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「ヒールによる外反母趾の原因とその対策」

2018.09.22 | Category: 足の指の痛み

ヒールをはいて外出すると足の親指付け根あたりが痛いという症状を訴えて来院いただきました。

 

ご本人は、ヒールの履きすぎによる「外反母趾(ガイハンボシ)」が原因ということを自覚されていましたので、足が痛いのにどうしてヒールをはくのですか?と質問させていただいたところ、

 

「ふくらはぎが細く見えるから」

「少しでも背を高く見せたいから」

「おしゃれしたいから」

 

などなど、女性特有の理由があるようです。そんな理由を聞いた時は、なるほどとおもわず納得してしまいました。

 

治療側から本音をいうと、ヒールをはいて歩くということは、足の先だけでなく、膝・腰・股関節などにかなりの負担を強いるので、できればデートや参観日・コンサートなど気の張る勝負所の時だけで履いてほしいのですが・・・。

 

余談ですが、同じように外反母趾による足の痛みを訴える女子高校生に将来のこともあるので靴の変更を求めました。そうすると、ウォーキングシューズのような機能性のヒモ靴は所持しておらず、デザイン性が高いヒール的な靴しかもっていないという(私にとっては)衝撃的回答をいただきました。実用性よりデザイン性が重要なお年頃のようです。

 

どうもヒールは楽しめる時期に、はいておきたい靴なのですね。

 

しかし外反母趾による足の痛みがひどくなると、せっかくヒールをはいて外出しても楽しめません。また、ヒールのはきすぎにより外反母趾がひどくなると骨が変形し、将来的に歩行障害や不安定性をもたらします。

 

逆に言うと、骨の変形が始まる前でしたら、ケア次第で間に合う可能性があります。

 

そこで今回はヒールをはくことで外反母趾になるメカニズムと予防法をご紹介させていただきます。

 

このことを知っていただくことで、より長い期間ヒールをはいて楽しむことができるようになります。

 


ヒールをはくことによる外反母趾は、

 

「女性特有の体質」+「ヒールの靴先の細さ」

 

が原因となります。

 

 

【女性特有の体質】

外反母趾は、男女比で見ると、圧倒的に女性が訴える足の指の変形症状です。

 

外反母趾を判定するときは、足の親指と関節としてつながっている(第一)中足骨という骨に対して、足の親指が外側に20度以上曲がっていることで判断できます。(正常値は10~15度)

 

外反母趾は、曲がっている足の親指やその関節に意識がいきがちですが、先ほども出てきました足の親指と関節としてつながっている(第一)中足骨という骨が、外に開いていることも原因の一つです。

 

この(第一)中足骨という骨が、外に開いてしまうことが、女性特有の体質からきます。

 

その理由としては、男性に比べて女性は関節をつなぐ力が弱く、緩みやすいためです。これはお産の時に骨盤のつなぎ目を緩め、出産しやすいようにするため、女性は関節が緩みやすい体質にできているとされています。

 

関節が緩みやすい上に、この(第一)中足骨は“土踏まず”の内側を構成するため、体重が上からかかりやすい骨です。さらに(第一)中足骨とその後ろにある内側楔状骨(ないそくけいじょうこつ)という骨とが斜めにつながっているため、外に開きやすい関節でもあります。

 

 

【ヒールの靴先の細さ】

足の裏のどこにどれほどの割合で圧がかかっているかは、

例えば6キログラム足の裏に圧がかかったとすると、

 

カカト⇒3キログラム

親 指⇒2キログラム

小 指⇒1キログラム

という割合で分散されます。

 

本来は、カカトの部分で身体の重さの半分をうけるように足はできているのですが、ヒールのカカトを支える部分が小さく、さらに高いため圧がつま先に集まります。

 

先ほど【女性特有の体質】で紹介したように、(第一)中足骨は外へ開きやすい状態になっていますので、ヒールのカカトの高さから前に圧がかかることでより開きやすくなります。

更に、ヒールの特性である細いつま先のため、本来カカトにかかるはずの圧が親指にかかり(第一)中足骨が外に開くことで、親指がヒールのつま先の形に添うように強制されます。この状態を頻繁に繰り返し保つことで、外反母趾が発症してしまいます。

