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この3年ほど、コロナ禍でマスクを長時間、つけることで、口周りの動きが制限されてきました。
ここ最近、ようやくマスクも外せる機会も増えて、口周りに開放感が出てきました。
しかし、いざしゃべったり食べたりするためにアゴを活発に動かそうとすると、これまで制限されていたこともあり、アゴが開けにくい、痛みがでるとアゴの障害を訴える方が多くなりました。
しかも、それに加えて、首の痛みも伴っている方が少なくありません。
そこで今回は、首の痛みを伴うアゴの障害がでる原因とその解消法を紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、アゴと首のお悩みを同時に解決できます。
しゃべったり、食べたりするとき、アゴを動かすと同時に、舌も動かしますよね。
同時に動かせるのは、アゴと舌は共通の筋肉を使っているためです。
この筋肉は、アゴから首につながっている構造をしています。
つまり、アゴや舌につく筋肉の動きが悪くなると、首にまで影響がでてしまいます。
特に最近はコロナ禍で、マスクを長時間、つけていることで、アゴも舌の動きも制限され、この筋肉への刺激が減り、硬くなる環境が続いた。
で、コロナ制限が解除され始めて、マスクに邪魔されずに口周りを動かせる様になると、アゴから首につながっている筋肉がついていけずに、痛みを発症してしまう方が増えてしまったのです。
ちなみにですが、口は平均約5センチ、指3本分ぐらい開く機能があると言われています。
ものをかむためには、口が1,8センチを要求されると言われていますので、
大体、指2本分ぐらいスムーズに開けることができなければ、アゴ周りに障害が出ていると考えられます。
50歳代女性の方が、アゴと首の痛みで当院に来院されました。
お話を伺うと、右の首の痛みから右に向くにくく、痛みで運転や仕事をするのに支障がでているし、気分も悪い。
それに加えて、アゴを開けるときに右アゴがバキっという音がなって痛くて、口が開けづらいと。
口を開けてもらうと、右側の口が開かないために、アゴが左側にずれているような動きをしていました。
首の骨を触るとゆがみがでており、筋肉の緊張もきつい状態でした。
舌を動かしてもらうと、右頬に痛みが出るとのことでした。
アゴや首の調整した治療後は、この効果を持続させるための、舌に動きをつけるセルフケアをお伝えしました。
1週間後に再来院していただいたのですが、舌を動かすセルフケアをやっているうちにアゴや首の痛みがどんどん気にならなくなって、今は舌をまわすケアをすることを忘れるぐらいになりましたとご報告いただけました。
アゴと首の痛みを取るための、舌を動かすセルフケアの方法は簡単です。まず、舌を前歯と唇のあいだに入れます。
そしてそのまま、舌で前歯を右へなぞるように動かします。
舌が届く上の歯の一番右端に動かしたら、今度は下唇と下の歯の間に舌を移動させて、舌で歯をなぞる様に左へ動かします。
舌が届く下の歯の一番左端に動かしたら、また今度は上唇と上の歯の間に舌を移動させて、舌で歯をなぞる様に右へ動かします。
要するに、唇と歯の間に舌を入れて、歯の上に舌を滑らせながら、ぐるぐると舌を回すことで、アゴから首への筋肉を刺激できます。
この舌の動きがスムーズにできる様になると、アゴと首の痛みが自然と緩和されていきます。
余談ですが、アゴと首をケアすると、顔のむくみも取れたと女性の方から喜ばれることが多いです。
アゴ、首まわりが整うことで、血流が良くなりためだと考えられます。
アゴと首をケアすることで、こういったおまけもついてきますし、生活の質も上がりますので、今回紹介させていただいたセルフケアをぜひやってみてください。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
朝は、朝食や弁当を作ったり、洗濯・掃除・子供の登校準備の手伝いなどなど非常に忙しいですよね。
ですので、朝に起きた瞬間からサクサク動きたいけど、体が固まって動きずらい。
睡眠と寝起きに関する調査で、約65%の方が「寝起きがだるい、体が痛い」と感じていることが報告されています。
特に、寝起きから肩こりを感じると、体も動きづらいし精神的にもやる気がなかなかおきませんよね。
そこで今回は、朝の寝起きに肩こりを感じたときの対処法を紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、肩こりに邪魔されず、家族のために朝からバリバリ動くことができます。
