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冬 | ひさき鍼灸整骨院の記事一覧

冬の天気痛の予防は内耳から!3つの簡単セルフケアで快適な冬を

2025.02.17 | Category: ストレス・自律神経障害,めまい,予防,体操・ストレッチ,体温,,冷え,冷え性,天候,天気,日常生活の動作,生活習慣,疲労,睡眠,筋肉疲労,血圧,血流,関節,,頭痛,首の痛み

 

みなさん、こんにちは。加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広です。

今年の関西の冬は、寒波も何度も来ているためか、表示の温度以上に寒く感じますね。

また、雪まじりの雨が降ったり、強い風が吹いたりと、天候も安定しない日も続いています。

こういった天候の変化が激しい日が続くと、お体の不調を訴えられる方が少なくありません。

先日も、頭痛を伴う首の痛みを訴えて、50歳代の女性の方が来院されました。

詳しくお話をお聞きすると、いつも、天候が崩れると、今回のような症状が出るとのこと。

特に、最近は、気温が氷点下になって、雨が降ったり止んだりと、天候の変化が目まぐるしいので、好不調が激しいそうです。

治療するとすっきりするけど、天気が悪くなるたびにしんどくなるのはつらいので、何か対策はないですか?というご質問を受けました。

今回、ご相談いただいた患者様のように、天候の変化によって、頭痛や首の痛みのほかに、めまいやはきけ、腰やひざの痛み、やる気や集中力の低下などを引き起こす、

天気痛

を発症させる方が多くいらっしゃいます。

そこで今回は、冬に天気痛が発生する理由とその予防法について紹介させていただきます。

このブログを最後まで読んでいただくことで、冬の厳しい天候の変化によって体の不調を引き起こすことを防ぎながら、日常生活を快適に過ごせるようになります。

 

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冬の激しい天候の変化によって天気痛が起きる理由

天気が変わると、それに伴って気温や気圧、湿度なども変化します。

人間は、生命を維持するために、そういった変化を体のセンサーで感じて、それに合わせて体の状態をフィットするように機能するのです。

例えば、寒ければ体を震わせて体温を上げたり、暑ければ体温を下げるために汗をかいたりするなど。

これは、無意識下で自動的に調整が行われます。

しかし、天候の変化が激しいと、体を外部の環境に合わせる調整が追いつかず、その結果、天気痛と呼ばれる体にさまざまな不調を引き起すのです。

そのメカニズムは諸説ありますが、特に、天気痛の発生に大きく関わっているのが、

「気圧センサー」

の崩れであることが研究報告されています。

まず、気圧というのは、ざっくり言えば、体の外側にかかる空気の重さです。

天気の日に多い高気圧は、空気が重たい状態で、その重さに対抗するために体は緊張気味になります。

雨の日に多い低気圧は、空気が軽い状態なので、体が緩み気味になります。

気圧の状態に合わせて、血管や筋肉の状態を調整することで、健康を維持します。

しかし、例えば、雨が降って低気圧になることで、体に空気圧がかからないことで、血管や筋肉が自然と緩むことへの調整が起きないと、体にだるさが出たり、血流が悪くなって冷えたりという症状がひき起こる場合もあります。

さて、その「気圧センサー」ですが、耳の奥の

内耳

という部分に存在します。

通常、内耳には、聴覚や平衡感覚のセンサーがあるとされていましたが、それに加えて、気圧の変化を感じるセンサーも存在していることが、天気痛の研究でわかってきました。(参考文献:佐藤 純. (2015). 気象変化と痛み. *脊髄外科*, *29*(2), 153–156.

そのメカニズムは、

①気圧が変化すると、内耳の気圧センサーがそれを感知し、電気信号に変換します。

②この信号がその情報を脳に伝えます。

③脳はその情報に基づいて、自律神経やホルモンを介して、筋肉や血管などの機能を調整する。

といったような通路で行われます。

この内耳にある気圧のセンサーが、天候の激しい変化で、何度も何度も刺激されることで過敏になる場合があります。

そうすると、何ともない程度のわずかな気圧変化でも、過剰に反応してしまうのです。

その結果、脳はそのつど、自律神経やホルモンを介して、筋肉や血管などに働きかけるため、それがうまくいかない場合や、過剰な調整が行われた場合に、痛みや不快感として感じられることがある。

このメカニズムは、内耳を破壊したネズミを使った実験では、気圧の低下によって痛覚の過敏の増強が見られなかったことや、天気痛を持つ人が、健康な人に比べて、弱い電流を内耳に刺激することでめまいを感じやすいことでも実証されています。

つまり、天気痛を予防する鍵は、「内耳」の状態次第ということが言えます。

次章では、内耳へのアプローチの方法を紹介させていただきます。

 

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天気痛を予防するための内耳へのアプローチ方法

天気痛への対策として、

3-Y療法」

が提唱されています。

3-Y療法」とは、

・予測:天気の崩れによる天気痛発症を予測する

・予兆:症状の予兆時に対応を開始する

・予防:痛みの悪化を予防する

ということです。

予測に関しては、天気予報と常にチェックしたり、天気や気圧、温度、湿度といった気象の要素が体にそのような不調を引き起こしているかを記録することが推奨されています。

これにより、自分の天気痛が発症するきっかけである予兆がわかり、それに合わせて早めの対策を行う予防の行動が起こせます。

予防に関しては、睡眠や栄養などの生活習慣の改善や、専門の医療機関で抗めまい薬などを処方してもらい、あらかじめ飲んでおく方法もあります。

今回のブログでは、天気痛への予防法として、気圧センサーに大きく関わる内耳へのアプローチ方法を紹介させていただきます。

 

