- Blog記事一覧 -草抜きで親指の付け根を痛めることで起きる腱鞘炎への予防とケア方法
5月は草木が青々として、風景がみずみずしくなります。
しかし、同時に、雑草との戦いも始まります。ちょっと雨が降ってから晴れると、ご自宅の周辺や庭に、あっという間に雑草が茂るので、草抜きで忙しいというお話をよくお聞きします。
草抜きの作業は、体の各部位に負担がかかり、体に不調を引き起こしがちです。
その不調の一つに、親指の根本の部分に痛みが発症することがあります。
この不調が出ると、荷物を持ったりスマホを操作するなどした際に、その痛みからうまくできなくなり、日常生活に支障が出ます。
そこで今回は、草抜きをおこなうことで、手首の親指の付け根の部分に痛みがでる要因とその対処法について紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、これから続くであろう草抜き作業によって、親指の付け根の部分が負傷しても対処でき、また、予防の方法がわかります。
草を抜く作業は、草を指でつまんで引っ張ったり、道具を手で握り込んで草を掘り起こしたりと、指や手首に負荷がかかります。
それを、長時間、することで、特に、親指の付け根に炎症が起こり痛みが発生しやすくなります。
これは、
「腱鞘炎(けんしょうえん)」
と呼ばれる症状です。人間の体の中で、一番、感覚が鋭くて、細かく精密な動きができるのが、「手」です。
そんな機能がある手ですが、指から手のひら、手首は、合計で27個の骨で構成されています。
手という狭い部位の中で多くの骨がバラバラにならないように、たくさんのじん帯でつながれています。
そして、手のたくさんの骨を動かせるのは、手の骨と筋肉をつないでいる「腱」があるからです。
腱は、前腕や手首から指先にかけて伸びている、丈夫なヒモのような組織です。腱は複数あり、腱が骨から離れないように、ところどころで、バンドのような組織で押さえられています。
このバンドの役割をする組織が、「腱鞘(けんしょう)」です。 腱鞘の「鞘」とは、「さや」という意味で、トンネル状の形をしています。
指や手首を動かすために、腱が動く際には、腱が腱鞘の中を行ったり来たり、通過します。
この機能は、通常でしたら、腱の機能をスムーズに作動させるためのものです。
しかし、草抜き作業のように、指や手首を曲げたり伸ばしたりと、過度に使うことで、腱と腱鞘がこすれて摩擦が起きて、炎症が発生して、腱や腱鞘が腫れます。
この腱や腱鞘が腫れで、腱鞘の中を腱が通りづらくなり、日常生活で、指や手首をさらに使うことで、ますます、
炎症が激しくなり痛みが増幅します。
特に、親指の付け根は、骨が出っ張っている部位の上に腱鞘と腱が通るため、摩擦が起こりやすく、痛みが発生しやすいのです。
草抜き作業をした際に、親指の付け根の部分に痛みが発症することを防ぐ方法と、発生した場合の対処法を以下で紹介させていただきます。
草抜きをする前に、指と手首にテーピングをすることで、作業で使う筋肉や関節、じん帯を補助できます。
テーピングは、伸縮性のある筋肉テープを用意します。
・5センチ幅のテーピングを15センチにカットしたものを2本
・2.5センチ幅のテーピングを17.5センチにカットしたものを3本
・2.5センチ幅のテーピングを7.5センチにカットしたものを1本
を用意します。
テーピングは、指を手の甲側にあげてもらったときに浮き出る2本の腱とその間を沿って、3本のテーピングを施します。
親指の力を抜いて、軽く手のひら側に曲げてます。
親指の爪の付け根あたりから手首にかけて、指を手の甲側にあげてもらったときに浮き出る2本の腱とその間を通して貼ります。
この際には、2.5センチ幅のテーピングを17.5センチにカットものを使ってください。
そして、貼ったテーピングの左右に、同じように、親指の爪の付け根あたりから手首にかけて、2.5センチ幅のテーピングを17.5センチにカットものを貼ってください。
親指の先に、指の腹側から、2.5センチ幅のテーピングを7.5センチにカットしたもの、親指の先を囲むように貼ります。
手首を手のひら側に曲げたときに出るシワを中心にして、手のひら側から、手首を囲むようにテーピングを貼ります。
この際に、5センチ幅のテーピングを15センチにカットしたものを使ってください。
次に、手首に貼ってテーピング幅の半分あたりにずらして、同じように手首を囲むように貼ってください。
この際も、5センチ幅のテーピングを15センチにカットしたものを使ってください。
草抜きを終えた後は、親指の付け根に、アイスパックや氷水を入れて袋で、20分ほど冷やしてください。
そうすることで、親指周辺の炎症を抑えて、痛みが広がることを軽減できます。
草抜きで指を使いすぎたことで、指の付け根周辺の筋肉が疲労し硬くなります。
筋肉が硬いことで伸びず、筋肉とつながっている腱やその腱を通す腱鞘に負荷がかかります。
ですので、指の付け根周辺の筋肉を緩める必要があります。
その方法ですが、親指の手のひらと手の甲の境目を、手首から親指の先に向けて、反対側の手の親指で、10回、軽くさすってください。
指を動かす筋肉は、前腕から出発しています。ですので、出発地点の筋肉を緩め柔軟性を上げると、親指の付け根への負荷が軽減します。
その方法ですが、まずは手のひらを下にして、前腕を置きます。反対側の手のひらを、前腕の肘の近くに部分に置いて、皮ふを左右にゆらすように、10秒間、動かしてください。
次に、前腕の真ん中に手を当てて、同じように、皮ふを左右にゆらすように、10秒間、動かしてください。
次に、前腕の手首の近くの部分に手を当てて、同じように、皮ふを左右にゆらすように、10秒間、動かしてください。
前腕を3分割して、皮ふをゆらすことを、3回、繰り返しておこなってください。
草抜きは、おこなった場所は目に見えてキレイになるため、達成感がありすっきりします。
やると気持ちが良くなる草抜きは、これからの季節はおこなう機会が増えますので、それによって親指の付け根が痛まないように、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。
それでも草抜き作業で、親指の付け根の痛みが解消できないようでしたら、お近くの治療院にかかられることをおすすめします。
当院でも今回のようなお悩みに対して、施術をおこなっておりますのでご相談ください。
また、他に、庭での作業で体にかかる負担への対策のブログを書いておりますのでそちらも参考にしていただければ幸いです。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広