- Blog記事一覧 -「脊柱管狭窄症の特徴と簡単にできる体操法」
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)は、テレビや雑誌で取り上げられることも多くなったためか、病名がややこしいにもかかわらず、さらっと病名を言える方が増えたことを感じます。
芸能人でも、みのもんたさん、宮川大介さん、水前寺清子さんが脊柱管狭窄症を発症したことが報道されてました。私の脊柱管狭窄症の残念な思い出は、早くからチケットをとり楽しみにしていたお芝居の主演俳優さんが、脊柱管狭窄症ということで急遽降板してしまいガッカリしたことですね。
そんな仕事に穴をあけることができない芸能人ですら、休まざる得ないほどの症状がでる脊柱管狭窄症ですが、実は年齢を重ねると誰もが発症する可能性があります。
命に関わるものではないのですが、動くことが困難になり日常生活に支障がでますので、早めに気が付いて対策が必要です。
そこで今回は、脊柱管狭窄症はどのような病気か?脊柱管狭窄症を治すためのどのような体操をすればよいのか?について紹介させていただきます。
このことを知っていただくことで、正しい脊柱管狭窄症のセルフケアをして痛みを緩和し、日常生活での支障を緩和うることができます。
【脊柱管とは?】
背骨は身体を支える働きのほかに、脊髄(せきずい)・馬尾神経(ばびしんけい)という神経を守る役割もあります。脊髄は脳と共に人間の中枢神経とされていて、脳から身体を動かす命令や、冷たい・暑い・痛いと感じたことを脳に伝える大変重要な神経です。脳からでて一本の太い神経である脊髄は腰のあたりで終わり、その脊髄終わった部分から細かく枝分かれして下降し、下半身につながって行く神経の束ことを馬尾神経と呼びます。
その大切な脊髄や馬尾神経は、背骨の真ん中空いているに椎孔(ついこう)とよばれる穴が組み合わさってできたトンネルの中を通って保護されています。そのトンネルのことを、“脊柱管”と呼びます。
その脊髄が通るトンネルが、狭くなったりずれたりすることで、脊髄や馬尾神経が圧迫され脊柱管狭窄症の症状が発生します。
【脊柱管狭窄症の発症年齢】
50~70歳代。特に70歳代に多く見られます。
【脊柱管狭窄症の発症部位】
首・背中・腰と背骨のどの部分でも発症しますが、特に腰で発症することが多い。
【脊柱管狭窄症の原因】
原因としては、
①背骨自体の変形
②背骨の関節部分の変形
③背骨と背骨の間にあるクッションの役割をしてくれる椎間板の変形
④背骨通しをつないでくれている脊柱管内の靭帯が分厚くなる
⑤背骨が前にずれる
といった背骨とそれに付属する組織のトラブルで、神経が圧迫されて痛みやしびれがでてきます。
【脊柱管狭窄症の3タイプと症状】
①「神経根型」タイプ
脊髄から枝分かれした神経の一部が圧迫されることで症状が現れるタイプです。
左右どちらか一方の腰、お尻、太もも、ふくらはぎ、すね、足の甲、足の裏にかけて痛みやしびれや皮膚の感覚が鈍くなる、足に力が入りにくく、つまずきやすくなる症状が現れます。
また、典型的な神経根型タイプの中でも症状がでる場所の典型例は、
▶片方の太もも外側から足の甲にかけて痛みやしびれがでるタイプ
▶片方のお尻から足の後ろ側にかけて痛みやしびれがでるタイプ
その他に、じっとしていれば症状はそれほどでないが、長時間立ち続けたり、歩き続けたりした際に症状が現れ、少し休んで身体を丸めると症状が治まるという、“間歇跛行(かんけつはこう)”の症状が出るのがこのタイプの特徴です。
このタイプは、後で紹介させていただく脊柱管狭窄症の体操が有効です。
②「馬尾型」タイプ
脊髄から枝分かれした神経が、束で圧迫されることで症状が現れるタイプです。
このタイプは、両足の広い範囲でしびれ現れるのがメイン症状で、通常痛みはそれほど強くありません。
立ったり、歩いたりするときだけでなく、常時しびれを感じている場合もあります。
その他に、股間や肛門あたりのしびれやほてり、足に焼けるような痛み、尿漏れ、便秘の症状が現れ生活に支障がでます。
このタイプの多くは手術が必要となり、完治が難しい。
③「混合型」タイプ
①②の症状が合わさっておこり、馬尾タイプと同様に手術が必要となり、完治が難しい。
【脊柱管狭窄症と鑑別が必要な病気は?】
前述したような脊柱管狭窄症の症状と、似通った症状が現れる病気があります。対処法がそれぞれ違いますので、鑑別する基準を記述していきます。
▶脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアとの鑑別基準
椎間板ヘルニアは背骨と背骨の間でクッションの役割をする椎間板が変形して神経を圧迫して、下半身の痛みやしびれの症状が現れる病気です。脊柱管狭窄症との違いの見方としては、
