- Blog記事一覧 -「サプリメントは膝の痛みに効くのか?」
「グルコサミンとかコンドロイチンってホントに膝の痛みに効くの?」
というサプリメントに関しての質問をよく受けます。
ここ数年来、「グルコサミン」「コンドロイチン」「ヒヤルロン酸」というカタカナでややこしい成分名を覚えられるほど、テレビで繰り返し宣伝され、膝の痛みに効くというようなイメージが定着しています。
膝の痛みでお悩みの方は、効くなら飲んでみたいという思いを持つのは無理ないと思います。
そこで今回は、「グルコサミン」「コンドロイチン」「ヒヤルロン酸」といった成分が膝の痛みに本当に効くのかどうかを検証していきます。
このことを知っていただくことで、膝の痛みに対して「グルコサミン」「コンドロイチン」「ヒヤルロン酸」成分が入ったサプリメントを購入するかしないかを判断することができます。
私の意見ではずばり、
「グルコサミン」「コンドロイチン」「ヒヤルロン酸」入りのサプリメントを飲んでも膝の痛みには、ほぼ効果がない
です。いきなり身も蓋もない言い方になりましたが、これは私の治療経験からの意見でもあり、生理学・生化学といった身体に関する科学的な観点からの意見でもあります。
膝の痛みを訴え来院された方の中でも、「グルコサミン」「コンドロイチン」「ヒヤルロン酸」入りのサプリメントを飲んでいる方がいらっしゃいます。
効果はありますか?と質問させていただくと、9割9分「効かへん」・「わからへん」・「治らへん」という答えが返ってきます。
「グルコサミン」「コンドロイチン」「ヒヤルロン酸」入りのサプリメントを飲んでも効果がでないのなら、身体にとって必要ない成分かといえば、そうではないのです。
身体にとっては、「グルコサミン」「コンドロイチン」「ヒヤルロン酸」は重要で必要な成分です。それがなぜサプリメントとして飲んでも膝の痛みに効かないのかを解説していきます。
【栄養が届きにくい部分のため】
よく膝の痛みに関して、整形外科でレントゲン検査をしても立った結果、言い渡されるその原因が、
「軟骨がすり減っているから」
といわれることが多いです。
関節にある軟骨は「関節軟骨」とよばれ、水分をたっぷり含んだスポンジのようなもので、硬い骨と骨がぶつかって壊れないように骨の表面をおおい、クッションの役割をしてくれます。
関節軟のをイメージしてもらうには、鶏の手羽先を食べたときに、骨の関節部分の表面を触ってみてください。関節の表面はつるつるに磨かれた作りになっています。人間の関節の表面も同じような状態です。
その関節軟骨は、「軟骨細胞」とその周りを囲む「Ⅱ型コラーゲン」「ヒヤルロン酸」「コンドロイチン」「グルコサミン」「プロテオグリカン」などから構成されています。
骨折をしても骨本体は修復されます。これは血管やリンパ管が骨折している部分に直接のびていき、修復のための栄養を届け、骨細胞が増えて治っていきます。
しかし関節の表面にある関節軟骨には、血管やリンパ管が通っておらず細胞分裂もおこなわれません。
ということは関節軟骨が、衝撃や摩擦で壊れると修復に必要な材料が血管から直接損傷部分に運ぶことができないので、修復が困難となります。
膝の関節軟骨を修復する成分は、関節を覆う袋の内側にある「滑膜」から染み出てきます。
「滑膜」からでた膝の関節軟骨を修復する成分は、関節を覆う袋の中にある「滑液(関節液)」という水分を通して供給されるため、損傷している部分には届きにくい。
つまり、つまり、グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントを飲んでも膝の痛みに効果がないのは、
「グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントを飲んでも、膝の痛んだ部分に直接運ぶルートがないため」
ということになります。
【サプリメント成分が分解されるため】
例えば、筋肉成分である赤身部分の牛肉をたくさん食べただけでは、赤身部分の牛肉がそのまま筋肉になるようなことはありません。
肉だけ食べたら筋肉に入れ替わることになれば、スポーツ選手はトレーニングをせずに肉だけ食べているはずです。
そうならないのは食べたものが、胃や腸で細かく分解されて最小単位の状態となって、色々な身体を構成するための材料になるためです。
グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸を作っている原料は「糖」です。
反対に言うと、グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントを飲んだとしても、胃や腸で物質(分子)として最小単位の「糖」にまで分解され、腸の吸収する通路に入っていきます。
胃や腸で分解されないグルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸は、物質(分子)として大きいため、腸の吸収する通路に入ることができず、便になって外へ排出されます。
つまりグルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントを飲んでも、そのままの形で吸収され関節軟骨に届けられることはないのです。
では、たとえ「糖」にまで分解されてもサプリメントをとることで、グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸を体の中で再生産するための材料を提供しているので、膝の関節軟骨の成分を作る後押しできるのでは?と思われるかもしれません。
人間の一日取る「糖」は、300~400グラムといわれています。グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントは、一日1~2グラムほどしかとりません。これは全体の「糖」摂取量に比べて微々たるものなので、関節軟骨成分を作るためだけの材料提供としての影響力はないに等しいとされています。
つまり、グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントを飲んでも膝の痛みに効果がないのは、
「グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントを飲んでも、胃や腸で分解されて膝の痛んだ部分にそのままの成分で運べないため」
ということになります。
【あくまでも補助食品であるため】
東京大学の研究で、50歳以上の男性54%・女性75%に関節症状がでている報告がされています。
それだけ多くの人に関節症状がでているにもかかわらず、あれだけ関節の痛みに効くとイメージされているグルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントは、薬としての扱いを受けていません。なぜなんでしょうか?