耳を温める

冬場は、特に、耳周辺が外気にさらされるために、よく冷えてしまいます。

そうすると、耳の中の血管が収縮して、血液やリンパの流れが悪くなります。

内耳は各器官は、リンパの流れによって機能しているため、その流れが悪くなることは、機能の低下を引き起こします。

ですので、

  • 耳や首元をカイロや温かいペットボトルなどで温める
  • 耳当てや帽子、マフラーなどで耳と首元を冷えから守る
  • 湯船につかって温かくなった手やタオルを耳に当てる

といったことを日常生活で意識しておこなってください。

 

耳への刺激

天候の変化によって内耳の機能がすぐに崩れないように、常に内耳の血流を良くしておく必要があります。

そのための方法として、耳自体に刺激することが有効です。

そのための方法は、

・耳を軽くつまみ、上・下・横に5秒間ずつ引っ張る

・耳を軽くつまみ、前や後ろに向かってゆっくり5回まわす

・耳を包むように折り曲げ、5秒間キープする

といったことを、13回、隙間時間を利用しておこなってください。

 

耳の鍛える

内耳は、平衡感覚にも関わっています。

平衡感覚を鍛えることで、内耳の全体の機能が向上して、その結果、気圧センサーの機能改善につながることが期待できます。

その方法として、

①手の親指を立てて、両腕を肩の高さに上げて、両手を肩幅より広めに左右に開きます。

②頭は動かさず、目だけで左右の親指の爪を交互に、10回、繰り返し見てください。

③次に、利き手のみを顔の正面につき出し、親指を立てます。

④親指を見ながら、頭を左右に、30度ずつ、回しますのを、10回、繰り返し見てください。

といったことを行ってください。

イスに座って行う場合は、深く腰を掛けて、足を肩幅程度に広げて、体を安定させてください。

 

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まとめ

冬は、その厳しい気候により、天気痛が起こりやすい季節です。

なるべくその頻度を下げるためにも、日常で天気痛を予防するためのセルフケアの方法として、

・耳を温める

・耳を刺激する

・耳を鍛える

を説明させていただきました。

今回、ブログで紹介させていただいたことが、皆様のお役に立てれば幸いです。

今回のブログで紹介した内容を試しても解決しない場合には、他の要因が影響している可能性があります。

当院では、患者様お一人おひとりの状態を丁寧に診させていただき、それぞれの方に最適な施術をご提案しております。

完全予約制で対応しておりますので、まずはお気軽にインターネットまたはお電話でご予約ください。

 

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監修 柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

冬の 寒さと共にやってくる気象病の「頭痛」がおきるメカニズムと4つの対策

冬の健康戦略:体温を上げて感染症から身を守る方法

脳梗塞の前兆を見逃さないために知っておきたい症状と家族でできる簡単チェック法

2025.02.10 | Category: 予防,,冷え,心臓,日常生活の動作,生活習慣,睡眠時無呼吸症候群,肥満,血圧,血流,,頭痛

みなさん、こんにちは。

加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。

2月に入り、比較的温暖な加古川市でも、寒波のために非常に寒い日が続いています。

当院でも、寒波が来た翌日の朝、水道管が凍ってしまい、水が出ないのが昼まで続いたのには困りました。

さて、気温が低い日が続くと、いろいろと体の不調が起こりやすくなります。

その中でも怖いのが、脳梗塞や脳出血といった生命に関わる脳の病気です。

寒いときに脳の病気は増えるイメージですが、国立循環器研究センターの統計によると、実は、秋がやや減るけれども、季節を通じてそれほど発生件数自体は変わらないそうです。

ただ、脳梗塞の重症度で見ると、冬に起きる脳梗塞の重症度が高いという統計報告がされています。

脳梗塞は、早期発見・早期治療が原則です。

しかし、脳梗塞になっているかどうかは、パッと見ただけではわからないこともあります。

実際、私も、脳梗塞になった3人の方に遭遇しましたが、会話ができる程度のろれつの乱れや、軽い手のしびれ、一時的にふっと意識が飛ぶように眠ってしまうとそれぞれの方に症状がありましたが、それ以外は、普通に生活できる状態でした。

おや?と思い、検査をしてみると、異常な反応が出たので、すぐに救急で脳外科病院にかかっていただいて、ことなきを得た経験があります。

そういった脳梗塞を発症しているかどうか経験からも、脳梗塞の疑いがあることを、ご自身やご家族がパッと見てわかる方法や基準を、今回のブログでお伝えしていきます。

 

 

 

 

脳梗塞の典型的な症状

脳に巡っている血管にトラブルが起きることで、脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血などが発生します。

そういった脳の血管の病気が発生するリスクとなる持病として、

・高血圧

・糖尿病

・高コレステロール血症

・心房細動

・肥満

・睡眠時無呼吸症候群

・慢性腎臓病

などがあり、こういった持病がある方は、特に、注意が必要です。

脳梗塞をはじめとする脳の血管障害によって共通して起きる症状は、以下の通りです。

 

