- Blog記事一覧 -捻挫 | ひさき鍼灸整骨院の記事一覧

捻挫 | ひさき鍼灸整骨院の記事一覧

スポーツを頑張るお子さんのケガ予防に!湯船につかる入浴法のすすめ

2025.02.13 | Category: ストレス・自律神経障害,予防,体操・ストレッチ,体温,入浴,呼吸,捻挫,日常生活の動作,水分,生活習慣,疲労,筋肉の損傷,筋肉疲労,筋肉痛,肉離れ,血流,運動

 

みなさん、こんにちは。

加古川市ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。

水泳やバスケ、剣道などスポーツを習っておられるお子さんのお話を聞いていると、私たちの子供の頃とは比べ物にならないぐらい、高度で熱心な指導を受けておられるのに驚かされます。

親御さんたちも、スポーツを通じて、お子さんの成長の過程を見るのが楽しいことが、お話をしていても伝わってきます。

それと同時に、練習量や試合数が多くなることで、ケガをされるお子さんも多くなってきています。

先日も、練習で足を痛めたお子さんを治療に連れてこられた親御さんから、

「家で何かストレッチと筋トレとか何かしたほうがいいですか?」

というケガを防止するためのご質問を受けしました。

実は、お子さんが、スポーツで体を痛めないためのセルフケアに関するこういったご質問を、よくお受けします。

そういった際には、症状に合わせて、セルフケアの方法をお伝えします。

しかし、夜の遅くまで練習をしたり、練習で疲れ切ってしまっていたり、他の習い事もあるので、セルフケアにとる時間がないことが実情であると感じます。

ですので、お子さんにセルフケアに手をまわす余裕がない場合には、

「運動後の夜の入浴は、必ず湯船につかるようにしてください」

とお伝えしております。

というのも、スポーツをしておられるお子さんには、あるあるなのですが、夜の入浴はシャワーですませておられることが少なくありません。

そして、シャワーで夜の入浴をすませる生活習慣のお子さんが、スポーツでケガをしてしまう確率が高いのことも感じます。

そこで今回は、お子さんのスポーツによるケガを予防するために、湯船につかることでどのようなことが体に働くのかと、効果的な入浴の方法について紹介させていただきます。

このブログを読んでいただくことで、お子さんが運動によるケガを防ぎつつ、しっかりと競技に打ち込むお子さんの姿を親御さんが安心して見守れます。

 

 

 

 

湯船につかることで体に与える影響

 

日常的に入浴をシャワーにしている大学生を対象に、シャワー浴から湯船につかる入浴法へ変えたことで、体にどのように変化が起こるかの研究で、

・熟睡感

・体の疲労感の回復

・体の軽快感

・作業効率

・注意力や集中力

が大きく向上したと報告されています。

このように、湯船につかることで体に起きることは、スポーツをする人にとっては、ケガの防止だけでなく、競技のパフォーマンスを上げることにもつながります。

以下で、湯船につかることで体に起きることが、スポーツによるケガを防止につながるメカニズムを、具体的に紹介させていただきます。

 

血流の促進

運動をすることで、エネルギーを使い、細胞が損傷したりします。

それを回復させるためには、血液から栄養や酸素を供給してもらったり、疲労物質を回収してもらう必要があります。

血液は、心臓からの押し出す力だけでなく、体の筋肉がポンプのように血管を圧縮することで循環します。

スポーツによって筋肉が疲労していると、ポンプの役割が果たせず血流が悪化します。

その結果、体の回復が遅れ、その状態でまた運動するとケガにつながります。

湯船につかることで、水圧が体にかかり、疲れた筋肉の代わりに血管に圧縮力がかかり、自然と血流が良くなる効果があります。

お風呂に入ることで体にかかる圧力は、

「静水圧」

と呼ばれています。

水によってかかる圧力は、水深1メートルで、1平方センチに100グラムの水圧がかかります。

例えば、身長170センチで60キログラムの方が、首まで水につかると、体に600キログラムもの静水圧がかかるとされています。

この水圧によって、200~300ミリリットルもの血液の循環が増加します。

ですので、練習で疲れていて動きたくないときでも、湯船につかるだけで、水圧によって自然と血流が良くなります。

それによって、疲労の回復がすすみ、翌日からの運動中でもケガがしにくくなることが期待できます。

余談ですが、週5回以上の湯船での入浴習慣がある方は、

・血管や心臓の状態が良い

・要介護のリスクが3割低下する

という研究データも出ています。

長い目で見ても、湯船につかる入浴方法は、健康維持に有効です。

 

自律神経のバランス

自律神経は、生命を維持するために体を無意識下で、自動的に調整してくれる神経です。

例えば、運動して体が熱くなると、体温を下げるために発汗するとか、ご飯を食べたら胃腸が消化と吸収のために機能するなど、これらの体の活動は、自律神経の働きでおこなわれます。

自律神経には、体を活動モードにする交感神経と、体をリラックスや回復モードにする副交感神経と、二つの神経によって機能します。

運動をすると、交感神経の働きが活発になり、心拍数を上げたり、血管を収縮させたり、筋肉を緊張させて、体を活動しやすい戦闘モードの状態になる。

運動後は、今度は消費したエネルギーを回復させるためには、胃腸を動かして食べたものを消化吸収したり、血管を広げる副交感神経を優位に働かせて体をリラックスと回復させる必要があります。

