- Blog記事一覧 -お琴の練習で首肩が痛いのは背中が固まるから?
70歳代女性の方がご来院されて、
「琴の練習をしてたら、右肩と首が痛くなって」
「肩動かすとコキコキゆうし」
「このまましてたら肩が上がらないようにならないか不安で」
とご相談いただきました。
琴や三味線など、楽器を弾かれる方が肩や首の痛みを訴えられる方は少なくありません。
今回は、そうなった理由、対処法などを紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、お琴の練習をしたことでおこる首肩の痛みを解決することができます。
さらに詳しくそのようになった過程をお聞きしていきました。
時間はどれぐらいされたのですか?
「2時間ぐらいかな?ちょっと寒い部屋でやってたの」
肩首が痛いということですが、どのあたりですか?
「肩甲骨?の上の方が特に痛い」
この痛みに対して何かご自身でケアしましたか?
「とりあえず腕をぐるぐる回した、ちょっとマシになるかと思って」
肩首の痛みで一番お困りなことはなんですか?
「首肩が痛くなると気分悪くなるし、練習ができなくなる」
とお答えいただきました。
お琴は、姿勢正しく、腕のしなやかな動作で音を奏でます。
腕を自由に動かすために、肩の関節は緩くできています。
肩は股関節に比べて、動かす自由度が高いですか、そのゆるさゆえに脱臼とか損傷が多い部分でもあります。
そしたゆるい肩関節の中で、腕を自由自在に操るためには、腕を支える土台がしっかりしないと動かせません。
腕を自由に動かすための土台は、背中にある肩甲骨がその中心です。
肩甲骨を中心として、筋肉や靭帯が張り出され、腕を支えています。
では、その腕が、土台である肩甲骨周辺の組織にどれぐらいの負担をかけているのでしょうか?
まず、腕の重さは体重の8パーセントと言われています。
例えば、体重50kgでしたら、片腕が4kg、両腕で8kgとなります。
そんな重たい腕を激しく動かすと、土台である背中は疲れてしまいます。
つまり、お琴の練習で腕を使いすぎ、
肩甲骨周辺の筋肉が疲労して、硬くなって体に歪む
ことで痛みが発症してしまいます。
セルフケアとして、腕を回したということでしたが、できれば肩甲骨を意識して背中を回す方がより効果的であったと思われます。
ですので、肩甲骨に関連する箇所の歪みを整えることで、このお悩みは解決できます。
治療としては、肩甲骨が正しい位置、正しい動きができるように整体で体全体を整えました。
さらに、鍼治療でピンポイントで硬くなった筋肉を緩めました。
治療後に、セルフケアとして、腕を動かすときに土台となる背中の筋肉のストレッチを2つお伝えしました。
やり方はとても簡単です。
パターン1
座った状態で、右手を背中に回します。
左手を右の側頭部におきます。
首を左に側屈するように、右の側頭部に置いた左手で誘導します。
10秒ほどを3回ほどやってってください。
首は繊細ですので、倒し時はゆっくり優しく、伸びた感覚が少しでもあれば、その時点で止めてください。
パターン2
座った状態で、顔を左側に向けて、左手を右の頭の後ろにおきます。
顔を左斜め下に向けるように、右の頭の後ろに置いた左手で誘導します。
10秒ほどを3回ほどやってってください。
首は繊細ですので、倒し時はゆっくり優しく、伸びた感覚が少しでもあれば、その時点で止めてください。
当院はお琴の練習による首肩の痛みに対しての治療を行なっております。
当院では、
①患者様からご自身が感じるお身体の状態、それによって起こっているお悩み、治ることで何ができるようになりたいかを、しっかりお聞きします。
②体のどの部分に歪みが出ているのかを、姿勢や体の動きなどを検査します。
③体のバランスを整える整体・体の硬い部分を和らげる鍼治療・体の回復を助ける電気治療などを使い「体の歪み」を整えます。
④治療後は、体を整えた状態を維持するために、ご自宅でやっていただきたいセルフケアの方法をお伝えします。
⑤今後、治していくための計画についてお話しさせていただく。
といった流れで、治療をさせていただきます。
当院で治療を受けていただき、体を整えることで、首や肩の痛みを緩和し、それを良い状態を維持できる体を作ることができます。
治療後は、
「肩が上げやすくなってる」
「手の先がホカホカしてる、ずっと冷たかったのに」
という感想をいただきました。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや必要とされていることをしっかりとお受けし、治った先にある希望する将来像を共有して、一緒に治していく治療院を目指しております。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広