手足や顔の機能が低下

右または左の体の半身が、急に動かしにくくなったり、片方の手足の力が力が入りにくくなる。

また、口元など顔の片側が垂れ下がる。

 

うまく話せない

しゃべろうとしても、ろれつがうまく回らないことや言葉が出てこない。

また、相手のしゃべっている言葉の意味が理解できない。

 

視野に支障が出る

ものを見ても、片方の視野が欠けたり、物が二重に見えるようになる

 

バランスの障害

急に立てなくなったり、歩行時にまっすぐに歩けなくなる。

また、物をつかもうとしても、ズレてうまくできなくなる。

 

強い頭痛

バットで殴られたような激しい頭痛や突然の強烈な頭痛で意識が遠のく。

その際に、おうとやはきけ、意識の障害を伴うこともある

 

意識の障害

突然ぼーっとしてしまったり、反応が鈍くなる。

また、突然、意識を失うことが起きる。

 

物が飲み込みにくい

水や食べ物を飲み込もうとしたら、むせたりつかえる感じがする。

また、唾液を飲み込めず、口の中によだれがたまる。

これらの症状が、突然、現れたら要注意です。

できるだけ早く脳神経外科や救急病院を受診してください。

 

 

 

 

脳梗塞を発見するためのセルフチェック

脳梗塞を発見するための簡単なセルフチェック方法として、

FASTテスト」

が、アメリカ心臓協会(AHA)や日本脳卒中学会などでも推奨されています。

その方法を、以下で紹介させていただきます。

 

FASTの「FFace:顔)」

「笑ってみてください」と言ってもらい、笑顔を作った時に、
・口角が左右均等に上がる
・片側の口元が垂れ下がっていない

ことをチェックしてもらう。

笑顔がうまくできない場合は、要注意です。

 

FASTの「AArm:腕)」

「両腕を前にまっすぐ伸ばして、目を閉じてください」と言ってもらい、

・両腕を前に伸ばした状態が、目を閉じたまま10秒間キープできる
・片方の腕が下がってしまう
・片方の腕に力が入らない

ことをチェックしてもらう。

片方の腕が勝手に下がる、または動かせない場合、要注意です。

FASTの「SSpeech:言葉)」

「今日は何月何日ですか?」や「名前を言ってください」と聞いてもらい、返答する際に、

・はっきりと話すことができる
・ろれつが回っている
・意味のある言葉を話すことができる

かをチェックしてもらう。

ろれつが回らない、意味不明な言葉を話す、言葉が出ない場合は、要注意です。

 

FASTの「TTime:時間)」

FASTの「TTime:時間)」は、

・症状が現れた時間を確認
・できるだけ早く救急車を呼ぶもしくは医療機関への受診させる

ことを意味しています。

体の不調の症状が出始めた時間をメモしておくことです。

「〇時〇分から症状が出始めた」と伝えると、病院での治療に役立ちます。

また、FASTテストのFFace:顔)」AArm:腕)」「SSpeech:言葉)」

TTime:時間)」のどれか一つでもできていないようでしたら、脳血管障害が起きている可能性があるため、すぐに専門の医療機関に受診することが必要です。

脳の血管障害は、時間との勝負です。

「様子を見る」ことは、絶対に避けてください。

というのも、例えば、一過性脳虚血発作(TIA)という脳血管障害の病気は、脳梗塞の症状が発生しても一時的に消失した後、48時間以内に再び脳梗塞を引き起こします。

ですので、少しでも体に異変を感じたり、FASTテストで異常が見られたら、すぐに救急車を呼んだり、救急病院に駆け込んでください。

 

 

 

 

まとめ

今回、脳梗塞が発症しているかの見極めについて紹介しました。

しかし、これはあくまでも、基本的な基準なので、例外もあります。

前章でも述べましたが、ご自身やご家族が少しでもおかしいと思われた場合は、ためらわずに専門の医療機関を受診してください。

今回、紹介させていただいたことが皆様のお役に立てれば幸いです。

それ以外でも、冬の気温の低下が続く日常で、何かしらお体に不調が続く場合は、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関にかかられることをおすすめします。

当院でも、冬に起きるお体の不調に対しても対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

また、当院の他のブログでも、冬のお体の不調への対策を書いておりますので、そちらも参考にしていただけると幸いです。

冬の 寒さと共にやってくる気象病の「頭痛」がおきるメカニズムと4つの対策

寒い冬の日常生活でもできる!高血圧予防のための簡単な方法

 

 

 

監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

参考文献:

国立循環器研研究センター「脳梗塞は冬の病気?夏の病気?」

https://www.ncvc.go.jp/pr/release/20180425_press/

「脳卒中治療ガイドライン2021」

https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2023.pdf

寒い朝の散歩中に足の指がつらないために知っておきたいこと

2025.01.23 | Category: ウォーキング,こむら返り ケイレン つる,予防,体温,,冷え,寝起き,日常生活の動作,,栄養・食事・飲み物,歩き方,生活習慣,疲労,筋肉疲労,脱水症,血流,足のアーチ,足の小指,足の指の痛み,運動

 

