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新型コロナウイルスを消毒するには?

2020.05.14 | Category: 予防,新型コロナウイルス

 

新型コロナウイルス感染を防止するためにいろいろな手段があります。

 

その中でも重要な方法として、ウイルスを“消毒”することあげられます。

 

消毒と言っても、体に対してなのか物に対してなのか使う薬剤が違ってきます。

 

また有効な使い方や注意点も多くあります。

 

そこで今回は新型コロナウイルスへの消毒について解説させていただきます。

 

これを知っていただくことで、より身の回りにただよう新型コロナウイルスを減らしていくことができます。

 

 

コロナウイルスを知ると見えてくる弱点

コロナウイルスの構造

新型コロナウイルスの表面は、“エンベロープ”と呼ばれる主に脂質でできた膜、つまり脂(あぶら)の膜でつつまれています。

 

このコロナウイルスの脂の膜には、“人の細胞にひっつく作用”と“人の細胞の膜を開かせる作用”があります。

 

また、脂の膜の中に、“ゲノム”とよばれる「人に病気を引き起こす特性情報体」が入っています。

 

 

コロナウイルスの感染過程

口や鼻などからコロナウイルスが侵入すると、コロナウイルスの脂の膜の作用で人の細胞にひっつきます。

 

そしてコロナウイルスの脂の膜の作用で人の細胞の膜を開かせて、コロナウイルスの「人に病気を引き起こす特性情報体」を人の細胞内に入れます。

 

コロナウイルスの「人に病気を引き起こす特性情報体」が、人の細胞内に入り増殖することで、発熱・咳・倦怠感などコロナウイルス特有の病状を引き起こします。

 

 

コロナウイルスの弱点

①②で見てきたようにコロナウイルスが人の体に感染するキーを握っているのが、コロナウイルスの脂の膜です

 

しかし、このコロナウイルスの脂の膜が弱点でもあります。

 

というのも、この脂の膜を壊されることで、膜の中にあるコロナウイルスの「人に病気を引き起こす特性情報体」も一緒に死滅してしまいます。

 

新型コロナウイルスは、新しいウイルスであるためいろいろわかっていないことも多いのですが、この弱点に関しては科学的にも確定していることです。

 

つまり、この脂の膜を壊すための適切な消毒方法をおこなうことが、コロナウイルス感染予防につながっていきます。

 

 

 

コロナウイルスを消毒できる薬剤・方法

コロナウイルスの脂の膜を壊せる薬剤は色々ありますが、一般家庭でも比較的手に入れやすく危険性の少ないものを紹介させていただきます。

 

アルコール消毒

非常にコロナウイルスに対しては効果が高いのですが、注意点としては、

 

・成分・濃度によって効果が変わってくる

・可燃性(火がつく)なので注意が必要

・肌が荒れやすい

 

それぞれの注意点について解説していきます。

 

 

成分・濃度によって効果が変わってくる

アルコールには種類が色々あります。安全面からアルコール成分として、

 

「エタノール」もしくは「イソプロパノール」

が入っているものが望ましいです。コロナウイルスに対してのアルコール濃度は、

 

70~80%

 

が実験により最適な濃度とされています。

 

一応は40%以上から効果がでるとされていますが、効果がでるまでに時間がかかります。

 

また80%以上のアルコール濃度が高くなるとこれもまた効果がでるまでに時間がかかってしまうと報告がされています。

 

アルコール消毒液を購入される際には、成分と濃度が適切なものを選んでください。

 

ちなみに、「エタノール」と「イソプロパノール」は成分的に効果がほぼ同等です。酒税法の関係で、「イソプロパノール」の方が低価格となります。その反面、「イソプロパノール」は薬剤としてきついため、使うと肌が荒れやすいというデメリットがあります。

 

 

肌が荒れやすい

皆様がアルコール消毒を肌にされたとき、スースーして冷たく感じた覚えがあるかと思います。

 

これはアルコールがすばやく乾燥・蒸発して、体温を奪うからです。このアルコールが乾燥・蒸発する作用を利用して、コロナウイルスの脂の膜を乾燥させて壊します。

 

