- Blog記事一覧 -安全靴を履いて歩いたり走ったりしていると太ももの裏が痛くなる理由とその対処法
工事の現場や重い機械・部品、荷物などをあつかうお仕事では、つま先に硬いカバーを入れて保護する
「安全靴」
を履かれている方が多いと思われます。
労働安全衛生規則第558条2項でも、事業者が作業中の労働者に、職場にあった安全靴を指定し使用させなければならないと定めています。
また、実際、安全靴を履いていたおかげで、危ない状況でも、ケガせずに助かったことが何度もあったというお話をよくお聞きすることからも、安全靴は有用さを感じます。
最近の安全靴などは、昔の重い・動きにくいといったデメリットが軽減されて、少し値段が張りますが、機能性と耐久性が上がり、仕事をしていても楽になったというお話もよくお聞きます。
しかし、そうはいっても、やはり、安全性も確保するため、通常の靴のように歩いたり走ったりする際には、ある程度の制限がでます。
それによって、安全靴を履いて歩いたり走ったりしていると、太ももの裏あたりに痛みを感じる方が少なくありません。
そこで今回は、安全靴を履いて歩いたり走ったりすることで太ももの裏が痛くなる理由とその対処法について紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、安全靴を履くことで起きる太ももの裏の痛みを予防し、ストレスを感じることなく仕事を従事できます。
安全靴を履くことで、足先や足首の動きが制限されます。地面に足裏をつけて立ったときに、人間の体重分の圧力が地面に伝わります。
地面の方も、この圧力に負けないように、足の裏に同じ分の圧力を押し返します。
この足の裏へ地面から押し返してくる圧力を利用して、走ったり歩いたりします。
地面から跳ね返ってくる圧力を利用するためには、足先の関節、足首の関節、ひざ関節、股関節が連動して動く必要があります。
安全靴は、足先や足首周辺を守るために硬い構造をしており、足先や足首の関節の動きが制限されます。
それによって、安全靴を履いて歩いたり走ったりする際は、足先や足首の関節分の動きをカバーするために、ひざの関節と股関節への負荷が大きくなります。
歩いたり走ったりする際には、
・ひざの関節と股関節を伸ばす
・ひざの関節と股関節を曲げる
ことが交互におこなわれることで前進できます。
この動きは、
「太ももの前面の筋肉」
「太ももの裏の筋肉」
が伸びたり縮んだり、綱引きをするように交互に活動することでおこなえます。
歩いたり走ったりする際に使う「太ももの前面の筋肉」と「太ももの裏の筋肉」を比べると、太ももの裏の筋肉のほうが弱いとされています。
安全靴を履いて歩いたり走ったりする際に、「太ももの前面の筋肉」と「太ももの裏の筋肉」に負荷が続くと、弱い方の筋肉である「太ももの裏の筋肉」が、先に疲労し硬くなります。
その状態で歩いたり走ったりすると、太ももの裏の筋肉が対応できず、痛みが発生します。
安全靴を履いて走ったり歩いたりする際に、
・太ももの前面の筋肉
・太ももの裏の筋肉
・お尻の筋肉
に負荷がかかりやすくなります。
この3つの筋肉を刺激し柔軟性を上げバランスを整えることで、太ももの裏の筋肉への負荷が軽減できます。
そのためのストレッチの方法を、以下で紹介させていただきます。
壁に手をついて体を支えて、右ひざを曲げて、右手で右の足の甲を持ってください。
右手で持った右の足の甲を上方に引き上げて、太ももの前面の筋肉が伸びるのを感じたら、10秒間、キープしてください。
左の足も同じようにおこなってください。
これを、左右の足で交互に3回、繰り返しておこなってください。
右手を壁につけて体を支えながら、台の上に、左足をまたいで左斜めに方向に右足を乗せます。
右斜め前に体を倒して、右の太ももの裏の筋肉が伸びるのを感じたら、10秒間、キープしてください。
左の足も同じようにおこなってください。
これを、左右の足で交互に3回、繰り返しておこなってください。
イスに座って、左の太ももの上に、右の足のひざを曲げてのせます。
そのままの状態で、体を前に倒して、右のお尻の筋肉が伸びるのを感じたら、10秒間、キープしてください。
左のお尻も同じようにストレッチをおこなってください。
これを、左右の足で交互に3回、繰り返しておこなってください。
ケガを予防するための安全性が優先される職場では、安全靴は欠かせないアイテムです。
安全靴によって安全性を引き換えにかかる体への負荷を最小限にするためにも、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。
それでも安全靴を履いて走ったり歩いたりすることで起きる太もも裏の痛みへのお悩みが解消できないようでしたら、お近くの治療院にかかられることをおすすめします。
当院でも今回のようなお悩みに対して、施術をおこなっておりますのでご相談ください。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
また、他に、職業の特性による体の不調への対策のブログを書いておりますのでそちらも参考にしていただければ幸いです。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広