- Blog記事一覧 -コロナによる自粛生活でご高齢者のひざの痛みが急増?
先日、眠れないほどのひざの痛みでご高齢の方が来院されました。
ひざが痛くなったきっかけをお聞きしたところ、孫に買い物を付き合って歩き回ってからとのことでした。
また、コロナによる自粛生活中の過ごし方を聞いてみると、春から夏にかけてほとんど外出をしていなかったとのこと。
「(コロナ感染拡大)前はこれぐらい歩いても大丈夫だったのに・・・」
と嘆いておられました。
このように、コロナによる自粛生活がご高齢者に体調の変化をもたらしている状況をよく見受けます。
コロナによる自粛生活がご高齢者に、どのように体調の変化をもたらしているのかがわかるデータがでています。
「65歳以上の高齢者1000人に聞いた“withコロナ”実態調査」
(オムロンヘルスケア株式会社調べ)
の調査では、
・53.8%の方が運動不足を実感している
・34.5%の方が体調不良を感じている
・不調のトップ3は「腰痛」「ひざの痛み」「目の疲れ」
と報告されています。
この結果から見てもコロナの自粛生活が体調を崩させていることがわかります。
まだまだ感染リスクを避ける今の生活習慣が続くかと思われます。
その状況下で、健康を崩さないようにご高齢者の方は何かしらの対策をとる必要があります。
そこで今回は、コロナによる自粛生活がもたらした体調不良症状の不調トップ3のうちの一つ、
「ひざの痛み」
を回避するための方法を紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、コロナ自粛生活によるひざの痛みを解消することができます。
原因はずばり、
「座りすぎによる下半身の筋力低下」
です。
自粛期間中にしかたがないとはいえ、座って動かない時間が長いことは、筋肉に刺激が与えられず、その筋力は低下します。
じっと動かないと筋力が衰える極端な例をあげれば、
「2週間寝たきりで失われる筋肉量は、7年間に失われる筋肉量に匹敵する」
といわれており、じっと座っている時間が長いことで、想像以上に筋力低下をおこしてしまいます。
さらに人間の構造上、上半身より下半身の方が、筋力が低下しやすい傾向にあります。
その根拠として、日本老年医学学会で発表された「日本人筋肉量の加齢による特徴」の論文によると、
18~24歳に比べ65~74歳の上半身の筋力は、約10%低下
18~24歳に比べ65~74歳の下半身の筋力は、約22%低下
と上半身に比べ下半身は、約2倍衰えるスピードが速いことがわかりました。
ひざを動かし支える筋肉は、人間の体の中で2番目に多い箇所です。
ひざにはそれだけ多くの筋肉が必要とされています。
そんなひざ周辺の筋力低下は、ひざの関節やひざ軟骨などを保護することができず、ついには痛みを引き起こしてしまいます。
コロナによる自粛生活で外出がしたくてもできない状況ですので、室内で簡単にできる3つの対処法を紹介させていただきます。
ひざ周辺の筋力が落ちた状態で、何気なく立ち上がっていると、ひざにかなりのダメージを与えています。
なるべくひざに負担をかけない立ち上がり方をする必要があります。
やり方は簡単です。
両手を膝につき足の裏を地面に押し付けるように下に圧をかけます。
体を前に倒して、お尻を上げます。
ひざに置いた手で体を支えながら立ち上げります。
片方のひざの下に両手をまわし、ひざを持ち上げます。
もちあげたひざを前後にぶらぶら動かします。そうすることでひざの柔軟性を確保できます。
座った状態で、片方のふくらはぎをあげひざを伸ばします。左右片足ずつ10秒キープします。それを左右で3回繰り返してください。朝昼晩と1日3回を目安に行ってください。
コツはひざを伸ばした際に、足先とひざのお皿がまっすぐの状態で、内ももに力が入れる意識をもって行ってください。
兵庫県は緊急事態宣言が解除され、加古川市もワクチン接種が順次はじまり、少しずつ以前のような生活に戻る兆しが見えてきました。
もうじき来る外出がしやすい環境になった時に備えて、今から少しずつお体を整えていく時期になってきています。
特にひざを回復させるのは少し時間がかかります。
痛みがでると鍛えなければいけないと焦り、無理して筋肉トレーニンや散歩を急激に行いがちです。
そうすると、かえって痛みをひどくしてしまうかたを何人も見てきました。
まずは、ひざに日常生活で負担をかけない使い方・ひざ周辺の柔軟性と筋力の強化で基礎を作ってみてください。
基礎ができれば、ひざを気にすることなく趣味や家事・散歩などスムーズに行うごとができ、充実した生活を送ることができます。
今回ご紹介させていただいたことがそのお役に立てれば幸いです。
(監修:柔道整復師・鍼灸師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広)