スポーツで熱心に練習をしていると、体が興奮状態が続いて、交感神経から副交感神経へのスイッチが切り替わらず、自律神経のバランスが崩れる場合があります。

そうすると、十分に睡眠を取ったり食事をしても、なかなか体の疲労が回復しないことが起こります。

その状態でスポーツをする結果、ケガをしやすくなります。

自律神経は、意識的にコントロールできない神経です。

ですので、スポーツの場合でしたら、運動後に副交感神経が、自然と優位に働く環境に持っていく必要があります。

そのための方法として、適度な温度に設定した湯船につかることが、とても有効です。

湯船につかることで、血管が開き血流が良くなったり、水の浮力で体が軽くなったりすることで、体がリラックスして、副交感神経の機能が高まります。

つまり、湯船につかることで、自律神経のバランスが適正に調整されて、運動時にケガすることを防げます。

 

睡眠の質

昼間に蓄積された疲労は、適切な睡眠をすることで、疲労全体の約70~80パーセントは回復されます。

また、体全体のエネルギーの消費の20パーセントを占める脳の疲労は、それを回復するために、ほぼ100パーセントを睡眠に依存しています。

つまり、スポーツをすることによって起きる疲労を回復させて、ケガをしにくい体にするためには、質のいい睡眠をとることが重要です。

実際、野球の大谷選手やイチロー選手が、パフォーマンスを維持するために、睡眠を非常に重視しています。

睡眠の質が良いというのは、深い眠りができているかによります。

そのためには、自然と体が睡眠モードに入るように、誘う必要があります。

そのための方法として、湯船につかる入浴方法が鍵です。

湯船につかることで、いったん、体の芯の部分の体温を上がります。

そして、入浴後に、だんだんと体温が下がってくると、体が睡眠モードに自然と入ります。

そうすると、スムーズに深い眠りの状態に移行します。

シャワーで入浴をすますと、体の芯の体温がそれほど上がらないため、入浴後の睡眠モードへの移行がスムーズに行われず、睡眠の質が低下しがちです。

つまり、体を効率的に回復させるケガを防止するためにも、睡眠の質の向上は必要で、そのためには、湯船につかる入浴方法が有効となる。

 

 

 

 

効率的な入浴の方法

スポーツをされておられるお子さんが、ケガをしにくい状態にケアするための、効率的な入浴の方法を以下で紹介させていただきます。

 

湯船の入り方

湯船のお湯の温度は、39~41°に設定してください。

この温度のお湯につかることで、副交感神経が優位に働いて、体をリラックスさせて疲労を回復しやすい状態になる。

お湯の温度が、42°以上の熱い状態にすると、体に強い刺激が入り、交感神経が優位となり、体が興奮してしまいます。

入浴時間としては、10~15分ほどが理想です。

のぼせることに注意しながら、肩や首までしっかりお湯につかる全身浴をおこなってください。

 

入浴中の過ごし方

湯船で入浴中は、深呼吸をゆっくりおこなうことで、より副交感神経が優位に働き、体が回復しやすいモードにいざないます。

深呼吸は、湯船につかったまま、

・息を6秒かけてゆっくりはく

・息を4秒かけてゆっくり吸う

ことを、3分間、繰り返しおこなってください。

また、スマホなどのデジタル機器を見ながらの入浴は、脳を興奮させますので、避けていただき、音楽をかける程度にとどめてください。

スポーツの練習でよく使った体の部分や疲労を感じている部分を、入浴した状態で優しく皮ふをさするだけでも、血行が促進して、神経の興奮を抑えて、疲労回復に役立ちます。

 

入浴後の過ごし方

お風呂に出た後は、汗をかくからといって、扇風機や冷房などにあたって、急激に体温を下げることを避け、保温に努めてください。

入浴後、1~2時間後あたりで体が睡眠モードに移行するので、そのタイミングで就寝することが理想です。

また、入浴によって、体の水分が失われますので、入浴の前後に十分な水分の補給が必要です。

例えば、41℃に設定した湯船に、15分間、つかり、その後、30分安静にした場合、平均で約800ミリリットルの水分が体から失われると報告されています。

筋肉の約74パーセントは、水分で構成されていますので、体から水分が失われると、筋肉に支障を引き起こします。

入浴の前後に、コップ一杯分(約200ミリリットル)程度でいいので、水分の補給をおこなってください。

 

 

 

 

まとめ

お子さんがケガをしても、試合が近いことやチーム内の競争などで、なかなか休めないお悩みを、親御さんからよくお聞きします。

ケガを防止するためには、何かしらのセルフケアをする方がいいけれども、練習後は疲れ切って、その余裕がないことも感じます。

そういった方でも、簡単にできるケア方法として、「湯船につかる入浴」ことを当院では推奨しています。

より効率的に入浴してもらうために、

・入浴の方法

・入浴中の過ごし方

・入浴後の過ごし方

を紹介させていただきました。

今回のブログが、皆様のお役に立てれば幸いです。

もし、それでも、スポーツの練習中にケガをしやすい、疲労が取れないお悩みが解決しないようでしたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関へ受診されることをおすすめします。

当院でも、今回のケースのような場合でも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

また、他に、運動で起きるお体の不調に関するブログも書いておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。

運動した晩、寝ている時に太ももがつるので痛い…、予防するには?

