。
昼間に蓄積された疲労は、適切な睡眠をすることで、疲労全体の約70~80パーセントは回復されます。
また、体全体のエネルギーの消費の20パーセントを占める脳の疲労は、それを回復するために、ほぼ100パーセントを睡眠に依存しています。
つまり、スポーツをすることによって起きる疲労を回復させて、ケガをしにくい体にするためには、質のいい睡眠をとることが重要です。
実際、野球の大谷選手やイチロー選手が、パフォーマンスを維持するために、睡眠を非常に重視しています。
睡眠の質が良いというのは、深い眠りができているかによります。
そのためには、自然と体が睡眠モードに入るように、誘う必要があります。
そのための方法として、湯船につかる入浴方法が鍵です。
湯船につかることで、いったん、体の芯の部分の体温を上がります。
そして、入浴後に、だんだんと体温が下がってくると、体が睡眠モードに自然と入ります。
そうすると、スムーズに深い眠りの状態に移行します。
シャワーで入浴をすますと、体の芯の体温がそれほど上がらないため、入浴後の睡眠モードへの移行がスムーズに行われず、睡眠の質が低下しがちです。
つまり、体を効率的に回復させるケガを防止するためにも、睡眠の質の向上は必要で、そのためには、湯船につかる入浴方法が有効となる。

スポーツをされておられるお子さんが、ケガをしにくい状態にケアするための、効率的な入浴の方法を以下で紹介させていただきます。
湯船のお湯の温度は、39~41°に設定してください。
この温度のお湯につかることで、副交感神経が優位に働いて、体をリラックスさせて疲労を回復しやすい状態になる。
お湯の温度が、42°以上の熱い状態にすると、体に強い刺激が入り、交感神経が優位となり、体が興奮してしまいます。
入浴時間としては、10~15分ほどが理想です。
のぼせることに注意しながら、肩や首までしっかりお湯につかる全身浴をおこなってください。
湯船で入浴中は、深呼吸をゆっくりおこなうことで、より副交感神経が優位に働き、体が回復しやすいモードにいざないます。
深呼吸は、湯船につかったまま、
・息を6秒かけてゆっくりはく
・息を4秒かけてゆっくり吸う
ことを、3分間、繰り返しおこなってください。
また、スマホなどのデジタル機器を見ながらの入浴は、脳を興奮させますので、避けていただき、音楽をかける程度にとどめてください。
スポーツの練習でよく使った体の部分や疲労を感じている部分を、入浴した状態で優しく皮ふをさするだけでも、血行が促進して、神経の興奮を抑えて、疲労回復に役立ちます。
お風呂に出た後は、汗をかくからといって、扇風機や冷房などにあたって、急激に体温を下げることを避け、保温に努めてください。
入浴後、1~2時間後あたりで体が睡眠モードに移行するので、そのタイミングで就寝することが理想です。
また、入浴によって、体の水分が失われますので、入浴の前後に十分な水分の補給が必要です。
例えば、41℃に設定した湯船に、15分間、つかり、その後、30分安静にした場合、平均で約800ミリリットルの水分が体から失われると報告されています。
筋肉の約74パーセントは、水分で構成されていますので、体から水分が失われると、筋肉に支障を引き起こします。
入浴の前後に、コップ一杯分(約200ミリリットル)程度でいいので、水分の補給をおこなってください。

お子さんがケガをしても、試合が近いことやチーム内の競争などで、なかなか休めないお悩みを、親御さんからよくお聞きします。
ケガを防止するためには、何かしらのセルフケアをする方がいいけれども、練習後は疲れ切って、その余裕がないことも感じます。
そういった方でも、簡単にできるケア方法として、「湯船につかる入浴」ことを当院では推奨しています。
より効率的に入浴してもらうために、
・入浴の方法
・入浴中の過ごし方
・入浴後の過ごし方
を紹介させていただきました。
今回のブログが、皆様のお役に立てれば幸いです。
もし、それでも、スポーツの練習中にケガをしやすい、疲労が取れないお悩みが解決しないようでしたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関へ受診されることをおすすめします。
当院でも、今回のケースのような場合でも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
また、他に、運動で起きるお体の不調に関するブログも書いておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。
監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
参考文献:
「シャワー浴からバスタブ浴への行動変容が睡眠と作業効率に及ぼす効果について」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki/78/4/78_341/_pdf/-char/ja)
「入浴習慣は、動脈硬化や心機能に好影響をおよぼす 」(https://www.ehime-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/06/bc88b03344be84d6b8f8bcc1678ea315.pdf)