外反母趾による痛みは、親指と(第一)中足骨との関節が鋭角に曲がってしまう部分が靴に擦れることで起こる“パニオン”と呼ばれる関節の炎症により発症します。

 

私は外にでたとき、職業病なのでしょうか歩いている人をよく観察してしまいます。その中でヒールをはいて歩いている方を観察すると、ガニまたになっていたり、足があげることができずやたら足音が大きかったりと、綺麗に歩いている方は少ないですね。立ち姿はかっこいいのですが・・・。実際に観察すると、足を内に占めて身体がブレないようにヒールをはいて綺麗にかっこよく歩こうとすると、結構な筋力と柔軟性が必要になのがよくわかります。

 

 

【ヒールによる外反母趾への対策】

まずは【女性特有の体質】による(第一)中足骨を外へ開くことへの対策です。

 

足の指が5本あるように、足の甲にも5本の中足骨があります。

5本の中足骨は足で体重を受ける土台になる骨です。

 

その5本の中足骨が連結し束なると、土踏まずげ形成され体重を受けるクッションが形成されます。

 

逆に5本の中足骨の連結が緩むと、足の甲が外にひろがる“偏平足”となり、外反母趾の原因となります。

 

それぞれ隣り合う中足骨と靭帯でつながってはいますが、体重を支えるほどの強靭さはありません。

 

5本の中足骨を束ねるには、中足骨の間にある筋肉、“背側骨間筋”を鍛える必要があります。

 

“背側骨間筋”を鍛えるその方法は、「タオルギャザー」という運動療法です。

 

①イスに座った状態で、床に引いたタオルの上にカカトを付けた状態で足を置き、

②タオルと足の指でつかんで引き寄せる

③つかんだタオルを離す。その時に足の指を外にしっかり広げる

④再びタオルをつかむ

1日20回ほどもしくは、指に疲れを感じる程度繰り返してください。

 

 

次に、テーピングによる外反母趾の矯正をおこないます。

まずは伸縮性のあるテープ(キネシオテープ)を用意します。できれば薬局などの質の良いテープを使ってください。

 

横幅 1センチ5ミリ × 長さ 7センチ5ミリ を1本

横幅 2センチ5ミリ × 長さ 10センチ を1本

横幅 5センチ × 長さ 15センチ を1本

横幅 5センチ × 長さ 20センチ を1本

 

の長さに切ったテープをご用意ください。テープの角をとったほうがより長持ちします。

親指を外に広げながら、親指から中足骨の側面にに添わすように貼ります

小指も外へ広げ、テープを指の内側からひっかけるように貼り、

小指を外へ広げながら、テープを小指の頭から側面へ添わすように貼ります

足のつま先裏に、先にテープを横へ引っぱり、そのまま足のつま先裏に貼り付けます

つま先裏にテープを張った後一旦手を離します。

テープの端を足の表へ添わすように回してはります。この時テープの端は引っ張らずに貼ってください。引っぱって貼ると皮膚がかぶれる原因になります。

カカトの前あたりにテープを張ります。目安としては、外くるぶし・内くるぶしに対して指一本分前にはるイメージです。

テープを事前に引っ張りカカト前あたりの足の裏に貼ります

つま先の時と同様に、張り付けた後一旦手を離します

テープの端を足の甲側・外くるぶし・中くるぶしの前へ添わすように貼り付けます。この時テープの端は引っ張らずに貼ってください。引っぱって貼ると皮膚がかぶれる原因になります。

テープは2~3日ほど継続してつけてください。痒みや痛みがある場合は、我慢せずにはがしてください。

 


ヒールによって外反母趾を引き起こすことについては、

 

「靴は足のためにつくられたものであって、靴のための足ではない」

 

という格言が当てはまってしまいます。

 

それでも楽しく生きるために必要な靴であるなら、ケアをしながらヒールをはいていけばよいのではないかと私は思います。

 

 

足のセルフケアをされても、ヒールによる外反簿足の痛むなら『接骨鍼灸院じんぎゅう』にご相談ください。少しでも快適にヒールが履けるようにお手伝いさせていただきます。

柔道整復師・鍼灸師 久木崇広 監修


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