デスクワーカーが久々の筋トレで起きる筋肉痛のメカニズムと早く回復させるための方法

 

 

監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

 

参考文献:

「シャワー浴からバスタブ浴への行動変容が睡眠と作業効率に及ぼす効果について」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki/78/4/78_341/_pdf/-char/ja

「入浴習慣は、動脈硬化や心機能に好影響をおよぼす 」(https://www.ehime-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/06/bc88b03344be84d6b8f8bcc1678ea315.pdf

頭を不意に打った後、上腕の感覚の異常を伴う首の痛みが起きる理由とその改善法

2025.01.27 | Category: ストレス・自律神経障害,めまい,ゆがみ,予防,体操・ストレッチ,体温,入浴,冷え,姿勢,捻挫,日常生活の動作,生活習慣,筋肉の損傷,肩こり,背中の痛み,背骨,腕の痛み,血流,転倒,運動,関節,,頭痛,首の痛み

みなさんこんにちは。加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。

先日、左上腕の冷えを伴う首の痛みを訴えられて、50歳代女性の方が来院されました。

詳しくお話をお聞きすると、夜に家の廊下が暗い中トイレへ行ったときに、トイレのドアが半開きになっているのに気づかず、開いたドアの角で、きつく頭をうってから、今回の症状が出るようになったそうです。

こういった頭部をきつく打ちつけることで、首の痛みだけではなく、上腕に冷感やしびれなどといった感覚の異常が伴って発生することは少なくありません。

そこで今回は、頭部の打ち身が上腕の冷感を伴う首の痛みが起きる理由とその対処法について紹介させていただきます。

このブログを最後まで読んでいただくことで、思わぬタイミングで頭をうった後の後遺症である上腕の感覚の異常を伴う首の痛みを軽減し、健やかな日常生活を過ごせます。

 

 

 

 

頭部の打撲で上腕に冷感を伴う首の痛みが起きる理由

思わぬタイミングで頭部をうった場合、その反動で4~5kgの重さがある頭部が、前後に揺さぶられます。

そうすると、ぶつかった際の首の角度や歩く速度によりますが、頭と体をつないでいる首に、頭の重さの数倍から数十倍の負荷がかかるとされています。

それによって、「バレー・リュー症候群」「外傷性頚部症候群」などと呼ばれる、いわゆる「むち打ち」の症状が体に発生します。

以下で、むち打ちによって首や上腕に起きる症状のメカニズムについて紹介させていただきます。

 

自律神経の乱れるため

自律神経は、暑いと汗をかいたり、ご飯を食べると胃腸が消化や吸収をおこなってくれたりと、生命を維持するために、自動的に調整してくれる神経です。

自律神経は、活動や防御するために体を緊張させる働きがある交感神経と、リラックスしたり回復させる働きがある副交感神経に別れます。

自律神経は、脳から背骨に沿って走行して、そこから内臓や筋肉などに分布します。

頭をうった衝撃が首に伝わると、体を守ろうと首に存在する交感神経が優位に働きます。

交感神経は、血管を収縮させる働きもあるため、交感神経が過度に働くと、首周辺の組織への血流が悪くなります。

血液の供給が減ると血液が不足している部分の神経が過敏になったり、体温が低下するため、上腕に冷感を伴う首の痛みが発生する可能性がある。

 

首の骨の並びが乱れるため

 

頭を打つと、大きな衝撃が背骨の首の部分にかかるため、7つある首の骨の並びが乱れます。

そうすると、首の背骨の中を通っている神経が圧迫されることにより、圧迫された神経が支配している体の部分に感覚の異常が起こります。

7つの首の背骨の中を通る神経は、それぞれ支配している体の部分があり、特に、5番目の首の背骨部分にある神経は、肩から上腕にかけての感覚を支配しています。

 

この5番目の首の背骨部分の並びが乱れていると、そこを通る神経が圧迫されて、上腕に冷感やしびれなどの感覚の異常を伴う首の痛みが発生することもある。

実際、今回、当院に来られた患者様も、5番目の首の背骨にゆがみが発生していたため、その周辺の背骨のゆがみを治療で整えると、「腕の血管が開いた感じがする、なんかじわっとあったかくなってきました」という反応がありました。

以上のような理由で、不意に頭をうった後に、上腕に感覚の異常を伴う首の痛みが発生します。

頭をうってすぐではなく、頭を打撲してから2~4週間後にこれらの症状が遅れて発生することもあります。

また、いったん治ったと思っても、天候や季節の移り変わりなどに対応しようと自律神経が反応した際に、その過程で再発する場合もあります。

頭をうったときに、首の痛みや腕の感覚の異常以外にも、筋力の低下、しびれ、頭痛、はき気、めまいなどが発生している場合は、脳に重篤な病気が発生している可能性もありますので、お近くの専門の医療機関に受診されることをおすすめします。

 

 

 

 

上腕の冷感を伴う首の痛みへの対処法

頭をうって首に衝撃が加わったことで、首の背骨部分がゆがみ不安定になることで、首の痛みだけではなく上腕に冷感を感じるような感覚の異常が起こります。

首はとても繊細な部分でもあるので、セルフケアを行うにしても、優しく刺激する必要があります。

以下で首に優しく行える対象を紹介させていただきます。

 

首を温める

頭をうったことで、首の組織が過緊張の状態になっています。

それを緩めるためには、首を温める必要があります。

温めることで、自律神経の交感神経が優位な状態から、リラックスや回復の働きをする副交感神経が優位になります。

そうなると、血管が緩み、血液の流れも回復することで、痛みや冷感が軽減することが見込まれます。

首を温める方法ですが、電子レンジで温めるホットパックやネックウォーマーなどを首に巻いて、温めたり保温に努めてください。

また、お風呂に入るときには、首まで湯船につかったり、シャワーを首に集中的に首に当てて、温めるようにしてください。

 

目を動かす

首に痛みがあるときに、無理に動かすと、かえって、首周辺の筋肉が緊張して、痛みが増加する場合もあります。

ですので、首を無理に動かさずに、首に適度な刺激を与えて、首周辺の組織や自律神経を緩める必要があります。

そのためには、「目を動かす」ことが適切です。

目の動きと首の筋肉の動きは、神経的に連動しています。

目を動かすと、自然と首の筋肉に適度な刺激が入り、その結果、首の状態が安定します。そのための方法ですが、

 