皆さんこんにちは、加古川市ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。

1月も後半になり、日の出の時間も早くなって、太陽が出る時間帯が長くなってきました。

とはいえ、まだまだしばらくは寒さは続きそうですね。

さて、先日、60歳代女性の方が、足の指がつることを訴えて来院されました。

詳しくお話をお聞きすると、朝、散歩するのが習慣で、最近、歩き始めてしばらくすると、足の指がつって、靴を脱いで伸ばさないとなおらないことが増えたと。

何年も同じコースを歩いているけれども、なぜ、急に冬場にこんなに足の指がつるようになったかがわからないとのことでした。

1日の中で運動する機会は、朝の散歩だけであるし、健康を保つためにも、足の指をつらずに歩きたいとご希望でした。

今回、ご相談いただいたケースのように、冬場に歩いていると、足の指をつる方が少なくありません。

そこで今回は、寒い時期の散歩中に足の指をつってしまう理由とその予防方法について紹介させていただきます。

このブログを最後まで読んでいただくことで、気温が低い中でもスムーズにウィーキングを楽しむことができます。

 

 

 

 

寒い環境下で散歩中に足の指がつりやすくなる理由

足の指をつるということは、筋肉の伸び縮みを感知するセンサーが誤作動を起こして、足の指周辺の筋肉が過剰に緊張して、けいれんを起こすしている状態です。

そういった状況になるのは、

・水分の不足

・ミネラルの不足

・筋肉の疲労

・冷え

・血流の不足

・薬の服用

といったことが、単独もしくは複数に重なった場合、引き起こされます。

冬の朝の散歩をすることで、こういった状況が引き起こされるのは、以下のことが考えられます。

 

冬の冷えによる血流の低下

冬に散歩に出かける際には、寒くないように防寒着をしっかり着込みます。

しかし、顔や首などで、冷たい空気を感じると、体温が奪われないように、自動的に血管が収縮します。

そうなると、血流が悪化して、体に血液を通して酸素や栄養が行き渡らなくなります。

特に、足先は、心臓から最も遠い場所なので、足の指周辺の筋肉へのエネルギー供給が低下して、足の指がつりやすくなる。

 

寒い環境によるエネルギーの消費の増加

寒い環境で運動をすると、運動のために使うエネルギーに加えて、体温を上げて寒さに対応するためのエネルギーも使います。

つまり、寒い環境下では、暖かい環境よりエネルギーの消費が増加します。

ある研究では、寒い気候でのトレッキングが、穏やかな気候の中で行うトレッキングと比べて、30%も多くのエネルギーを消費したことが報告されています。

いつもと同じコースを歩いても、冬の寒い中での散歩は、他の季節より足の筋肉の疲労を引き起こしやすくなり、その結果、足の指がつりやすくなる。

 

冬に起きやすい水分の不足

冬は夏に比べて、喉の渇きを感じにくくなるため、水分をとる量が減りやすくなります。

特に、寝ているときに汗を無意識下でかくため、朝、起きた時の体は、水分が不足している状態です。

また、寒さによって尿意を感じやすくなるため、散歩の途中でトイレに行かないように、散歩前の水分の摂取を控える傾向にあります。

こういったことで、体の水分の不足が起きている状況で、散歩を行うと足の指がつりやすくなります。

なぜなら、筋肉の約76%は水分で構成されており、その中の2%の水分が失われるだけで、筋肉に不具合が出るからです。

 

靴下と靴とがフィットしない

靴を履くさいに靴下の役割は、靴と足に起きる摩擦を和らげたり、足の皮ふの保護、汗の吸収、衝撃の緩和、などがあります。

冬の散歩では、冷えないように、分厚い靴下を履くことが多いと思われます。

靴下が分厚くなると足と靴とのフィット感が変わります。

そうなることで、靴の中で足が滑りやすくなって、いつもより足の指に力を入れなくなり、分厚い靴下のために足のサイズが大きくなり、靴が窮屈になって足の指を圧迫するなど、足の指にかかる負担が大きくなる場合があります。

分厚い靴下を履くことで、靴下と靴がフィットしない状態で歩くと、足の指周辺の筋肉が疲れやすくなり、足の指を釣りリスクが高まります。

 

 

 

冬の散歩で足の指がつらないための予防方法

冬の朝の寒い環境下で散歩をする際に、足の指がつるのを予防するための方法を以下で紹介させていただきます。

 

カイロを内くるぶしにはる

冬の朝の寒い中で散歩をする際に、指の足先をなるべく冷やさないようにするためには、カイロの使用が有効です。

足先を温めるための、足先に貼る専用のカイロが販売されています。

しかし、足先にカイロを貼ってから靴を履くと貼ると、靴と足のフィット感が低下し、散歩で歩くときに靴の中で足の指の動きに不具合が出やすくなります。

ですので、直接、足先に貼るのではなく、内くるぶしに小さなカイロをはってみてください。

内くるぶしの下縁に、足先につながる大きい血管が通過します。

その血管を通る血液をカイロで温めることで、温かい血液が足先に届き、足先の冷えを防ぎます。

その結果、足の指のつりを軽減する効果が期待できます。

 

