- Blog記事一覧 -部活の付き添いで立ちっぱなしのお母さんに知ってほしい3つの疲れにくい立ち方
5月は、全国大会につながる予選大会が間近なこともあって、部活の練習や遠征が盛んに行われる時期です。
そのため、当院に体のメンテナンスで来院される子供さんが多くなります。
その子供さんの付き添いでお母さんも来られるのですが、お子さんよりむしろお母さんの方がお疲れであるように感じるときがあります。
付き添いをしてるときに何が一番しんどいですか?とお聞きすると、子供たちが試合や練習をしているとき、立ちっぱなしでいることが一番疲れるとのことでした。
そこで今回は、部活に付き添いのために立ちっぱなしのお母さんたちに知ってほしい「疲れにくい立ち方」を紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、立ちっぱなしによる体へのダメージを回避できます。
なぜ立っているだけで人間は疲れてしまうのでしょうか?
その理由は「重力」なんです。
人間は、足で立てるように進化したことによって、手が自由に使えるようになりました。
その反面、二本足で立つときに、重力によって体が倒れないように、たくさんの下半身の筋肉を使って支える必要がでてきました。
人間の下半身の筋肉が、体全体の筋肉量の約70パーセントも占めていのはそのせいなのです。
立つ時間が長くなると、それだけ重力の負荷が体にかかり、体を支える下半身の筋肉が硬くなってしまいます。
その下半身の筋肉が硬くなると、血流が悪くなり、体に栄養を巡らせたり疲労物質の回収ができず、疲れを引き起こしてしまうのです。
中学生の娘さんが以前から体のメンテナンスに来ている30歳代のお母さんがご来院されて、
「娘の部活の付き添い中に抜けてきたんです」
「土日、ずっと付き添いで立ちっぱなしで疲れが抜けなくて」
「来週から仕事も忙しくなるから、ちょっとまずいと思ってきました」
と訴えられました。
娘の部活の練習や試合では、ビデオを写したり、試合のスコアーをつけたりとずっと立ちっぱなしで、一日中お世話をしていると。
平日は、足腰に負担がかかる、重たいものを運ぶ仕事をしてて、家事も全部自分がやっているそうです。
娘さんの大会が終わるまで、この忙しい生活を続くので、なんとかもつようにしてほしいということでした。
娘さんが足を痛めた時には、軽々とおんぶしてやってこられるほど、足腰がしっかりしたお母さんだったのですが、診させていただくと、体の歪みや足もむくみがきつい状態となっていました。
仕事や家事に加え、部活の付き添いが続くとこれほど疲れてしまうのかと感じられた実例でした。
立ち続けて疲れるのは、重力が原因と前述しました。その重力の影響を軽減する3つの方法を紹介させていただきます。
立ち方ですが、
・耳、肩、骨盤、外くるぶしの前方が一直線に並ぶように立つ
・肩と胸の力を抜いて、肩甲骨を背骨に寄せるイメージを持つ
・足の指先を地面とつかむイメージで曲げる
・足を肩幅程度に開いて、開いた足の中心に重心が乗るように立つ
を気をつけて立ってください。
この方法で立つと、最初は違和感を感じるかもしれません。
しかし、この立ち方のクセをつければ、人体の構造的にも体に負荷の少ない立ち方ができます。
いくら疲れにくい立ち方でも、長時間、持続するのは禁物です。
なぜなら、負担が少ないとはいえ、同じ筋肉をずっと使え続けると、疲労を引き起こしてしまうからです。
ですので、疲れにくい立ち方で使っている筋肉を、正しい「休め」をおこなって、時々休憩させてあげる必要があります。
通常の「休め」の方法は、横に足を開いておこないますよね。
しかし、この方法では、立ちっぱなしで疲労の原因となる重力の負担が減らないことが報告されています。
正しい「休め」の方法は、
・足を前後に開きます。
・前足に体重をかける
・後足に体重をかける
この動作を10回繰り返したら、左右の足を前後に入れ替え、同じように体重を前後にかけてみてください。
このように体重を前後にかけて重心をずらしながら「休め」をすることで、疲れにくい立ち方に戻した時に、とても楽に立てます。
立ちっぱなしで疲労の原因となる重力が最もかかるのが「ふくらはぎ」です。
ふくらはぎが疲れると、重力をうまく制御できず、安定した立ち方ができなくなります。
そこでおこなってほしいのが、「ふくらはぎ揺らし体操」です。
やり方は簡単です。
左腕を腹に当て、右腕を腰に当てて、上半身を固定します。
右足を軽く上げて片足立ちとなり、上げた右足のふくらはぎをプルプルと10秒ほど揺らしてください。
終わったら、左足を軽く上げて片足立ちとなり、左のふくらはぎも揺らしてください。
部活の付き添いに対して、お母さん方にねぎらいの言葉をかけると、
「去年は子供の部活の付き添いで行っても、コロナ感染対策で体育館にも入れてもらえず、外で待っていないといけなかったから…。それに比べたら、今は間近で見ることができるから嬉しいですよ」
としみじみおっしゃられます。
そんなお母さん方が、子供が部活動に一生懸命打ち込んでいる姿を見守れるように、今回紹介させていただいたことがお役に立てれば幸いです。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像のことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広