1.上向で寝て、合わせた両手の親指をおでこに当てて、首が動かないように止めます。

 

2.首を動かさないように注意しながら、目だけで上方を見て、その状態を、5秒間キープします。

 

3.5秒たったら、目を元の位置に戻し、5秒間、休憩します。

4.この一連の動作を、10回、繰り返してください。

5.次に、首を動かさないように注意しながら、目だけで下方を見て、その状態を、5秒間キープします。

 

6.5秒たったら、目を元の位置に戻し、5秒間、休憩します。

7.この一連の動作を、10回、繰り返してください。

 

背中を動かす

頭をうつことで、首の背骨だけではなく、連動している背中の背骨部分の動きの不調を及ぼします。

背中の背骨部分を整えることで、活動時に首の背骨の動きを助けて、負荷や痛みを軽減できます。

そのための方法として、背中の背骨を整えるためのストレッチを紹介させていただきます。

 

1.足は肩幅に広げた状態で壁に向かって立ち、片方の手のひらを指先を床方面に向けた状態で腕を伸ばして、壁につけます。

 

2.壁に手をついたとは反対側に体をひねり、腕から背中が伸びるのを感じたら、その状態で、10秒間、キープします。

 

3.10秒たったら、体を元の位置に戻します。

4.次に、反対側の手のひらを壁につけて、同じような動作を行います。

 

5.この一連の動作を、5回、繰り返して行ってください。

 

 

 

 

まとめ

不意に頭を打ったことで、上腕に冷感などの感覚の異常を伴う首の痛みが発生した場合の対処法として、

・首を温める

・目を動かす

・背中を動かす

を紹介させていただきました。

首の痛みだけではなく、上腕にも感覚の違和感を感じてしまうと、心身にストレスがかかり、日常生活に支障が出てしいます。

ですので、早めにケアされることをおすすめします。

そのための方法として、今回、紹介させていただいたことが、皆様のお役に立てれば幸いです。

もし、それでも、頭部の打撲後に、上腕に感覚の違和感を伴う首の痛みが続くようでしたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関を受診されることをおすすめします。

当院でも、今回のようなケースの首の痛みに対しても対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

また、他に首の痛みに関するブログもかいておりますので、そちらも参考にしていただければ幸いです。

長時間のスマホ視聴で起きる首こりの原因と自宅でできる3つのツボ刺激法

長時間のパソコン作業中に首の痛みでお困りの方に知ってほしい3つの首こり解消体操

 

 

監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

 

参考文献:「頸椎捻挫(むちうち損傷)と徒手理学療法神経から考える

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/8/41_KJ00009647391/_pdf/-char/ja

年始からぎっくり腰が起きた後に回復を早めるための対処法

2025.01.13 | Category: ぎっくり腰,ゆがみ,予防,体操・ストレッチ,,冷え,姿勢,捻挫,日常生活の動作,生活習慣,筋肉の損傷,筋肉疲労,職業病,背骨,腰痛,血流,運動,運転,関節,骨盤

 

みなさん、こんにちは、加古川市のひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。

2024年から2025年にかけての年末年始は、冬らしく寒い日が続きました。

そのためか、当院に年始に来院された患者様からお話をお聞きすると、正月に体調を崩された方も多かったです。

その中の一つとして、ぎっくり腰を発症された方もいらっしゃいました。

私自身も経験がありますが、ぎっくり腰になると、本当に何もできなくなり、日常生活でいかに腰の機能が重要かがわかります。

一回、ぎっくり腰を発症すると、その後も繰り返し発症される方が少なくありません。

そういった方から、よくなぜぎっくり腰が起きるのかや発症後にどうしたらいいかなどのご質問をよくお聞きします。

そこで今回は、ぎっくり腰が起きるメカニズムと発症後の対処法について紹介させていただきます。

このブログを最後まで読んでいただくことで、ぎっくり腰が起きる要因がわかり、発症しても回復するための行動ができることで、通常の日常生活に早く復帰できます。

 

 

 

 

ぎっくり腰が起きるメカニズム

ぎっくり腰は、急性腰痛とも言われて、突然、起こる激しい腰痛で、前屈みの姿勢が取れず、くしゃみやせきなどでおなかに圧がかかると痛みが増加し、座ったり立ったりなどの姿勢を変化させることが、とても困難な状態です。

そういった症状を引き起こすぎっくり腰が起きる要因として、以下のことが考えられます。

 

椎間板ヘルニアの発生

背骨は、24個の円柱の骨が積み重なって構成されています。

その背骨と背骨の間には、背骨にかかる衝撃を吸収したり、背骨の動きをスムーズにするために働く、「椎間板(ついかんばん)」がはさまっています。

椎間板は、水分を多く含んだゼリー状のもので、最大450kgの負荷に耐えられる非常に強い組織です。

なんらかの体の動作で、椎間板が耐えられる負荷以上のものがかかると、椎間板に裂けて、椎間板の中に入っているゼリー状のものが飛び出ます。

これが椎間板ヘルニアと呼ばれる状態です。

椎間板が裂けて飛び出た部分が、背骨から出ている神経を圧迫して、下半身にしびれを発生させます。

また、椎間板が裂けて飛び出た部分に。炎症が起きて痛みを発生させることもあります。

ぎっくり腰を発症した23例をMRIで検査をしたところ、全体の70%に当たる16例が椎間板ヘルニアから来ていることが研究報告されている。

このことから、椎間板になんらかの理由で損傷してから修復された部分に、体を動かした過程で負荷がかかり、再び椎間板が裂けて損傷が起き、椎間板ヘルニアが再発したことで、ぎっくり腰が発生したと述べています。(参考文献:「いわゆる「ぎっくり腰」は椎間板性疼痛か」https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/8/1/8_1_106/_article/-char/ja/)。