散歩前にエネルギー補給

冬の寒い環境下で運動をすると、エネルギーの消費が大きくなります。

ですので、散歩前に、エネルギーとなりやすい食べ物をとることをおすすめします。

また、食べることによって、体は「特異動的作用」という現象が起こり、体温が0.3度上がる効果もあります。

エネルギーとなりやすく、朝から軽く食べられるものとして、

・ゆで卵

・バナナ

・ナッツ

・トースト

・おにぎり

などをとってください。

散歩する30分前に食べることが理想です。

 

朝の水分の補給

散歩中に、冷えてトイレに行くのが不安かもしれませんが、水分の補給は、足の指がつるのを予防するために必要です。

大量に飲む方がいいと言うわけではなく、朝、起きたらすぐに、200ml程度でいいので、常温か温かい飲み物を飲んでください。

コーヒーや紅茶などカフェインの成分が多い飲料は、利尿効果があるため、散歩前には避けていただくほうが無難です。

また、散歩から帰宅後も、忘れずに水分の補給をすることで、散歩で疲れた筋肉をケアします。

 

靴下と靴とのフィット感を上げる

寒いときに散歩をするとき、分厚い靴下を履く選択をすることが多いかと思われます。

そうすると、靴と靴下のフィット感が低下して足の指に負担がかかります。

できれば、散歩やランニングなど靴を履いて運動をするときだけでも、通常の靴下を履くことをおすすめします。

それが難しいようでしたら、靴のヒモをいったん緩めてから足を靴に入れて、靴のヒモを下から上まで、足の甲に沿うように締め直してください。

そうすることで、少しでも分厚い靴下を履いた状態でも、靴に足がフィットすることを促進できます。

 

 

 

 

まとめ

寒さのために運動が不足しがちな冬は、全身運動となる冬の朝の散歩の習慣は、とても良いです。

ただ、足の指周辺の筋肉に負担がかかる条件がそろいやすいので、散歩中に足の指をつらないための予防方法として、

・カイロを内くるぶしにはる

・散歩前にエネルギー補給

・朝の水分の補給

・靴下と靴とのフィット感を上げる

を紹介させていただきました。

このことが皆様のお役に立てれば幸いです。

もし、それでも、冬の朝の散歩で、足の指のつることのお悩みが解消されないようでしたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関にかかられることをおすすめします。

当院でも、今回のケースのような散歩中に足の指がつりやすいことにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

また、冬に起こりやすいお体に不調への対策ブログも書いておりますので、参考にしていただければ幸いです。

 

冬の朝の散歩で起きる太もも裏の痛み、その原因と朝の散歩前にできる対策

冬の指先の冷えがスッキリ改善するための簡単にできるカイロを効果的な対処法

 

 

監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

 

 

参考文献:「靴下の有無が靴着用時における歩行中の足甲接触圧に与える影響」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jje/57/6/57_310/_pdf

長時間、参拝するために歩いた後に足首の前面に痛みを感じる理由とその対処法

2025.01.20 | Category: ウォーキング,ふくらはぎ,ふくらはぎの痛み,ゆがみ,予防,体操・ストレッチ,,日常生活の動作,歩き方,疲労,筋肉疲労,足のアーチ,足首の痛み,階段

みなさん、こんにちは。加古川市ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。

1月は、初詣や十日戎などで神社やお寺にお参りする機会が多い月です。

参拝することで、気持ちも新たに一年を始めようとする意欲が上がったり、その帰り道に屋台に寄って楽しんだりできます。

ただ、初詣や十日戎などのお参りは、同じタイミングで人が集まるので、人混みをかわしながら慣れない道を、長時間、自分のリズムで歩けないことで、足を痛めてしまうことが少なくありません。

先日も60歳代女性の方が、十日戎に参拝をされた後に起きた足首の前面の痛みを訴えて来院されました。

お話をお聞きすると、参拝する人が混雑しすぎて前に進まず、神社まで坂道や階段上り下りを長い時間をかけて歩いて、その翌日、痛みが発生したそうです。

特に、家事をするために、しゃがんだり歩いたりするときに、足首を曲げると、足首の前面が痛くて、スムーズに動けないことにストレスを感じるとのこと。

今回、ご相談いただいた患者様のように、長時間の不自由な環境下で、長い時間、歩くことで、特に、つま先を上にあげる方向に足関節を曲げると、足首の前面に不調をうったえられる方が多いです。

そこで今回は、長時間、寺社仏閣に詣でるために歩いたことで、足関節を曲げることで、足首の前面に痛みが発生する理由とその対処法について紹介させていただきます。

このブログを最後まで読んでいただけることで、神社やお寺などに参った後の足首へのフォローの方法がわかり、それによって日常生活を健やかに過ごせます。

 

 

 

 

足首の前面に痛みが発生した理由

長時間、慣れない道で、人混みを避けながら歩くことで、足首の関節に不自然なねじれが起こり、足関節の動きに不具合が出る場合があります。

例えて言うなら、レールの上をスライドするドアを、まっすぐに動かすのではなく、ドアを揺らしながら動かすことを繰り返し行うと、レールやドアにゆがみが発生して、ドアが開けにくくなるのと同じような現象が足首に起こるのです。

 

 

 

足先を上に持ち上げる足関節を曲げる動きに制限がある要因を調べた研究で、足首を構成している距腿関節と遠位脛腓関節の2つ関節の不具合が、大きく関係していると報告されています。