立った姿勢の時に、身体を前屈(前にまげる)した時に楽になるなら脊柱管狭窄症
↕
立った姿勢の時に、身体を後屈(後ろにそらす)した時に楽になるなら椎間板ヘルニア
▶脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症との鑑別基準
閉塞性動脈硬化症は、太ももやふくらはぎの動脈が硬くなることで血流が悪くなり、左右の足の皮膚の色が違ったり、足に痛みやしびれ・冷感といった症状が現れます。脊柱管狭窄症との違いの見方としては、
杖をついたり、カートを押しながらなら楽に歩けるなら脊柱管狭窄症
↕
杖をついてもすかなくても、カートを押しながらでもそうでなくても症状が変わらないのなら閉塞性動脈硬化症
歩行中に症状が出たときに、身体をまるめて休むと楽になるなら脊柱管狭窄症
↕
歩行中に症状が出たときに、立ち止まるだけで楽になるなら閉塞性動脈硬化症
歩くより自転車で移動するほうが楽なら脊柱管狭窄症
↕
歩きでも自転車でもそれほど症状に変わらないなら閉塞性動脈硬化症
よくわからない場合は、お近くの整形外科や治療院でお尋ねください。対処法をまちがえると、かえって悪化する場合もありますので、ご注意ください。
【病院での脊柱管狭窄症の治療法】
通常病院では、脊柱管狭窄症の症状がではじめてから、3~6ヶ月は、コルセット・薬・注射による保存療法を行います。それでも効果がないようでしたら、手術となります。手術の方法は多種ありますが、基本的には神経が圧迫されている部分の背骨を削り、靭帯や椎間板を切除して、神経への圧を取り除きます。背骨が不安定な場合は、それに合わせて背骨通しを固定させる場合もあります。
【脊柱管狭窄症用の体操】
脊柱管狭窄症の痛みを和らげる体操のキモは、
「神経(脊髄)の通り道(脊柱管)を広げる」
ということになります。広げるためには身体を丸める必要があります。
①ひざ抱え体操
うえむきに寝ます。頭の位置は枕などで無理のない高さに調節してください。
⇩
両ひざをまげて、足の裏を床につけます。
⇩
両ひざを胸まで引き上げ、両手で抱えます。この時に、腰をしっかり丸めることを意識してください。お腹がでている人は、両ひざを広げてやってみてください。
⇩
1回20~30秒で、休憩しながら3回を1セットとしてやってください。
1日3セット以上を目安にやってください
※上向きの姿勢が無理なら、横向きになった状態でやってみてください。
②ふともも抱え体操
うえむきに寝ます。頭の位置は枕などで無理のない高さに調節してください。
⇩
両ひざをまげて、足の裏を床につけます。
⇩
太もも裏を両手で抱えて、ひざを胸のあたりまで引き上げ、腰をしっかり丸めます。ひざは楽に感じる程度に曲げて行ってください。
⇩
1回20~30秒で、休憩しながら3回を1セットとしてやってください。
1日3セット以上を目安にやってください
③足首抱え体操
両足をそろえてイスに座ります。足の裏はしっかり床につけてください。
⇩
上体をまげて両足首を両手で抱え込みます。この時、腰がしっかり丸まっていることを意識します。
お腹がでている人は、両ひざを広げてやってみてください。
⇩
1回20~30秒で、休憩しながら3回を1セットとしてやってください。
1日3セット以上を目安にやってください
脊柱管狭窄症により、神経の圧迫を長年放置しておくと、神経自体が傷み、たとえ手術したとしても傷ついた神経は回復せず、症状が残ってしまいます。ですから、脊柱管狭窄症は早めの対策が必要となってきます。
今回のブログで、脊柱管狭窄症と判別ができ体操によって症状が緩和の方向に持っていければ幸いです。
それでも脊柱管狭窄症の神経根タイプの症状が改善されないようでしたら、『接骨鍼灸院じんぎゅう』にご相談ください。背骨とその周りの筋肉にアプローチして、症状改善のお手伝いをさせていただきます。
柔道整復師・鍼灸師 久木崇広 監修
ご予約は、電話番号 079-490-5955 よりお願いいたします。
ネット予約は、ホームページよりお取りください。https://sekkotsushinkyu-jingyu.com/
治療中のため、電話にでられない場合もございます。折り返しお電話させて頂きますので、お手数をおかけしますが、お名前とお電話番号を留守電へお願いいたします。
完全予約制となっております。事前に電話もしくはネットにて、ご予約をお願いいたします。
【診療時間】
月曜日~土曜日 11:00~21:00
日曜日 13:00~19:00
休診日 火曜日
講習会などの為、臨時で休診させていただく場合もございます。お電話にてご確認のほど、よろしくお願いいたします。
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