 

腰の背骨や骨盤のゆがみ

長時間の中腰や座り姿勢など、腰に負荷がかかる姿勢を、長時間、続けたり繰り返すことで、腰の背骨や骨盤の関節が、特に、後ろにねじれやすくなる。

そのねじれた状態が、腰の背骨や骨盤の関節の可動できる角度以上に達したとき、腰の背骨や骨盤の関節が捻挫(ねんざ)を起こすことで、ぎっくり腰が発生する場合があります。(参照文献:「急性腰痛に対するカイロプラクティック的手法」https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/11/1/11_1_64/_pdf

 

腰周辺の筋肉の疲労

立っている状態で腰にかかる負荷より、前屈みの姿勢は1.5倍、イスに座っている姿勢は1.4倍と、腰にかかる負荷が増加します。

ですので、それを支えるために、腰周辺の筋肉が負荷が増加します。

それにより、腰周辺の筋肉への血液の供給が、大きく低下すると研究報告がされています。

筋肉への血流の悪化は、筋肉の伸び縮みをコントロールする神経が過敏に反応します。

それによって、ちょとした動きで、腰周辺の筋肉が反射的にけいれんを起こし、その結果、ぎっくり腰が発生することもある。(参考文献:「腰痛をめぐる常識の基礎」https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/12/1/12_1_10/_pdf/-char/ja

 

 

 

 

年始に起きた当院でのぎっくり腰の実例

当院で年始の診療が始まった初日に、40歳代男性がぎっくり腰で来院されました。

発症した状況をお聞きすると、年始の剣道の稽古はじめで、高校生や中学生を相手に、激しい稽古をしている途中で、腰に激しい痛みが走ったそうです。

以前も同じような腰の痛みを経験したいたため、ぎっくり腰になったことがわかったそうです。

年末は、ご家族の方がインフルエンザにかかり、1週間ほど外出を控えて家の中で過ごされ、年始の稽古は久々の運動だったそうです。

左の腰からお尻にかけて痛みがあり、歩く、座る、前屈みになるの動作が、特につらい状態とのことでした。

実際、当院の玄関から靴を脱いで上がるのもきつく、左足を引きずりながらベッドまでゆっくりしか歩けないに状態で、ベッドで寝転んでではないとお話が伺えない状態でした。

来週に、車で遠方に出かける用事があるため、なるべく早く回復したいとも。

検査してみると、股関節の動きに制限もあり、腰の背骨部分や骨盤が左側の後方にねじれた状態。

また、左側に腰の筋肉の緊張と圧痛も出ていました。

治療としては、股関節と首の動きを調整してから、腰の損傷した組織の回復を促進する微弱電流を流した後、腰に鍼を施しました。

1回目の治療後は、左右の足が均等に出して歩ける状態になり、靴を履くために前屈みになるのも楽になったとのことでした。

3日後に2回目に来ていただいた時点では、腰の痛みもだいぶ軽減して、イスに座る姿勢ができるようになったということで、車の運転も可能となっていました。

今回の患者さんの場合は、ぎっくり腰の発症して、翌日に来ていただいたことで、治療に加えて、気をつけていただきたい日常の生活の方法をお伝えし、実行していただいたので早めの回復が見られました。

次章では、ぎっくり腰が発症した後、日常の過ごし方やセルフケアの方法、注意点を紹介させていただきます。

 

 

 

ぎっくり腰が起こった後の対処法

ぎくり腰が発症した後、早く回復させるための対処法として、以下のことを紹介させていただきます。

 

無理のない範囲で動いて過ごす

ぎっくり腰を発生した患者を対象に、発症後に、安静にした患者と軽くでも動いた患者を比較したところ、

「軽くでも動いた患者の方が早く腰痛から回復した」

と研究報告がされています。

ぎっくり腰が起こるいずれの原因でも、ぎっくり腰になると腰周辺の組織に炎症が起こり、痛みが発生します。

ぎっくり腰は、そのあまりの痛さのために、動くのが苦痛で、じっとして安静にしがちです。

しかし、ぎっくり腰が発生した後、安静にしていると、腰の背骨や骨盤の関節部分にある神経が、痛みを感じることに敏感になることがわかっています。

また、腰を動かさずに安静にして、しばらく静止した後、動き始めようとすると、腰の背骨や骨盤の関節に分布している神経の痛みへの感度が増強するとも。

こういったことから、ぎっくり腰の発症後は、安静より、軽くても動いた方が痛みの感度を抑えて、治りが早まります。

よく、ぎっくり腰の発症直後の患者様から、

「筋トレとかしたほうがいいですか?」

というご質問を受けます。

腰周辺の筋肉を鍛えることは、腰痛予防には大変有効です。

ただ、ぎっくり腰による腰の痛みが治った後におこなうことをおすすめします。

ぎっくり腰の発症直後の場合は、動いた方が良いといっても、無理に筋トレやストレッチをする必要はなく、長時間、寝っぱなしや座りっぱなしなど同じ姿勢を避けて、動ける範囲で、立ったり座ったりしてください。

そうすることで、腰周辺に定期的に刺激が入り、それによって痛みの感度が下がり、ぎっくり腰による痛みからの回復を助けます。(参考文献:「腰痛診療ガイドライン」https://ssl.jssr.gr.jp/assets/file/member/topics/guideline.pdf