アルコールが乾燥する際に、アルコールを塗った皮膚も面も乾燥してしまうため、肌が荒れてしまいます。

 

アルコール消毒剤は、目に入ると痛みがつよく病院にかからなければいけない場合もあります。アルコール消毒剤を体へ塗る部分の選択は注意が必要です。

 

コロナウイルスの感染ルートとしては、コロナウイルスがついた手で口や鼻を触ってしまうことが疑われています。ですから、普段の日常生活でアルコール消毒を使う体の部位としては、「指」・「手のひら」を中心に使って頂くのがベターだあると思われます。

 

 

可燃性(火がつく)なので注意が必要

アルコールはだいたい濃度が40%あたりから火がつくといわれています。アルコール消毒の推奨濃度が60~80%でありますので、火の近くでの使用は避けてください。

 

また、先ほど①-2でも記述しましたが蒸発力も高いため、火が付きやすいガスとして空気中にただよいますので、この理由からも火の近くでの使用しないようにしてください。

 

 

 

界面活性剤(石鹸・洗剤)

固形・液体石鹸や洗剤に、汚れを落とすため含まれている成分です。

 

界面活性剤の主な作用として、

 

・浸透作用

・乳化作用

・分散作用

 

 

があります。ざっくりいてしまえば、

 

・洗うものに水がしみこみやすくする

・本来混ざり合わない水と油を引っ付ける

・油などの汚れを物から引きはがす

 

という作用です。

 

先ほどコロナウイルスは、脂の膜で包まれていると記述しました。界面活性剤をつかうことで、人や物に付着しているコロナウイルスの脂の膜を引きはがしてくれます。この引きはがす過程で、コロナウイルスの脂の膜が壊れることなどによって消毒効果が発揮されます。

 

新型コロナウイルスは主に鼻や口から侵入します。その主な経路は、大きく二つあります。一つは咳やくしゃみ・会話などで拡散された新型コロナウイルスをふくむしぶき(つば)を口や鼻で吸い込んだ時に感染してしまうことです。もう一つは、ドアノブや手すりを触ることで手や指にコロナウイルスつき、そのコロナウイルスがついた指や手で鼻や口を触ることで感染してしまいます。

 

ですから特に界面活性剤(石鹸)を使った手洗いは、新型コロナウイルスの感染予防に効果を発揮します。

 

手洗いは、石鹸をしっかり泡立てて、指や指の間・手の甲や手首までしっかりこすり、しっかり洗い流すことが必要です。手洗い時間は、30秒以上することで効果が発揮されると報告がされています。

 

 

 

次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の違い

名前が似ており勘違いされやすいのですが、

 

 

「次亜塩素酸ナトリウム」

「次亜塩素酸水」

別のものです。

 

 

特に「次亜塩素酸ナトリウム」は、取り扱いに注意が必要です。主な違いとして、

 

次亜塩素酸ナトリウム 次亜塩素酸水
見た目 黄色味 無色
pH値 アルカリ性 酸性から中性
特徴 殺菌・漂白 殺菌・消臭
用途 カビ取り・漂白 歯科医院でうがい水・野菜など食品を消毒
メリット 強力な殺菌・漂白作用 人体の影響が少ない
デメリット 皮膚を溶かす

酸性の液体を混ぜると毒ガスが発生する

長期保存ができない

 

 

 

となります。

 

次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸ナトリウムは、「ハイター」「ブリーチ」といった商品に代表される塩素系の漂白剤です。

 

油を酸化・分解する作用があるため、脂の膜をもつコロナウイルスの消毒に有効です。

 

非常に強力ですが、先ほども記述しましたが毒性も強いので取り扱いに注意が必要です。

 

消毒対象としては、ドアノブ・便座・調理器具・衣服などがあげられます。

 

コロナウイルスに効果がある濃度は、「0.05%」と実験結果でも報告されています、

 

次亜塩素酸ナトリウム濃度0.05%を作るためのわかりやすい目安として、

 