人間の体は交感神経と副交感神経の2つの自律神経によって自動で調整されています。
交感神経は活動するために必要な肩や首などへの筋肉に酸素・栄養などのエネルギーが優先的に運ばれ、副交感神経は体を回復させる働きがある胃や腸などの内臓に酸素・栄養などのエネルギーが優先的に運ばれます。
交感神経と副交感神経が切り替わりながら人間は日々を過ごしているのですが、それが特に顕著なのが、朝の覚める時です。
睡眠中は、人間の体は回復モードの副交感神経が優位になるので、肩や首などの筋肉よりも内臓に血液や酸素・栄養が優先的に運ばれます。
そうして、夜中にピークを迎えた副交感神経は、明け方にかけて徐々に低下し、交感神経が優位へと移行していきます。
そうすると、睡眠中はどうしても肩や首などはエネルギーが回ってこないので硬くなり、寝起きに動こうとすると筋肉が伸びず、痛みが発生しまいがちです。
そして起きてからしばらく動いていると、肩や腰などの痛みがマシになるのは、朝に起きて動いているうちに次第に交感神経が優位となり、肩や首などの筋肉にエネルギーが運ばれ、活動しやすくなるからです。
ですので、朝の寝起きに体に痛みをださないように動き出すには、回復モードから活動モードへ自律神経を切り替えるように働きかる必要があります。
70歳代女性の方が、朝、起きた時に肩こりの痛みを感じて、動き始めがしんどいとのことで来院されました。
朝は4時に起床して、朝食を作ったり洗濯などを済ませて、5時過ぎには旦那様と散歩に出かけるのが日課。
起きてからしばらく動いてたら、肩こりがとれて気にならなくはなってくるのだけれども、朝、起きてからの1時間はバタバタするから、肩こりで初動が動きづらいのは困るとのことでした。
診させていただくと、もともと長年、裁縫系のお仕事をなさっていたということで、肩から腕の筋肉が発達しており、肩が内側にねじれているという、肩こりが発生しやすい職業病とも言える体形や姿勢でした。
治療としては、寝ている間に肩こりが発生しないように、体のゆがみの調整。
治療後は、朝の寝起きの体にスムーズにエンジンをかけるための方法をお伝えしました。
すごく健康的な生活習慣をされているけれども、体のクセからくる朝の肩こりへ対処した実例でした。
寝起きの肩こりを解消するためには、寝ている間の回復モードである副交感神経が優位な状態から、活動するための交感神経が優位な状態に切り替えて、肩周辺への筋肉に血液や酸素を送る必要があります。
その方法として、朝、起きた時に布団の中で誰でも簡単にできる3つの方法を紹介させていただきます。
布団の中で万歳する要領で、両手をあげて足を伸ばしてください。
その状態から、息をはくのを7秒、吸うのを3秒の深呼吸を7回繰り返してください。
両腕を上げることで肩周りの筋肉のストレッチになると同時に、胸が広がることで酸素が取り込みやすくなります。
酸素は筋肉を動かすエネルギーとなるので、取り入れることで体が活動モードになります。
手のひらや手の甲を刺激する事で、体のあらゆる場所が治療できるという研究がされています。
その中でも、肩への治療として効果が高いとされているのが、手の甲側の人差し指と薬指の付け根です。
1ヶ所につき1分づつもんでみてください。
足の裏に「湧泉(ゆうせん)」というツボがあります。
場所は、足の土踏まずの指側の中央で、足の指を曲げたときにへこむ部分にあります。
そのツボを指で痛気持ちくらいの強さで10秒ほど、片足ずつ押してあげてください。
そうすることで、自律神経の中でも活動モードである交感神経が刺激され、肩が動きやすくなります。
朝の寝起きが、1日の中で体が一番硬くなる時間帯。
特に、朝の寝起きから肩こりを感じて、朝の用事をサクサク動けないとお悩み方に、今回のブログで紹介させていただいたことがお役に立てれば幸いです。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
毎日、暑い日が続いていますね。
デスクワークの方とお話をしていると、もう職場の方はしっかり冷房がかかっているようです。
冷房をかけることは、熱中症対策には良いのですが、女性の方は特に冷えすぎてしまって、お体にいろいろと不調を訴えることが多くなります。
その中でも多いのが「足のむくみ」です。
仕事が終わる頃には、ふくらはぎがパンパンにむくんで、足が重だるくなり歩くのもしんどいし、こんなにむくんで大丈夫かな?っと心配にもなるとよくお聞きします。