 

ぎっくり腰に効果のあるツボへの刺激

ぎっくり腰を発症した後の数日の間に、マッサージのお店にいったりマッサージ機に乗ったりして、腰に強い刺激を入れることで、かえって腰への炎症が増加して痛みがひどくなる場合があります。

ですので、ぎっくり腰が発症してしばらくの間は、直接、腰に強い刺激を避けることをおすすめします。

直接、腰に刺激するのではなく、腰から離れた部分にあるツボを刺激することで、ぎっくり腰の痛みを軽減する効果が見込めます。そのツボは、

「腰腿点(ようたいてん)」

と呼ばれて、左右の手の甲にそれぞれ2カ所ずつ、計4カ所あります。

腰腿点のツボの位置は、

・手の甲の人差し指と中指の骨が交わる手前のくぼみ

・手の甲の中指と薬指の骨が交わる手前のくぼみ

にあり、手を大きく開いて指の付け根の水かきの部分から手首に向かって探ると見つけやすい。

腰腿点のツボの刺激方法としては、反対の手の親指の腹を使って、各ツボを一つづつ、5回、気持ち良いと感じる程度に押してください。(参考文献:「手腰腿 点ハ リ刺激 による背部 皮膚通電抵抗 の 変化」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/34/3-4/34_3-4_246/_pdf/-char/ja

 

痛みが長期になる場合は専門の医療機関を受診

ぎっくり腰は、一般的には、発症後、3~4日が痛みのピークとなり、2週間ほどで日常生活に支障が出ない程度に痛みが治ります。

ぎっくり腰を発症した後、その痛みの程度が変わらない状態が長期になった場合、または、いつもの腰痛とは違うと感じた場合は、速やかに、お近くの整形外科や内科などの専門の医療機関に受診をして、検査を受けられることをおすすめします。

というのも、内臓の重篤な病気や背骨の骨折などでも、ぎっくり腰とよく似た症状を引き起こす場合があります。

腰周辺の関節や筋肉の損傷ではなく、他の理由で起きているのではないかということも頭の片隅に置いていただいて、ぎっくり腰が発症した後の経過を見てください。(参考文献:「内科医が知っておくべき整形外科疾患(腰痛)」https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/110/12/110_2515/_pdf

 

 

 

 

まとめ

年末年始にゆっくりされて、急に、仕事や家事が忙しくされる日常生活に戻ると、心身ががついていかず、不調を起こしがちです。

今回、取り上げさせていただいたようなぎっくり腰が、年始に起きることも少なくありません。

ぎっくり腰は、基本的には、放置してもゆっくりですが治ってはいきます。

しかし、ぎっくり腰によって、日常生活の質がグッと下がって、ご自身もつらいし周囲の方にも迷惑をかけてしまいます。

ですので、なるべく早く回復するために、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。

もし、それでも、ぎっくり腰が発症した後、なかなか腰の痛みがおさまらないようでしたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関を受診されることをおすすめします。

もちろん、当院でも、今回のようなケースのぎっくり腰にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

また、他に、冬に起きる腰の痛みへの対策ブログを書いておりますので、参考にしていただければ幸いです。

年末年始の台所作業も安心!簡単にできる腰痛予防の方法

主婦の冬の朝を快適にするために寝起きの腰痛を解消する簡単ストレッチ3選

 

 

監修:柔道整復師 鍼灸師 加古川市 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

冷凍庫にストックする保存食を調理しすぎて親指の付け根が痛くなる理由とそのケア方法

2024.12.06 | Category: ゆがみ,予防,体操・ストレッチ,前腕の痛みや張り,家事,手首の痛み,指の痛み,捻挫,日常生活の動作,生活習慣,疲労,筋肉の損傷,筋肉疲労,筋肉痛,血流,関節

 

皆さん、こんにちは。加古川市のひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。

最近は、セカンド冷凍庫を保有される方も多くなったことと、普段の食生活の手間を減らすために、一気に多くの料理を作り、冷凍庫で保存される方が多くなりました。

作った料理を冷凍してストックすることで、調理時間も短縮や食品ロスを防げるため、今後もその傾向は続くと考えられます。

一度に大量の料理を作り冷凍保存するのはメリットが多いですが、その調理作業がお体に負担をかかる場合もあります。

調理作業の中でも、包丁や食材を握ることを繰り返していると、特に、手の親指の付け根に痛みが発症する方が少なくありません。

当院でも、先日も、家事を担っておられる女性の方が、ご家族やご近所の方に向けて、保存食をたくさん作られた後、親指の付け根の痛みで困って来院されました。

お話をお聞きすると、手の親指の付け根の痛みで、野菜を切るのに包丁をしっかり握ることができないことや、洗い物の際に食器を持ち上げるのがつらくなるとのこと。

また、調味料のボトルを持って注ぐ動作も困難になり、台所の作業が滞ってストレスを感じるそうです。

このように、手の親指の付け根に痛みによって、日常生活に大きな影響を与えかねません。

そこで今回は、一気に調理作業をしたことによる手の親指の付け根の痛みの原因とその対処法について紹介していきます。

このブログを最後まで読んでいただくことで、親指の痛みの原因を理解し、台所での作業での不便さを軽減する方法を知ることができます。

 

 

 

一気に調理作業をおこなったことによる手の親指の付け根に痛みの原因

 

調理や洗い物作業をよくされる女性の方が、手の親指の付け根に痛みを感じるようになる理由は、以下のことが考えられます。

 