効果の面から言えば、膝の軟骨を取り出して、シャーレの中で増やし、グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸に浸すと軟骨は増えると報告されています。しかし先ほど記述しましたが、グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸を飲んだとしても、そのまま成分として膝には届きませんので薬としての役割は期待できません。
実際、アメリカのリウマチ学会の研究発表では、グルコサミンを飲んでも膝の痛みへの効果はないと報告されています。
でも、テレビのグルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントが膝の痛みに効くって宣伝している!と思われるかもしれません。
よくよく宣伝をみてください。「痛みに効く」「治る」とは言っていません。
宣伝に登場する人は、
「これを毎日飲んでいると、調子がいい!」
宣伝文句は、
「散歩や山登りなどの運動を楽しみ方にオススメ」
更に端っこの方に細かい字で、
「お客様の個人の感想です」
と効果をうたいながら、効果がない場合もあるといっています。
ここまで書いてしまうと少々意地悪感がでてしまいますが、わたしが言いたいことは、作っている企業側も効果に自信を持っているわけでなく、宣伝にふりまわされないようにしてほしいということです。
つまり、グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントを飲んでも膝の痛みに効果がないのは、
「グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントは「医薬品」ではなく「栄養補助食品」という補助程度の食品のため」
ということになります。
以上のように、今現在わかっている科学の範囲では、グルコサミン・コンドロイチン・ヒヤルロン酸入りのサプリメントが膝の痛みに効くとは言い難いという結論になります。
“一念岩をも通す“という言葉もあります。「科学的にどういおうとも、自分には効くんや」という気持ちで納得されて飲まれる分には良いと思います。
というのも私が最初に「ほぼ効果がない」と書いたのは、実際に今まで長年治療に関わってきて、2人ほど効果があったと主張される方とお会いしたことがあるからです。薬用が含まれていない薬を飲んで、暗示的に効果がでるという“フラシーボ効果”かもしれませんが、実際に効果があったと訴えた方もいらっしゃったので、科学的な根拠があるからといっても全否定はできないところです。
膝の痛みに対して「グルコサミン」「コンドロイチン」「ヒヤルロン酸」成分が入ったサプリメントを購入するかどうかに関して、
「科学的には効果なしなので、基本的に購入はお薦めしません。フラシーボ効果的に効果を実感する方も稀にいらっしゃいますの、どうしても思われるようでしたら、3ヶ月と期間を決めて効果を試してみてください。」
ということで判断してみてください。
それでも膝の痛みに対してサプリメントの購入に迷うようでしたら『接骨鍼灸院じんぎゅう』にご相談ください。膝の痛みに対してご本人にとってより良い選択を提案させていただきます。
柔道整復師・鍼灸師 久木崇広 監修
ご予約は、電話番号 079-490-5955 よりお願いいたします。
ネット予約は、ホームページよりお取りください。https://sekkotsushinkyu-jingyu.com/
治療中のため、電話にでられない場合もございます。折り返しお電話させて頂きますので、お手数をおかけしますが、お名前とお電話番号を留守電へお願いいたします。
完全予約制となっております。事前に電話もしくはネットにて、ご予約をお願いいたします。
【診療時間】
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休診日 火曜日
講習会などの為、臨時で休診させていただく場合もございます。お電話にてご確認のほど、よろしくお願いいたします。
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初診料 2,000円
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