そこで今回は、自宅で簡単にできる冷えによる「足のむくみ」に対してのケア方法を紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、冷房によっておこる「ふくらはぎのむくみ」を解決できます。
重力が効いている自然界では、水は高いところから低いところに流れます。
人間も同様で、立っていたり座って仕事をしていると、重力がかかって、血管から水分が漏れ出して、ふくらはぎに流れてたまり「むくみ」が発生します。
流れがよどんだ川の水は臭く汚くなり生物が住みずらくなる環境となってしまうように、体の水分の流れがよどむ「むくみ」によって、
・足のむくみや痛み、かゆみを引き起こす
・明け方、睡眠中にこむらがえりが起きやすい
・免疫力が低下して風邪をひきやすくなる
などなど体に悪影響を引き起こします。
また、ふくらはぎにたまった水分を再び血管に戻し心臓まで戻すには、筋肉の動きが必要です。
冷房によって冷えた空気は、地面に近いところにたまり足が冷える事で、筋肉がいわば冷凍肉状態になってしまいます。
そうすると、筋肉は硬くなり、足に降りてきた水分を再び心臓へ押し戻せなくなります。
デスクワークの方は特に、7月・8月・9月と3ヶ月も冷房が効いた部屋で仕事をしなければいけません。
この時期を乗り切るためにも、日々の「むくみ」対策が必要となってきます。
毎月1回、お体のメンテナンスにこられておられる50代女性のデスクワークをされている方がご来院されて、足のむくみについてご相談いただきました。
今まではそんなにむくまなかったのに、職場に冷房が入った途端、足のむくみがキツくなり、仕事を終えて帰宅する頃には足が重たくて引きずるように帰らなければならなくなったと。
一晩寝ても完全に足のむくみが取れなくて、自分が大丈夫なのか心配になったとのことでした。
冷房もご自身にとっては寒い温度設定となっている上に、デスクが冷房の当たりやすい位置にあり、寒いのを我慢して仕事をしないといけないとのことでした。
診させていただくと、確かに今までなかった太ももやふくらはぎがぱんぱんにむくみがでており、体に与える冷房の影響を実感。
治療後は、むくみが軽減して足が軽くなって靴が履きやすくなったと喜んでいただきました。
また家に帰ったその日は、お手洗いに行く回数が多く、滞っていた体の水分が動き出したのを実感したとの報告をいただきました。
お仕事を終えて疲れ切っても簡単にできる2つの「冷えによるむくみ」対策を紹介させていただきます。
足の下がった水分を血管に戻し心臓まで届けるには、筋肉がポンプのように動いて押し上げる必要があります。
しかし冷房で筋肉が冷えて硬くなることで、その働きができなくなります。
早く冷えて硬くなった筋肉を解凍するには、お風呂に入って湯船につかることが手っ取り早いです。
お湯を介して熱を伝える力は、温風に比べて20倍も伝える力が強いとされています。
夏は暑くてシャワーですましがちですが、冷房で冷え切った環境でお仕事をされている方は、ぜひ数分でもいいので湯船につかってください。
そうすることで、筋肉も緩み体の水分が流れやすくなります。
お風呂の温度は、体が緩みやすい39〜41℃の間で設定してください。
下半身の水分を最終地点の心臓に運ぶには、股関節の前面を通ります。
ここは大きな神経や血管・筋肉・リンパ・靭帯がひしめいているところで、体の中のスクランブル交差点といえます。
そのため足から心臓へ戻る水分の流れをせき止める門になってしまがちです。
特にデスクワークの方は、椅子に座っていることで股関節を折り曲げているので、その傾向は強くなります。
ですので、股関節の前に手を当てて、30秒ほど痛くない程度に軽く押して刺激を与えてください。
そうすることで、そこで堰き止めていた強張りが緩み水分が通りやすくなります。
湯船に浸かりながら行えば一石二鳥でおこなえます。
これらのケアをおこなってから、就寝すれば朝にはむくみがとれて、冷房による体のダメージを蓄積せずに夏を過ごすことができます。
今年は特に猛暑という予想がでていますので、例年より冷房の稼働が激しくなるかもしれません。
ですので、より冷えによって引き起こされるむくみ対策をしていただいて、今年の夏を乗りこえていただきたい。
今回紹介させていただいたことがその助けとなれば幸いです。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
梅雨ということで、雨が降って、晴れて、また雨が降っての繰り返しの天気ですね。
こんな天気が続くと、家の周りやお庭でグングン成長するのが“雑草”。