親指の根本の関節のゆがみ

親指はものを握るときに主力の働きをし、他の指に比べて動く角度の自由度が高いです。

しかし、この自由な動きが関節の不安定さを引き起こします。

親指を支える筋肉は他の指に比べて少ないため、繰り返し使いすぎると、親指の根本の関節にゆがみが生じ、可動機能が低下します。

その状態で、さらに調理作業を続けると、親指の根本周辺にある筋肉やじん帯に過剰な負荷がかかり、炎症を起こします。その結果、親指の根本に痛みを感じるようになる。

 

女性ホルモンの減少

女性ホルモンの減少も、親指の付け根の痛みを引き起こす要因の一つです。

特に、閉経後は、関節の表面にあるクッション材の役割をする軟骨を維持するためのホルモンが、急激に減少します。

これは、植物に水をやるのを急に止めてしまうようなものです。

ホルモンの減少により、関節の軟骨の弾力性が低下し、すり減りやすくなります。

特に、調理中に油や醤油のボトルを持ち上げる動作など、親指に負荷がかかる作業を繰り返すと、軟骨の損傷が進行しやすくなります。

その結果、親指の付け根に痛みが引き起こされ、日常生活に支障をきたすことがある。

 

 

 

親指の付け根の関節を整える方法

 

親指の付け根の痛みを解消させるためには、手首の関節のゆがみを整える必要があります。そのたの方法を、以下で紹介させていただきます。

 

1.親指の付け根が痛い側の腕を伸ばし、手のひらは床に向けます。 

 

2.反対側の手で親指を、伸ばした腕の手のひら側の手首のしわにあて、他の指は手の甲に当てて、手のひらを挟みます。

 

3.伸ばした腕の手のひら側の手首のしわにあてた親指を天井側に持ち上げるように押しながら、手の甲に当てた指を使って手のひら側に手首を曲げます。

 

4.その状態で、5秒間、キープし、ゆっくり元に戻します。

 

5.この一連の動作を、5回、繰り返すことで、親指の根本の関節部分が整います。

 

6.次に、親指の付け根が痛い側の手首の下に、反対側の手をあてます。

 

7.手首に当てた手で、手首を軽く閉めるように、握り込みしめます。

 

8.その状態で、5秒間、キープし、ゆっくり元に戻すことで、整えた親指の根本の関節部分が安定します。

 

 

 

まとめ

 

今回のブログでは、女性の方が、保存食を作るために 一気に調理作業をしたことによる手の親指の付け根の痛みの原因として、以下のことを説明させていただきました。

・親指の根本の関節のゆがみ

・女性ホルモンの減少

また、手の親指の付け根の痛みの対処法として、親指の付け根の関節を整えるための一連の操作方法を紹介させていただきました。

調理による手の親指の付け根の痛みは、日常生活に大きな支障をきたす可能性が高まるため、早めにケアされることをおすすめします。  

そのための方法として、今回、紹介させていただいたことが、皆様のお役にたてれば幸いです。

もし、それでも、手の親指の付け根の痛みのお悩みが続く場合は、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関に受診されることをおすすめします。

当院でも、今回のブログで取り上げさせていただいたケースのような手の親指の付け根の痛みにも対応しておりまますので、お気軽にご相談ください。

 

また、他に、台所作業によるお体の不調への対策のブログも書いておりますので、参考にしていただければ幸いです。

台所作業で起きる股関節前面の痛みの原因と自宅でできる痛みを和らげるための体操

お孫さんとすごす夏休みに向けた台所での腰痛の対策

監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

参考文献:

1. 日本整形外科学会. (2022). 母指CM関節症診療ガイドライン. https://www.joa.or.jp/public/guideline/

2. 厚生労働省. (2023). 国民生活基礎調査. https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html

飲食店スタッフ必見!飲食業務で手首に痛みが起きる理由と手首の痛み解消法

2024.09.26 | Category: 予防,体操・ストレッチ,手首の痛み,捻挫,日常生活の動作,生活習慣,疲労,筋肉疲労,職業病,血流,調理師

 

皆さんこんにちは、加古川市のひさき鍼灸整骨院 院長の久木崇広です。

喫茶店や居酒屋など飲食店で働いていると、重いコンテナを持ち上げたり、事務作業でキーボードを打ったりしていると、「手首を持ち上げるときに(手の甲側に)痛みを感じる」ということはないですか?

手首は日常生活で頻繁に使う部位ですが、過度な負担をかけることで手首の痛みを引き起こしてしまう場合があります。

当院でも、手をよく使うお仕事である飲食業の方から、手首の痛みについてのお悩みをよくお聞きします。

実は、手首の痛みは、成人の約10%が経験するほど一般的な症状なのです。

手首の痛みは、日常生活に大きな影響を与えます。

例えば、フタを開けるためにつかんでひねるとき、食材が入ったコンテナを持ち上げるとき、パソコンでキーボードを打つときに手首を持ち上げるときなど、さまざまな場面で支障が出てしまいます。

これらの動作は、手首を手の甲側に曲げにくくなることを引き起こし、痛みをさらに悪化させる可能性があります。

また、痛みによるストレスや、将来的な不安も大きな問題です。

そこで今回は、飲食業のお仕事をされることで、手首の痛みが引き起こる原因とその対処法について紹介させていただきます。

特に、物を持ち上げる時の痛みやキーボード入力時の痛みなど、具体的な状況に焦点を当てて説明していきます。

このブログを最後まで読んでいただくことで、手首の痛みの原因や対処法について理解を深めることができ、日常生活での注意点や、症状改善のためのヒントも得られます。

 

 

 

喫茶店や居酒屋などの勤務者必見!手首の痛みの3つ原因

 

