- Blog記事一覧 -「ご高齢者の転倒の原因とその予防法」
台の上にのって棚の上のものをとろうとしたときに、バランスを崩して転倒し足を骨折。それ以来、膝の動きが悪なり、立ち上がりや歩行・階段の上がり降りに支障がでて困っているというご相談を受けました。
80歳女性の方でお一人暮らしをされているということで、お話を色々うかがうと、
「身体のことで、息子に迷惑かけたくない」
「洗濯や掃除をテキパキやりたい」
「身体のことに不安を感じず、お芝居を観に行きたい」
などなど、治すことへのモチベーションが高いので、答えなければと治療に熱がはいります。
しかし“転倒”というのは、ホントに後々まで身体や心に影響をあたえます。
私の経験でも、2・3ヶ月かけて整えた身体が、一回の転倒でここまで崩れてしまうかと驚いてしまうことが何度もあります。
これは転倒による打ち身や衝撃とともに、身体を守ろうと緊張した状態が続くためでもあります。
また心理的にも一回転んでしまうと、また同じことをしてしまうのではないかという恐怖心で、外出ができず引きこもってしまう場合もあります。
転ばないようにするためには、杖や押し車を使い、高いところには登らないといった工夫や注意が必要です。ただ“転ぶ”ということは、思いもかけない状況でやってしまいます。
そこで今回は、年齢が上がるにつれ転倒が多くなるという統計がでていますが、どうしてそうなるのか、転倒予防はどうしたらよいのかを紹介させていただきます。
これを知っていただくことで、転ばないためにはどうしたらよいのかわかり、当たり前のことを当たり前にできる生活を守ることができます。
年齢が上がるにつれ転倒が多くなるのは、
①バランス能力の低下
②筋力の低下
③骨・関節の病気(骨粗しょう症・変形性関節症・脊柱管狭窄症など)
からきています。
これは“ロコモティブシンドローム”、和訳すると“運動器症候群”といい、運動器の衰えによるものです。
この症状の方は、全国でおよそ4700万人、50歳以上では約7割の方が該当されているか予備軍だとされています。
“運動器”というのは、
「骨」⇒身体を支える
「筋肉」⇒身体を動かす
「関節」⇒身体を動かす
「脳・脊髄」⇒身体の動かすことを命令する
というもので、このうちどれか一つでも支障があれば、転倒しやすい危険性があります。
この運動器の衰えによるロコモティブシンドローム(運動器症候群)は高齢化社会において、非常に大きい影響をあたえています。
「要介護」「要支援」という、お一人では生活困難でヘルパーさんの手伝いがいる方が、そうなってしまった主な原因として、昔は「脳梗塞」でした。
しかし現在では脳梗塞の治療法も進み予防法の浸透してきたため減少傾向にあります。
それにかわり注目されている原因として、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)なのです。
運動器の衰えにより、外出するといった活動が低下・骨が弱くなる事で骨折をしやすくなる・関節の変形などから、“寝たきり”とつながり「要介護」「要支援」が必要となるという悪循環を引き起こします。
転倒防止も含めその負の連鎖を止めるためにも、運動器の衰えへの対策は必要となります。
また、“健康寿命”という言葉があります。自分のことは自分でおこない健康に生活できる年齢のことです。
平成22年の厚生労働省による健康年齢の統計では、
男性の健康年齢 約70歳
女性の健康年齢 約73歳
つまり、男性でしたら70歳以降・女性でしたら73歳以降、それまでのような健康的な生活ができなくなる可能性があり、その原因となるロコモティブシンドローム(運動器症候群)から、転倒しやすくなる身体となる可能性が高くなるため、予防が必要となります。
【検査】
ご自身がロコモティブシンドローム(運動器症候群)であるかどうかは、
①片足立ちで靴下がはけない
②家の中でつまずいたり滑ったりする
③階段をあがるのに手すりが必要
④横断歩道を青信号で渡り切れない
⑤15分くらい続けて歩けない
⑥2キログラム程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
⑦家で掃除機を使用するときや布団の上げ下ろしなど、やや重たい仕事が困難である
この①~⑦の一つでも該当すれば、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)であり、転倒しやすい身体である可能性があります。
基準としてはかなり厳しく、若年者でもできない方が多いかもしれませが、反対に言えばできるようでしたら、まだまだお身体は元気ということですし、①~⑦のことができることを目標に運動をしていただければと思います。
【運動】
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)による転倒予防として、バランスや筋力強化の運動をおこないます。
一日10分ほどの運動なので、テレビを見ながらでもけっこうですので、ご自身の状態に合わせてやってみてください。
①目を開けて片足立ち
(目的)身体のバランスと骨の強度をきたえるため
▶転倒しないように必ずつかまる場所があるところでおこなう
▶目を開けたまま床から5㎝ほど片足をうかせる
▶指や手で支えながらおこなってもよいです
▶この状態を1分間キープする
▶左右の足で各1分間を1回
▶1日3回おこなう
②スクワット
(目的)足の筋力強化
▶転倒予防のため、机に両手をついてイスを後方に用意してください
▶両膝と肩幅を同じぐらいに開き、足先はカカトより30度外へ開きます。
▶膝がつま先より出ないように沈み込みます
▶上記のように中腰がとれないようでしたら、イスに座った状態から
▶机に手をつき、膝がつま先よりでないように身体を上に持ち上げます。
▶5~6回おこなってください
▶1日3回おこなう
運動器である骨・筋肉・関節・脳脊髄の機能低下が、転倒をひきおこすことを記述してきました。
基本、運動器は使わなければ、身体の方がもう支えなくていいのだと運動器が勝手に解釈して、各器官が弱くなり転倒へもつながります。
しかし、いくら転倒予防のためとはいえ、年齢が上がると身体を鍛えても効果がないと考えがちです。
私は剣道をしていますが、70歳代・80歳代の剣道の先生はざらにおられますし、また強い!90歳代で試合にでておられる先生もいらっしゃいます。
生涯意欲をもって身体を動かすと、このような年齢の重ね方ができるのかと私にとって目標になります。
こういう実例もありますので、「転ばぬ先の杖ならぬ運動」ということで、身体を鍛えて転倒予防を実践してみてください。
それでも転びやすい状態が続くようでしたら、『接骨鍼灸院じんぎゅう』にご相談ください。身体のバランスを整え、安定した身体になるようお手伝いさせていただきます。
柔道整復師・鍼灸師 久木崇広 監修
ご予約は、電話番号 079-490-5955 よりお願いいたします。
ネット予約は、ホームページよりお取りください。https://sekkotsushinkyu-jingyu.com/
治療中のため、電話にでられない場合もございます。折り返しお電話させて頂きますので、お手数をおかけしますが、お名前とお電話番号を留守電へお願いいたします。
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