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長期入院の影響で帰宅後に起こる腰痛の要因とその対処法

2024.05.24 | Category: 予防,体操・ストレッチ,日常生活の動作,生活習慣,腰痛,血流,関節

 

先日、50歳男性の方が、腰痛を訴えて来院されました。

きっかけをお聞きすると、肩の手術のために3週間ほど入院をしてからとのこと。

入院時はそれほど感じていなかったが、退院して家に帰ってから、何もしてなくても腰に痛みを感じるようになったそうです。

肩は手術したばかりなので、徐々にしか動かないのはわかっているが、あと1週間で職場復帰するので、腰までしんどいのは仕事がちゃんとできるか不安だということです。

この方のように、入院中はそれほど感じなかったが、退院後、自宅で過ごしていると、特に思い当たる理由もなく腰に痛みが発生する方が少なくありません。

そこで今回は、長期入院後、自宅に帰ってから腰の痛みが発生する理由とその対処法について紹介させていただきます。

このブログを読んでいただくことで、退院後に腰の痛みによって仕事ができるかどうかの不安を解消できます。

 

 

 

長期入院後、自宅に帰ってから腰の痛みが発生する理由

 

入院後、特に思い当たる理由もなく腰痛が発生する理由は、以下のことが考えられます。

 

入院による筋力の低下

入院中は、まだまだコロナの影響もあって、動けるスペースが制限されることもあって、活動量が減り、1日のほとんどをベッドの上で過ごします。

研究によると、寝たきりで筋力の使用量が低下した場合、1日で約3〜5%、1週間で約20%の筋肉が減少すると報告されています。

寝たきりでないにしても、入院による活動量の低下により筋力の低下は避けられないところです。

退院後は、入院時よりは、活動量が増えます。腰は、 上半身の重さを支えたり、立ち上がる・歩く・物を持ち上げるなどの動きの中心でありるため、体の中で最も負荷がかかりやすい部分です。

つまり、入院による腰を支える筋力の低下が、日常生活動作による腰への負荷に対応できないため、退院後に腰痛が発生しやすくなります。

 

入院による関節の可動性の低下

入院により活動が低下すると、関節が十分に動かされない状態が続きます。

そうすると、関節周囲の組織が硬くなり、関節の動きが制限されます。

退院後、関節の動きが悪くなっている状態で活動量が増えると、ぎこちない動作となり、それにより、特に腰の関節に不自然な負荷がかかります。

これが腰の痛みが生じることにつながります。

 

入院による血流の低下

入院により、長時間の安静状態でいると、1週間もすると、血管の弾力が低下し固くなっていきます。

これは、活動の低下により、血管の細胞に刺激が入らず、血管の古い細胞が新しい細胞に入れ替わるスピードが落ちるからです。

血管の弾力が落ちると、血液を体に送り出す力が低下して、特に下半身や腰の血行が悪くなります。

そうすると、退院後に活動を再開したことによって、必要な酸素や栄養素といったエネルギーが、血液を通して腰周辺の組織への供給が滞りやすくなります。

これにより、腰周辺の組織がエネルギーが不足を起こして、腰痛を引き起こすことがあります。

 

入院により痛みを感じやすくなる

入院による長期間の活動制限により、脳から痛みを抑える神経の機能が低下することがあります。

この機能が低下すると、今まではそれほど感じなかったちょっとした痛みの信号を強く感じます。

入院中の活動低下により、この抑制する機能が弱まり、退院後に活動が増え腰に負荷をかけることで、腰の痛みを感じやすくなります。

 

 

 

長期入院後、自宅に帰ってから発生する腰の痛みへの対処法

 

入院中は活動量が減るため、腰周辺のの機能が低下して、腰痛が引き起こされます。

ですので腰痛の要因となっている低下した腰周辺の機能を回復させる方法を、以下で紹介させていただきます。

 

入院による筋力低下への対策 

徐々に運動を再開することで、筋力は回復できます。

その方法として、 無理のない範囲でウォーキングから始めることをおすすめします。

最初は15分程度から始め、徐々に時間を延ばしていってください。

その際にが、ヒモ靴のウォーキングシューズで、足元に力が入りやすい状態でおこなってください。

 

入院による関節の機能低下の対策

腰を中心に、以下のような軽いストレッチをおこなって、関節に刺激を入れて、柔軟性を向上させることをおすすめします。

 

ストレッチその1

上向きで寝て、両ひざを曲げます。そのままひざを横に倒し、その状態で10秒間、キープしてください。

反対側も同じようにおこなってください。これを3回ずつ繰り返してください。

 

ストレッチその2

上向きで寝て、両ひざを両手で抱えます。

腰の筋肉が伸びるのを感じたら、シーソーのように体を上下に。10秒間、揺らします。

これを3回、繰り返してください。

 

ストレッチその3 

四つんばいの状態になり、ひざは股関節の真下に置きます。

両手を前方に伸ばしながら、お尻の位置を動かさずに、胸を床へ近づけ、おでこを床につけます。

胸やおなかが伸びるのを感じたら、その状態で10秒間、キープしてください。

これを3回、繰り返してください。

 

入院による血流低下への対策

39〜41度に設定した湯船にゆっくりつかったり、ホットパックを腰やおなかにあて、外部から温熱を体に入れてください。

そうすることで、筋肉や血管が緩み、血流が向上します。

また温熱が体に入ることで、血管の細胞の活動が活発となり、血管の弾力性が促されます。

 

入院による痛みを抑制する機能の低下への対策

痛みを抑える機能の脳は、大量の酸素を必要とします。脳に酸素を十分に供給することで、痛みの調整する機能が正常に働きます。

ですので、脳に酸素を取り込むため、意識的に深呼吸をおこなうことが有効です。

その方法ですが、4秒間かけて鼻から息をゆっくりと吸い込みます。

息を吸い込む際、おなかがふくらむように意識してください。

その後、6秒間かけて口からゆっくりと息をはき出します。

息をはき出す際、おなかがゆっくりと凹むように意識してください。

これを10回、繰り返してください。

吸うときには「息を吸っている」、息をはくときには「息をはいている」ということに意識を集中すると、より効果が高くなります。

 

 

 

まとめ

 

筋力だけを見ても、入院で1日安静にしていると回復に1週間、1週間安静にしていると回復に1か月を要すると言われています。

こういたことを見ても、退院後にいきなりフルで活動することは難しいものです。

特に、体の動きの中心になる腰への負荷が耐えられないために、今回のような症状が起こりがちです。

入院で低下した腰周辺の機能を回復させるには少し時間がかかることを前提に、今回、紹介させていただいたことがみなさまのお役に立てれば幸いです。

それでも退院後に発生した腰の痛みがなかなか回復しないようでしたら、お近くの治療院にかかられることをおすすめします。

当院でも今回のようなお悩みに対して、施術をおこなっておりますのでご相談ください。

当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像のことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。

そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。

 

また、他に、腰痛への対策のブログを書いておりますのでそちらも参考にしていただければ幸いです。

長時間、会合で座り続けることで腰痛が発症した方に知ってほしい効果的な対処法

春の屋外の作業と腰痛:休憩後に起きる腰の痛みをリカバー方法

監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広


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