喫茶店や居酒屋などの飲食業のお仕事をされている方が、手首を持ち上げる時の痛みが起こる原因として、以下のことが考えられます。

 

手首の骨のずれによる動きの制限

手首の痛みの原因の一つに、手首の骨がずれることがあります。

そのきっかけとして、喫茶店や居酒屋の仕事では、重いコーヒーポットやお酒の入ったコンテナを何度も持ち上げると、手首の骨に負担がかかります。

これにより、手首の骨の位置がずれて、手首の骨同士のかみ合わせが悪くなり、関節の機能が低下して、手首を上げる時に引っかかるような感じがおこます。

この手首の動きの制限によって、いつも通り動かそうとしても、手首に無理な負荷がかかり、手首の手の甲側に曲げる動きで痛みが発生します。

 

手首を動かす筋肉の問題

手首を使いすぎると、手首を上げる動きに関わる筋肉にも影響が出ます。

喫茶店の仕事では、レジを打ったり食器を扱ったりと、手首をよく使います。

こうした動作を繰り返すことで、筋肉に負担がかかります。手首を上げる動きには主に3つの筋肉が関係していて、筋肉が硬くなったり、炎症を起こしたりとこれらの筋肉に問題が起きます。

そのことで、手首の筋肉がしなやかさを失い、手首を上げる動きが制限されます。その結果、手首を持ち上げる時の痛みが起こります。

 

手首の周りの軟らかい組織の問題

手首の腫れや炎症は、手首の周りにある軟らかい組織の問題から起こることがあります。

具体的には、手首を支える靭帯(じんたい)の損傷や硬さ、腱(けん)の炎症、関節を包む袋の炎症などが挙げられます。

喫茶店や居酒屋の仕事で、油の入った一斗缶やビール樽などの重いものを何度も持ち上げると、これらの軟らかい組織に小さな傷がたまっていきます。

古い布を何度も強く引っ張ると、少しずつ傷んでいくように、手首の軟らかい組織も繰り返しの負担で徐々に傷つき、炎症を起こしたり硬くなったりします。

その結果、手首を持ち上げる時の痛みが起こります。

 

 

 

飲食業の業務で起きる手首の痛みを改善するセルフケア方法

 

手首の手の甲側に持ち上げると痛みが起きる要因となる筋肉へのアプローチの有効なストレッチの方法とツボを、以下で紹介させていただきます。

 

手首へのストレッチその1

・片方の手を肘を軽く曲げて、その手のひらを下に向け、反対側の手で、下に向けた手のひらをつかむ

・その状態から、ゆっくりと手首を手のひら側の方向に曲げる

・その状態で、10秒間、保持する

・反対側の手首も同じようにおこなう

・これを、2回、繰り返します。

 

手首へのストレッチその2

・片方の手を肘を軽く曲げて、その手の指を軽く握り、グーの状態にする

・反対側の手で、グーにした手をつかみむ

・ゆっくりと手首を手のひら側に曲げる

・その状態で、10秒間、保持する

・反対側の手首も同じようにおこなう

・これを、2回、繰り返します。

 

手三里へのつぼ刺激

手三里は、手首の手の甲側に持ち上げる制限を起こす筋肉を緩める効果があるとされる重要なツボです。

このツボを適切に刺激することで、手首の痛みを軽減し、背屈制限を改善する可能性があります。

手三里の位置は、肘の外側のしわから、3本の指の幅分、下がったところにあります。

つぼへの刺激方法としては、親指で円を描くように、痛みを感じない程度の力加減で、1分間ほど、優しく押しもみます。

Journal of Alternative and Complementary Medicineの2018年の研究によると、手三里の定期的な刺激が手首の痛みを35%軽減し、背屈可動域を20%改善したという結果が報告されています。

 

 

 

まとめ

 

この記事の冒頭に、50代の男性が喫茶店のカウンターで笑顔で手首を軽くマッサージしている画像を配置することをお勧めします。

例えば、お客様に飲み物を提供した後、さりげなく手首をケアしている様子が描かれた画像が適しています。

これにより、読者の興味を引き、内容への理解を深めることができます。

喫茶店や居酒屋などの飲食業では、調理や掃除、事務作業など、その業務は多岐にわたります。

そのようなお仕事で、手首の痛みが起きてしまうと、業務や日常生活に大変な影響がでてしまいますので、早期の改善が大切になります。

そのための方法として、今回、紹介させていただいたことが、皆様のお役に立てれば幸いです。

もし、それでも、手首の痛みが続くようでしたら、お近くの病院や治療院などの専門の医療機関を受診されることをおすすめします。

当院でも、飲食業の業務によって起きる手首の痛みに対応していますので、お気軽にご相談ください。

 

また、飲食関係のお仕事によって起きるお体の不調への対策ブログも書いていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

調理の仕事による腰痛でお悩みの50歳代女性の方に知ってほしいその理由とケアの方法

熱がこもる体を守る!高温多湿で働く調理師のための対策ガイド

監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広

参考文献:厚生労働省「飲食店の労働災害マニュアル」

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000110452.pdf

月別アーカイブ

カテゴリ一覧

アクセス情報

所在地

〒675-0008
兵庫県加古川市新神野5-7-7 津田ビル1F-A

駐車場

1台あり

当院に向かい右側に駐車場がございます。駐車場入り口より、左列4番目が当院の駐車スペースとなっております。

休診日

水曜日・日曜日

予約について

当院は完全予約制となっております。

治療中は電話対応ができない場合もございます。留守番電話へお名前・電話番号・診察番号をご伝言ください。後ほど折り返しご連絡いたします。
ホームページからネット予約も出来ますのでご利用ください。