これらの関節は、距腿関節と遠位脛腓関節は、足の脛骨と腓骨と距骨で構成されています。

 

距腿関節は、ふくらはぎの2本の骨(脛骨と腓骨)が作る遠位脛腓骨関節(えんいけいひかんせつ)の下方にできる溝の間に、距骨と呼ばれる台形の骨がはまってできています。

つま先を上にもちあげる方向に足首を曲げるときは、ふくらはぎを構成する2本の骨のが作る溝の間を、距骨が後ろに転がりながら滑っていきます。

この動きは、例えて言えば、ロッキングチェアが前後に揺れる動作に似ています。

また、距骨が後方に転がっていく際に、ふくらはぎの2本の骨(脛骨と腓骨)の下方で構成されている遠位脛腓骨関節(えんいけいひかんせつ)の間が広がり、溝の幅が開くことで、この動きをスムーズにします。

しかし、次のような問題があると、この動きがスムーズにできなくなります。

・脛骨と腓骨と距骨の位置がずれている

・足首の周りの筋肉が硬くなっている

・じん帯という骨をつなぐひもが硬くなっている

こういった問題があると、距骨が前方に押し出されて、足関節を曲げる動きにブレーキがかかり、それを無理に動かそうとすると痛みが発生します。

 

 

 

 

足首前面の痛みに対する対処法

先を上に持ち上げる動作をする足関節の動きをする際に起きる足首の前面の痛みを軽減するための方法を、以下で紹介させていただきます。

 

ふくらはぎの筋肉を緩める

1.足を伸ばして座り、タオルの端を手で持ち、つま先にタオルをかけます。

 

2.つま先にかけたタオルを体の方向に引いて、ふくらはぎが伸びるのを感じたら、10秒間、キープします。

 

 

3.ひざを軽く曲げて、つま先にタオルをかけます。

 

4.つま先にかけたタオルを体の方向に引いて、ふくらはぎが伸びるのを感じたら、10秒間、キープします。

5.この一連の動作を、3回、繰り返しおこなってください。

 

遠位脛腓関節の間を広げる

1.足首の力を抜いて、ひざを軽く曲げて座り、片方の手で外くるぶしの前方に親指を当て、もう片手で足の裏のつま先に当てます。

2.外くるぶしの前方にあてた親指で、外くるぶしを後方に押すのと同時に、つま先に当てた手で、つま先を持ち上げて足首を曲げ、10秒間、キープします。

3.10秒たったら、元の位置に足を戻してください。

4.この一連の動作を、3回、繰り返しおこなってください。

 

距骨を後方に滑らす

1.ひざを軽く曲げて座り、片方の親指と人差し指で、足関節の前面を挟むように手を当て、もう片手で足の裏のつま先に当てます。

 

 

2.片方の親指と人差し指で挟んだ足関節の前面を後方に押して、同時に、つま先に当てた手で、つま先を持ち上げて足首を曲げ、10秒間、キープします。

 

3.10秒たったら、元の位置に足を戻してください。

4.この一連の動作を、3回、繰り返しおこなってください。

 

 

 

 

まとめ

神社やお寺への参拝で、長時間、歩くいた後に、足首の前面に痛みを感じた場合、早めのケアが大切です。

今回、紹介させていただいた以下の3つの対処法を実践することで、足首の前面の痛みを軽減できます。

・ふくらはぎの筋肉を緩めるストレッチ

・遠位脛腓関節の間を広げる動作

・距骨を後方に滑らせる動作

これらを、日々の隙間時間に行うことで、症状が改善する可能性があります。

もし、それでも、足首の前面の痛みへのお悩みが解消されないようでしたら、お近くの病院や治療院になどの専門の医療機関に受診されることをおすすめします。

当院でも、今回のようなケースの足首の前面の痛みにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

また他に、歩行に関するブログも書いておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。

 

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監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

 

 

参考文献:「足関節背屈における可動域制限因子の検討」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2013/0/2013_1538/_pdf/-char/ja

年始からぎっくり腰が起きた後に回復を早めるための対処法

2025.01.13 | Category: ぎっくり腰,ゆがみ,予防,体操・ストレッチ,,冷え,姿勢,捻挫,日常生活の動作,生活習慣,筋肉の損傷,筋肉疲労,職業病,背骨,腰痛,血流,運動,運転,関節,骨盤

 

みなさん、こんにちは、加古川市のひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。

2024年から2025年にかけての年末年始は、冬らしく寒い日が続きました。

そのためか、当院に年始に来院された患者様からお話をお聞きすると、正月に体調を崩された方も多かったです。

その中の一つとして、ぎっくり腰を発症された方もいらっしゃいました。

私自身も経験がありますが、ぎっくり腰になると、本当に何もできなくなり、日常生活でいかに腰の機能が重要かがわかります。

一回、ぎっくり腰を発症すると、その後も繰り返し発症される方が少なくありません。

そういった方から、よくなぜぎっくり腰が起きるのかや発症後にどうしたらいいかなどのご質問をよくお聞きします。

そこで今回は、ぎっくり腰が起きるメカニズムと発症後の対処法について紹介させていただきます。

このブログを最後まで読んでいただくことで、ぎっくり腰が起きる要因がわかり、発症しても回復するための行動ができることで、通常の日常生活に早く復帰できます。

 

