





- Blog記事一覧 -頭を不意に打った後、上腕の感覚の異常を伴う首の痛みが起きる理由とその改善法

みなさんこんにちは。加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。
先日、左上腕の冷えを伴う首の痛みを訴えられて、50歳代女性の方が来院されました。
詳しくお話をお聞きすると、夜に家の廊下が暗い中トイレへ行ったときに、トイレのドアが半開きになっているのに気づかず、開いたドアの角で、きつく頭をうってから、今回の症状が出るようになったそうです。
こういった頭部をきつく打ちつけることで、首の痛みだけではなく、上腕に冷感やしびれなどといった感覚の異常が伴って発生することは少なくありません。
そこで今回は、頭部の打ち身が上腕の冷感を伴う首の痛みが起きる理由とその対処法について紹介させていただきます。
このブログを最後まで読んでいただくことで、思わぬタイミングで頭をうった後の後遺症である上腕の感覚の異常を伴う首の痛みを軽減し、健やかな日常生活を過ごせます。

思わぬタイミングで頭部をうった場合、その反動で4~5kgの重さがある頭部が、前後に揺さぶられます。
そうすると、ぶつかった際の首の角度や歩く速度によりますが、頭と体をつないでいる首に、頭の重さの数倍から数十倍の負荷がかかるとされています。
それによって、「バレー・リュー症候群」「外傷性頚部症候群」などと呼ばれる、いわゆる「むち打ち」の症状が体に発生します。
以下で、むち打ちによって首や上腕に起きる症状のメカニズムについて紹介させていただきます。

自律神経は、暑いと汗をかいたり、ご飯を食べると胃腸が消化や吸収をおこなってくれたりと、生命を維持するために、自動的に調整してくれる神経です。
自律神経は、活動や防御するために体を緊張させる働きがある交感神経と、リラックスしたり回復させる働きがある副交感神経に別れます。
自律神経は、脳から背骨に沿って走行して、そこから内臓や筋肉などに分布します。
頭をうった衝撃が首に伝わると、体を守ろうと首に存在する交感神経が優位に働きます。
交感神経は、血管を収縮させる働きもあるため、交感神経が過度に働くと、首周辺の組織への血流が悪くなります。
血液の供給が減ると血液が不足している部分の神経が過敏になったり、体温が低下するため、上腕に冷感を伴う首の痛みが発生する可能性がある。

頭を打つと、大きな衝撃が背骨の首の部分にかかるため、7つある首の骨の並びが乱れます。
そうすると、首の背骨の中を通っている神経が圧迫されることにより、圧迫された神経が支配している体の部分に感覚の異常が起こります。
7つの首の背骨の中を通る神経は、それぞれ支配している体の部分があり、特に、5番目の首の背骨部分にある神経は、肩から上腕にかけての感覚を支配しています。

この5番目の首の背骨部分の並びが乱れていると、そこを通る神経が圧迫されて、上腕に冷感やしびれなどの感覚の異常を伴う首の痛みが発生することもある。
実際、今回、当院に来られた患者様も、5番目の首の背骨にゆがみが発生していたため、その周辺の背骨のゆがみを治療で整えると、「腕の血管が開いた感じがする、なんかじわっとあったかくなってきました」という反応がありました。
以上のような理由で、不意に頭をうった後に、上腕に感覚の異常を伴う首の痛みが発生します。
頭をうってすぐではなく、頭を打撲してから2~4週間後にこれらの症状が遅れて発生することもあります。
また、いったん治ったと思っても、天候や季節の移り変わりなどに対応しようと自律神経が反応した際に、その過程で再発する場合もあります。
頭をうったときに、首の痛みや腕の感覚の異常以外にも、筋力の低下、しびれ、頭痛、はき気、めまいなどが発生している場合は、脳に重篤な病気が発生している可能性もありますので、お近くの専門の医療機関に受診されることをおすすめします。
上腕の冷感を伴う首の痛みへの対処法

頭をうって首に衝撃が加わったことで、首の背骨部分がゆがみ不安定になることで、首の痛みだけではなく上腕に冷感を感じるような感覚の異常が起こります。
首はとても繊細な部分でもあるので、セルフケアを行うにしても、優しく刺激する必要があります。
以下で首に優しく行える対象を紹介させていただきます。
頭をうったことで、首の組織が過緊張の状態になっています。
それを緩めるためには、首を温める必要があります。
温めることで、自律神経の交感神経が優位な状態から、リラックスや回復の働きをする副交感神経が優位になります。
そうなると、血管が緩み、血液の流れも回復することで、痛みや冷感が軽減することが見込まれます。
首を温める方法ですが、電子レンジで温めるホットパックやネックウォーマーなどを首に巻いて、温めたり保温に努めてください。
また、お風呂に入るときには、首まで湯船につかったり、シャワーを首に集中的に首に当てて、温めるようにしてください。
首に痛みがあるときに、無理に動かすと、かえって、首周辺の筋肉が緊張して、痛みが増加する場合もあります。
ですので、首を無理に動かさずに、首に適度な刺激を与えて、首周辺の組織や自律神経を緩める必要があります。
そのためには、「目を動かす」ことが適切です。
目の動きと首の筋肉の動きは、神経的に連動しています。
目を動かすと、自然と首の筋肉に適度な刺激が入り、その結果、首の状態が安定します。そのための方法ですが、
1.上向で寝て、合わせた両手の親指をおでこに当てて、首が動かないように止めます。

2.首を動かさないように注意しながら、目だけで上方を見て、その状態を、5秒間キープします。

3.5秒たったら、目を元の位置に戻し、5秒間、休憩します。
4.この一連の動作を、10回、繰り返してください。
5.次に、首を動かさないように注意しながら、目だけで下方を見て、その状態を、5秒間キープします。

6.5秒たったら、目を元の位置に戻し、5秒間、休憩します。
7.この一連の動作を、10回、繰り返してください。
頭をうつことで、首の背骨だけではなく、連動している背中の背骨部分の動きの不調を及ぼします。
背中の背骨部分を整えることで、活動時に首の背骨の動きを助けて、負荷や痛みを軽減できます。
そのための方法として、背中の背骨を整えるためのストレッチを紹介させていただきます。
1.足は肩幅に広げた状態で壁に向かって立ち、片方の手のひらを指先を床方面に向けた状態で腕を伸ばして、壁につけます。

2.壁に手をついたとは反対側に体をひねり、腕から背中が伸びるのを感じたら、その状態で、10秒間、キープします。

3.10秒たったら、体を元の位置に戻します。
4.次に、反対側の手のひらを壁につけて、同じような動作を行います。

5.この一連の動作を、5回、繰り返して行ってください。

不意に頭を打ったことで、上腕に冷感などの感覚の異常を伴う首の痛みが発生した場合の対処法として、
・首を温める
・目を動かす
・背中を動かす
を紹介させていただきました。
首の痛みだけではなく、上腕にも感覚の違和感を感じてしまうと、心身にストレスがかかり、日常生活に支障が出てしいます。
ですので、早めにケアされることをおすすめします。
そのための方法として、今回、紹介させていただいたことが、皆様のお役に立てれば幸いです。
もし、それでも、頭部の打撲後に、上腕に感覚の違和感を伴う首の痛みが続くようでしたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関を受診されることをおすすめします。
当院でも、今回のようなケースの首の痛みに対しても対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
また、他に首の痛みに関するブログもかいておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。
監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
参考文献:「頸椎捻挫(むちうち損傷)と徒手理学療法─神経から考える─」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/8/41_KJ00009647391/_pdf/-char/ja