雑草への対応として江戸時代の農書「農業全書」では、
「上農は草を見ずして草を取り」
(優れた農家は草が地表に現れる前に草をとる)
「中農は草を見てから草を取り」
(普通の農家は草が生えてから草抜きをする)
「下農は草を見ても草をとらず」
(怠け者の農家は草が生えても草抜きをしない)
という格言を述べています。
この農書に書かれたように、こまめに土を混ぜ返して雑草が生えてこないように上農対応をしたいところですが、どうしても雑草が生えてから草抜きを始める中農対応となってしまいますよね。
草抜きをすると一面がキレイになるので、スッキリ感や達成感に満たされるとよくお聞きします。
しかし反面、座り込んで草抜きをしていると、体が痛くなってきて、でも途中で辞めるわけにもいかず、終わった頃には体がバキバキになって困ったと訴えられる方も多いです。
そこで今回は、草抜きに没頭できる疲れないしゃがみ方について紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、これから夏の終わりまで長丁場となる雑草との戦いを切り抜けることができます。
草抜きする時にどんな体勢ですか?とお聞きすると、ひざや股関節をグッと曲げ込んだ「しゃがみ姿勢」でされる方が多いです。
健康な人にとっては、この「しゃがみ姿勢」は簡単にできると思われがちですが、全年代の約20%の人しか安定した「しゃがみ姿勢」を取ることができていないという研究報告がされています。
というのも、安定した「しゃがみ姿勢」をとるためには、「腰は後ろに反る」「骨盤は前に倒す」といった互いに相反した方向に動かす条件下で、体を折りたたむ必要があるためです。
腰と骨盤方向を意識せずになんとなく「しゃがみ姿勢」をとると、関節や筋肉がうまく折り畳めずねじれて、無駄な負荷がかかり痛みを発生させ、しゃがみ姿勢を解除した後でも体のバランスが崩れて疲労が残りやすくなります。
例えていうなら、服をたたむときに、服の縫い目に合わせてに畳めば、服はかさばらず、広げた時にシワも少なく、着心地も良いです。
しかし、無秩序に服をたたむとかさばり、広げた時にはシワクチャで、着心地も悪くなってしまいます。
腰や骨盤を意識して、キレイに体を折りたためられれば、安定した「しゃがみ姿勢」が取れることで、草抜きをしても、体への負担を減らすことができます。
安定した「しゃがみ姿勢」をとる条件である
「腰は後ろに反る」
「骨盤は前に倒す」
を、意識しておこなうのはなかなか難しいかと思います。
ですので、それをするための簡単にできるコツを紹介させていただきます。
①顔をあげてまっすぐ前を向いて、両手を握り合わせて前に突き出します。
そうすることで自然と「腰は後ろに反る」「骨盤は前に倒す」姿勢になります。
②軽くひざを曲げます。
③その状態のまま足の裏を地面に押し付けるイメージで、ひざと股関節を曲げてしゃがみます。
しゃがみましたら、そのまま草抜きを始めてください。
そして正しい「しゃがみ姿勢」を維持するためにも、草抜きを30分したらいったん立ち上がって、①〜③をおこなってしゃがみ直してください。
草抜きは何も考えずに没頭して行えるから好きだと言われる方も多いです。
キレイにもなるし成果もみれるし、精神的に良い活動のように思えます。
ただ、いったんやりだすとやり切るまで終えられない作業となりがちなので、体への負担はどうしても大きくなってしまうのも感じます。
これからますます草抜きをする回数が増えていくと思われますので、少しでも楽しくスムーズにできるように今回紹介させていただいたことが皆さまのお役に立てれば幸いです。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広
疲れる家事ランキングをみると、1位「風呂掃除」2位「トイレ掃除」3位「床拭き」4位「食器洗い」5位「料理」という結果がでています。
その中でもやっていると腰が痛くなって困ると訴えが多いのが、「食器洗い」です。
「食器洗い」をおこなう一回あたりの平均時間は20分。
食器あらいを1日2回おこなうとして、年間236時間も費やします。
一回あたりの時間は短くても、毎日コツコツ腰に負荷をかける食器洗いの動作を積み重ねれば、腰痛が引き起こされるのも無理はありません。
そこで今回は食器洗いで腰を痛めないための体の使い方を紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、食器洗いをすることで腰が痛む煩わしさを回避できます。
「食器洗い」をおこなうとなぜ腰が痛くなるのでしょうか?