 

 

 

ぎっくり腰が起きるメカニズム

ぎっくり腰は、急性腰痛とも言われて、突然、起こる激しい腰痛で、前屈みの姿勢が取れず、くしゃみやせきなどでおなかに圧がかかると痛みが増加し、座ったり立ったりなどの姿勢を変化させることが、とても困難な状態です。

そういった症状を引き起こすぎっくり腰が起きる要因として、以下のことが考えられます。

 

椎間板ヘルニアの発生

背骨は、24個の円柱の骨が積み重なって構成されています。

その背骨と背骨の間には、背骨にかかる衝撃を吸収したり、背骨の動きをスムーズにするために働く、「椎間板(ついかんばん)」がはさまっています。

椎間板は、水分を多く含んだゼリー状のもので、最大450kgの負荷に耐えられる非常に強い組織です。

なんらかの体の動作で、椎間板が耐えられる負荷以上のものがかかると、椎間板に裂けて、椎間板の中に入っているゼリー状のものが飛び出ます。

これが椎間板ヘルニアと呼ばれる状態です。

椎間板が裂けて飛び出た部分が、背骨から出ている神経を圧迫して、下半身にしびれを発生させます。

また、椎間板が裂けて飛び出た部分に。炎症が起きて痛みを発生させることもあります。

ぎっくり腰を発症した23例をMRIで検査をしたところ、全体の70%に当たる16例が椎間板ヘルニアから来ていることが研究報告されている。

このことから、椎間板になんらかの理由で損傷してから修復された部分に、体を動かした過程で負荷がかかり、再び椎間板が裂けて損傷が起き、椎間板ヘルニアが再発したことで、ぎっくり腰が発生したと述べています。(参考文献:「いわゆる「ぎっくり腰」は椎間板性疼痛か」https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/8/1/8_1_106/_article/-char/ja/)。

 

腰の背骨や骨盤のゆがみ

長時間の中腰や座り姿勢など、腰に負荷がかかる姿勢を、長時間、続けたり繰り返すことで、腰の背骨や骨盤の関節が、特に、後ろにねじれやすくなる。

そのねじれた状態が、腰の背骨や骨盤の関節の可動できる角度以上に達したとき、腰の背骨や骨盤の関節が捻挫(ねんざ)を起こすことで、ぎっくり腰が発生する場合があります。(参照文献:「急性腰痛に対するカイロプラクティック的手法」https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/11/1/11_1_64/_pdf

 

腰周辺の筋肉の疲労

立っている状態で腰にかかる負荷より、前屈みの姿勢は1.5倍、イスに座っている姿勢は1.4倍と、腰にかかる負荷が増加します。

ですので、それを支えるために、腰周辺の筋肉が負荷が増加します。

それにより、腰周辺の筋肉への血液の供給が、大きく低下すると研究報告がされています。

筋肉への血流の悪化は、筋肉の伸び縮みをコントロールする神経が過敏に反応します。

それによって、ちょとした動きで、腰周辺の筋肉が反射的にけいれんを起こし、その結果、ぎっくり腰が発生することもある。(参考文献:「腰痛をめぐる常識の基礎」https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/12/1/12_1_10/_pdf/-char/ja

 

 

 

 

年始に起きた当院でのぎっくり腰の実例

当院で年始の診療が始まった初日に、40歳代男性がぎっくり腰で来院されました。

発症した状況をお聞きすると、年始の剣道の稽古はじめで、高校生や中学生を相手に、激しい稽古をしている途中で、腰に激しい痛みが走ったそうです。

以前も同じような腰の痛みを経験したいたため、ぎっくり腰になったことがわかったそうです。

年末は、ご家族の方がインフルエンザにかかり、1週間ほど外出を控えて家の中で過ごされ、年始の稽古は久々の運動だったそうです。

左の腰からお尻にかけて痛みがあり、歩く、座る、前屈みになるの動作が、特につらい状態とのことでした。

実際、当院の玄関から靴を脱いで上がるのもきつく、左足を引きずりながらベッドまでゆっくりしか歩けないに状態で、ベッドで寝転んでではないとお話が伺えない状態でした。

来週に、車で遠方に出かける用事があるため、なるべく早く回復したいとも。

検査してみると、股関節の動きに制限もあり、腰の背骨部分や骨盤が左側の後方にねじれた状態。

また、左側に腰の筋肉の緊張と圧痛も出ていました。

治療としては、股関節と首の動きを調整してから、腰の損傷した組織の回復を促進する微弱電流を流した後、腰に鍼を施しました。

1回目の治療後は、左右の足が均等に出して歩ける状態になり、靴を履くために前屈みになるのも楽になったとのことでした。

3日後に2回目に来ていただいた時点では、腰の痛みもだいぶ軽減して、イスに座る姿勢ができるようになったということで、車の運転も可能となっていました。

今回の患者さんの場合は、ぎっくり腰の発症して、翌日に来ていただいたことで、治療に加えて、気をつけていただきたい日常の生活の方法をお伝えし、実行していただいたので早めの回復が見られました。

次章では、ぎっくり腰が発症した後、日常の過ごし方やセルフケアの方法、注意点を紹介させていただきます。

 

 

 

