- Blog記事一覧 -“股関節を動かすと内側から音が鳴るし痛い” その症状「弾発股」かも?
60代女性の方が来院されて、
「コキコキ音が鳴って、痛くて動けなくて」
「手術しないといけないか不安で」
「脱臼とかしないか心配になって」
と、現在の状態と心境を話されました。
問診と検査をすると、
「弾発股(だんぱつこ)」
と呼ばれる症状で、手術の必要もないし、脱臼することもないですし、ちゃんとよくなりますよとお伝えしました。
今回は、来院されていたかたの不安についての回答と「弾発股(だんぱつこ)」について説明させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、動かすと音が鳴る股関節の痛みについての不安を解消することができます。
痛くなったきっかけをお聞きすると、1週間前に友人と1時間ほど歩いて、翌日に発症したとのことです。
痛くて起き上がるのも辛いし、台所でも長い時間たっていられない。
晩、布団の中で、手術せんとあかんのじゃないか?動いたら脱臼するんじゃないか?このまま動けなくなるんじゃないないか?と色々考えてしまうと。
歩いた翌日が痛みのピークで、そのときよりは今はマシにはなっているとのことでした。
お孫さんの面倒もあと少なくても5〜6年は見ないといけないので、動けないわけにはいけたいともおっしゃっておられました。
大分に不安がっておられたので、まずは心配事を一つ一つ説明させていただきました。
動かすと音をともなう股関節の痛みは「弾発股(だんぱつこ)」と呼ばれます。
日本股関節研究振興財団のホームページで、弾発股とは、
「股関節を動かす時に、股関節部に音がする(弾発現象)状態すべてを指す病名です。股関節の外に原因がある場合は靱帯・筋膜の炎症や肥厚であることが多く、通常は安静やストレッチなどで治療します」
と説明されています。
今回は長時間歩いたことによって、お尻の筋肉が疲れて硬くなってしまっていました。
その筋肉とつながっている靭帯が、太もものでっぱっている骨が擦れることで、音がなったり、炎症を起こして痛みがでてしまうのです。
よくお話を聞くと、友人が股関節の人工関節手術をしたことを受けての不安だったようです。
「弾発股(だんぱつこ)」は、太ももの出っ張った骨とお尻の筋肉とそれにつながる靭帯が原因なので、人工関節の手術の必要性はないです。
股関節ではなく、お尻の筋肉と靭帯への手術の可能性はないのか?というご質問もありました。
それに対しての手術の例は極めて稀で、若いアスリートに対して行なったというぐらいしか症例ないので、安心してくださいとお伝えしました。
股関節は、体の中で一番大きい関節です。
ですので、靭帯と筋肉でかなりがっちりカバーされています。
ですので、日常生活で脱臼するのは極めて稀です。
ラグビー選手同士がぶつかって、股関節を上に乗られるとか、車の助手席に乗っていて交通事故でダッシュボードで足を打ちつけたとか、相当な衝撃がないと脱臼しない関節です。
普通に生活している状態では、まず股関節が脱臼することはないので安心してくださいともお伝えしました。
「腰が痛くなって、左膝が痛くなって、今は股関節が痛くなって、こんなにあちこち痛くなるの私だけじゃないのとも思って」
ともおっしゃっておられました。
体の痛い部分を庇って庇って生活をしてきて、体が歪んで、限界に達して、長時間の歩行がきっかけに「弾発股(だんぱつこ)」が発症したようです。
治療で体を整えたあと、日常生活で気をつけてほしことをお伝えしました。
それは、「弾発股」の原因となるお尻の筋肉に過度な負担をかけないということです。
その方法はとても簡単で、
「股関節を内側にねじる動作を避ける」
ということです。それをするためのコツは、歩いているときも座っている時も立っている時も、「膝と足先をまっすぐにそろえる」意識を持つことです。
あまり気にし過ぎてもストレスになりますので、気がついたら癖を治すでオッケーです。
当院もこの動かすと音が鳴る股関節の痛みに対しての治療を行なっております。
当院では、
①患者様からご自身が感じるお身体の状態、それによって起こっているお悩み、治ることで何ができるようになりたいかを、しっかりお聞きします。
②体のどの部分に歪みが出ているのかを、姿勢や体の動きなどを検査します。
③体のバランスを整える整体・体の硬い部分を和らげる鍼治療・体の回復を助ける電気治療などを使い「体の歪み」を整えます。
④治療後は、体を整えた状態を維持するために、ご自宅でやっていただきたいセルフケアの方法をお伝えします。
⑤今後、治していくための計画についてお話しさせていただく。
といった流れで、治療をさせていただきます。
当院で治療を受けていただき、体を整えることで、股関節の痛みを緩和し、それを良い状態を維持できる体を作ることができます。
数回治療をおこなっていくと、
「だいぶん楽に動けるよになりました」
「痛みがマシになったらかか、外出しようという気になってきました」
「ウォーキングやプールで歩いて鍛えようと思います」
とご感想をいただきました。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや必要とされていることをしっかりとお受けし、治った先にある希望する将来像を共有して、一緒に治していく治療院を目指しております。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広