それは「食器洗い」をするときの体の使い方が原因となっています。
「食器洗い」をする時には、シンクの正面に立って、片手に食器、片手にスポンジを持って両腕をあげて、頭を前に突き出し、前屈みで作業をします。
両腕をあげて、頭を前に突き出すということは、両腕の重みが約6kg、頭の重みが約4kg、合わせて約10kgの重みを体が前に倒れないように腰で支えながら作業しなければならない。
さらに前屈みの姿勢は、真っ直ぐ立ている時より約1.5倍もの負荷を腰にかけるという研究報告がされています。
つまり、「食器洗い」は、「体の重み+前屈み」が合わさり腰に負担をかけてしまい、腰痛を引き起こしてしまうのです。
70歳女性の方が、洗い物をしていると腰が痛くなると訴えられて来院されました。
「主人と2人分の洗い物やから大した量ではないけど…」
「痛くなってくるから途中で座りたくなる…」
「前はこんなことなかったんやけど歳のせいかな…」
と現在の状況をお話しいただきました。
ご主人が家事に協力的なので、体がしんどい時には代わりにやってもらえるそうなのですが、できれば迷惑かけずに自分でやりたいとご希望。
治療後は腰の痛みが軽減したのを感じていただいたようで、これをキープするにはどうしたらいいのですか?とご質問いただいたので、食器洗いのときに腰への負担を軽減できる体の使い方のコツをお伝えさせていただきました。
そうすると、患者様から食器洗い作業後のセルフケアはしていたが、作業中の工夫は今までしていなかったと。
患者様からそのような感想を聞いて、食器洗いに限らず、体の負担を軽減できる家事のやり方を積極的に発信していかなければならないと改めて思わせていただいた事例でした。
食器洗いをする際に、キッチンの前に両足をそろえて前屈みの姿勢でいることが多いと思われます。
この姿勢では、上半身と下半身をうまく連動して使えず、腰に負担をかけやすくなります。
その負担を軽減するためには、2つのポイントがあります。
食器洗いは、手でするので下半身との連動にあまり気にしないと思います。
しかし、食器洗いによる腰痛を防ぐには、ボクシングや空手の構えのようなファイティングポーズを基本姿勢にしておこなうことをお勧めします。
というのもファイティングポーズは、耳・肩・腰が一直線になり、重心が安定して、作業による負担を体にかけにくくします。
試しに、両足を横に開いてパンチするのと、両足を前後に開いてパンチしてみて、どちらがより安定し、より腕に力が乗るか感じてみてください。
おそらく、両足を前後に開くファイティングポーズのほうがより安定して腕に力が乗せられると思います。
では、食器洗いをするときにしてもらいたいファイティングポーズの取り方ですが、
・右利きの人は右足を前にだす
・食器を持つ位置を体の正面から横にずらす
・骨盤の出っ張りの前あたりで洗らう
という感じでやってみてください。
ベテランのクリーニング職人さんの作業している映像を見ていると、右手に持ったアイロンを動かすと同時に、下半身を揺らしています。
手を使う作業の時は、そのような動きをしたほうが効率的に体が使えると体得されているのだろうと見受けられました。
食器洗いもこのような体の使い方をすれば、より効率的に体に負荷をかけずに作業ができます。
食器を洗うときのコツは、スポンジを持った右手だけ動かすのではなく、対角線上の左のお尻をフリフリとリズムカルに揺らしながらやることです。
そうすることで、食器洗いに関わる腰周辺の筋肉の緊張をほぐして、腰痛を引き起こしにくくします。
こういった体の使い方は、家事全般で共通して腰痛予防として使えますので、ぜひ実践してみてください。
料理をしてご飯を食べれば、食器洗いはどうしてもついてまわります。
避けては通れない毎日おこなう食器洗いをスムーズにできるように、今回紹介させていただいたことが皆さまのお役に立てれば幸いです。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像のことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広