ぎっくり腰が起こった後の対処法

ぎくり腰が発症した後、早く回復させるための対処法として、以下のことを紹介させていただきます。

 

無理のない範囲で動いて過ごす

ぎっくり腰を発生した患者を対象に、発症後に、安静にした患者と軽くでも動いた患者を比較したところ、

「軽くでも動いた患者の方が早く腰痛から回復した」

と研究報告がされています。

ぎっくり腰が起こるいずれの原因でも、ぎっくり腰になると腰周辺の組織に炎症が起こり、痛みが発生します。

ぎっくり腰は、そのあまりの痛さのために、動くのが苦痛で、じっとして安静にしがちです。

しかし、ぎっくり腰が発生した後、安静にしていると、腰の背骨や骨盤の関節部分にある神経が、痛みを感じることに敏感になることがわかっています。

また、腰を動かさずに安静にして、しばらく静止した後、動き始めようとすると、腰の背骨や骨盤の関節に分布している神経の痛みへの感度が増強するとも。

こういったことから、ぎっくり腰の発症後は、安静より、軽くても動いた方が痛みの感度を抑えて、治りが早まります。

よく、ぎっくり腰の発症直後の患者様から、

「筋トレとかしたほうがいいですか?」

というご質問を受けます。

腰周辺の筋肉を鍛えることは、腰痛予防には大変有効です。

ただ、ぎっくり腰による腰の痛みが治った後におこなうことをおすすめします。

ぎっくり腰の発症直後の場合は、動いた方が良いといっても、無理に筋トレやストレッチをする必要はなく、長時間、寝っぱなしや座りっぱなしなど同じ姿勢を避けて、動ける範囲で、立ったり座ったりしてください。

そうすることで、腰周辺に定期的に刺激が入り、それによって痛みの感度が下がり、ぎっくり腰による痛みからの回復を助けます。(参考文献:「腰痛診療ガイドライン」https://ssl.jssr.gr.jp/assets/file/member/topics/guideline.pdf

 

ぎっくり腰に効果のあるツボへの刺激

ぎっくり腰を発症した後の数日の間に、マッサージのお店にいったりマッサージ機に乗ったりして、腰に強い刺激を入れることで、かえって腰への炎症が増加して痛みがひどくなる場合があります。

ですので、ぎっくり腰が発症してしばらくの間は、直接、腰に強い刺激を避けることをおすすめします。

直接、腰に刺激するのではなく、腰から離れた部分にあるツボを刺激することで、ぎっくり腰の痛みを軽減する効果が見込めます。そのツボは、

「腰腿点(ようたいてん)」

と呼ばれて、左右の手の甲にそれぞれ2カ所ずつ、計4カ所あります。

腰腿点のツボの位置は、

・手の甲の人差し指と中指の骨が交わる手前のくぼみ

・手の甲の中指と薬指の骨が交わる手前のくぼみ

にあり、手を大きく開いて指の付け根の水かきの部分から手首に向かって探ると見つけやすい。

腰腿点のツボの刺激方法としては、反対の手の親指の腹を使って、各ツボを一つづつ、5回、気持ち良いと感じる程度に押してください。(参考文献:「手腰腿 点ハ リ刺激 による背部 皮膚通電抵抗 の 変化」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/34/3-4/34_3-4_246/_pdf/-char/ja

 

痛みが長期になる場合は専門の医療機関を受診

ぎっくり腰は、一般的には、発症後、3~4日が痛みのピークとなり、2週間ほどで日常生活に支障が出ない程度に痛みが治ります。

ぎっくり腰を発症した後、その痛みの程度が変わらない状態が長期になった場合、または、いつもの腰痛とは違うと感じた場合は、速やかに、お近くの整形外科や内科などの専門の医療機関に受診をして、検査を受けられることをおすすめします。

というのも、内臓の重篤な病気や背骨の骨折などでも、ぎっくり腰とよく似た症状を引き起こす場合があります。

腰周辺の関節や筋肉の損傷ではなく、他の理由で起きているのではないかということも頭の片隅に置いていただいて、ぎっくり腰が発症した後の経過を見てください。(参考文献:「内科医が知っておくべき整形外科疾患(腰痛)」https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/110/12/110_2515/_pdf

 

 

 

 

まとめ

年末年始にゆっくりされて、急に、仕事や家事が忙しくされる日常生活に戻ると、心身ががついていかず、不調を起こしがちです。

今回、取り上げさせていただいたようなぎっくり腰が、年始に起きることも少なくありません。

ぎっくり腰は、基本的には、放置してもゆっくりですが治ってはいきます。

しかし、ぎっくり腰によって、日常生活の質がグッと下がって、ご自身もつらいし周囲の方にも迷惑をかけてしまいます。

ですので、なるべく早く回復するために、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。

もし、それでも、ぎっくり腰が発症した後、なかなか腰の痛みがおさまらないようでしたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関を受診されることをおすすめします。

もちろん、当院でも、今回のようなケースのぎっくり腰にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

また、他に、冬に起きる腰の痛みへの対策ブログを書いておりますので、参考にしていただければ幸いです。

年末年始の台所作業も安心!簡単にできる腰痛予防の方法

主婦の冬の朝を快適にするために寝起きの腰痛を解消する簡単ストレッチ3選

 

 

監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

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