「水500mlにたいしてペットボトルのフタ1杯分の次亜塩素酸ナトリウム」

 

を混ぜることで作ることができます。

 

使用するときの注意点としては、

・皮膚を溶かす作用もあるので、指や手などの体への消毒には絶対使用しないでください。

・使用するときには、十分な換気を心がけてください。

・有毒ガスが発生する恐れがあるため、酸性のものとは混ぜないでください。

 

保管するときの注意点は、

・次亜塩素酸ナトリウムを薄めて使用する際には、時間がたつとその効果が落ちるため使い切るようがよいです。

・紫外線に当てると効果が落ちるため、冷暗所での保管やアルミホイルで包むなど保管場所や方法に注意が必要です。

・誤飲を避けるため、保管した入れ物に表記し、子供が手の届かない場所においてください。

 

次亜塩素酸水

次亜塩素酸水は、厚生労働省の規定で消毒剤ではなく食品添加物に分類されます。

 

しかし、食品添加物扱いながら次亜塩素酸水の効果を実験したところ、菌からウイルスまで幅広く効果が見られています。

 

用途としてカット野菜の消毒としてスプレーしたり、歯科でうがいの水として使われています。つまり次亜塩素酸水は、体に取り入れても害をおよぼさないものです。

 

また、次亜塩素酸水をつくる工程は、塩を水に溶かしたものを電気分解することで作られます。そのため安価で手に入れることができます。

 

消毒効果が高く、人体に優しく、安価ということで、非常に良いのですがデメリットもあります。

 

デメリットとして、

・使用期限が短い

・紫外線に当たると効果が薄れる

・有機物に触れると、すぐに水にかわってしまう

 

ということが挙げられます。エタノールや次亜塩素酸ナトリウムとは別の意味で扱いがデリケートになります。

 

 

煮沸消毒

80℃以上10分間おこなうことを基準にしてください。

 

 

 

日常生活の中での消毒対象は?

各種消毒剤が手に入ったとして、コロナウイルスがどこに付着しているのかわかっていないと消毒の使用がありません。家庭・職場など対象物を上げていきます。

 

体の部位

指・手のひら・顔・頭・マスクの表面部分など

 

家庭の対象物

ドアノブ・窓の取手・照明のスイッチ・ソファー・テーブル・椅子・電話・キーボード・マウス・子供のおもちゃ・床・壁・蛇口・便座など

 

外出時の共用の対象物

エレベーターのボタン・エスカレーターの手すり・入口のドアノブ・つり革・共用のトイレの便座・給水場所など

 

 

 

コロナウイルスの活性の持続時間は?

ウイルスは菌と違い単独で生きていくことができない「無生物」に分類されます。生き物の細胞に取り付くことで生きていくことができます。つまり、コロナウイルスが空気中に拡散されても、細胞にさえ取り付かなければ時間がたてば死滅していきます。空気中に拡散されたコロナウイルスは、なにも取り付いていない状態で生きることができる時間は、落ちた先の素材によって違います。湿度40%の環境課として素材別でみると、

 

・プラスチック→72時間

・ステンレス→48時間

・銅→4時間

・段ボール→24時間

 

となります。

 


 

まとめ

新型コロナウイルスに対しての消毒で気を付けることをまとめると、

 

・60~80%のアルコール消毒液を使う

・30秒以上かけて接見で手洗いを行う

・0.05%次亜塩素酸ナトリウムで物の消毒を行う

・次亜塩素酸水は使用期限が短いことを考慮に入れて使う

・煮沸消毒は80℃10分以上の行う

・新型コロナウイルスが付着していすな部分を頭に入れてこまめに消毒をしておく

 

ということとなります。新型コロナウイルスの感染拡大によって、衛生材料が手に入らないことも多いです。新型コロナウイルスへの消毒方法は、今回紹介させていただいたように選択肢が多くあります。それを活用していただいて、新型コロナウイルスへの感染予防を行っていただきたいです。

 

柔道整復師・鍼灸師 久木崇広


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