- Blog記事一覧 -「30~40歳代の方のギックリ腰後におこる坐骨神経痛の対処法」
ギックリ腰の後、腰の痛みはなくなったけれども腰も含めて下半身が重だるさ・しびれがでるなど、しばらくの間は後遺症的なものが残る場合があります。
ギックリ腰の一番ひどい痛みが治ったので、ちょっとした後遺症は、ほっておいてもいずれは治るだろうと考えがちです。しかし、実際にはなかなか回復せず、ギックリ腰後に坐骨神経痛が発症して、お尻周辺の痛みやお尻から太もも・ふくらはぎにかけてしびれといった症状に苦しめられる場合があります。この坐骨神経痛で、仕事中に座っていられない・通勤途中に立っていられないなど生活に支障がでますよね。
私は20歳代・30歳代・40歳代とギックリ腰を発症した経験があります。30歳代後半あたりから、ギックリ腰本体の症状が軽くなった後、必ず坐骨神経痛が続けて発症。坐骨神経痛によるお尻から下の重だるさ・しびれ・冷感など、なんとも言えない気持ち悪さが続き、身体も気持ちもこたえました。
そこで今回は、30~40歳代の方のギックリ腰後におこる坐骨神経痛の対処法についてご紹介させていただきます。
このことを知っていただくことで、早期に坐骨神経痛を解消して、日常生活に支障をきたさないようにできます。
40歳代までのギックリ腰後の坐骨神経痛は、
“ヘルニア型坐骨神経痛”
が多いとされています。この“ヘルニア型坐骨神経痛”は、腰の椎間板ヘルニアによって、神経が圧迫されることにより坐骨神経痛が発症しています。腰の椎間板ヘルニアについては、こちらのブログhttps://sekkotsushinkyu-jingyu.com/post/post-1747を参考にしてください。
椎間板ヘルニアが発症しやすい年代の30~40歳代あたりは特にギックリ腰がきっかけで、ヘルニア型坐骨神経痛がでやすい年代です。初期対応を早めにすることで、少しでもギックリ腰の後遺症である坐骨神経痛を抑えていきましょう。
【坐骨神経とは】
“坐骨神経”は、背骨の腰の部分(腰椎)からでている神経と、その下の仙骨の後ろ側からでている神経が集合して鉛筆ほどの太い神経となり、お尻から足先まで約1メートルにもなる長い神経です。
椎間板や背骨、靭帯の変形によって、背骨や仙骨からでている神経に障害が加わることで、坐骨神経痛を引き起こします。
【ヘルニア型坐骨神経痛の症状】
坐骨神経痛は病名ではなく、あくまでもお尻から脚にかけてよくみられる症状の総称です。坐骨神経痛は個人で表現が微妙に異なりますが、
①お尻に痛み、しびれがつづいている
②太ももの後ろ・外側、ふくらはぎ、かかとに痛み、しびれが続いている
③足が激しく痛み、少し歩くと動けなくなる
④腰を動かすと脚の痛みが激しくなる
⑤安静にしていても、お尻や脚が痛くて眠れない
⑥脚に冷感がある
⑦身体をかがめると脚が痛む
⑧立っていると、脚が痛み立っていられない
⑨お尻が痛くて座っていられない
などあります。通常片足に症状がでることが多いのですが、両足にでる場合もあります。
【ヘルニア型坐骨神経痛の鑑別方法】
ヘルニア型坐骨神経痛は、比較的若い年齢で発症します。ヘルニア型坐骨神経痛のほかに、高齢者に多い“狭窄型坐骨神経痛”、ヘルニア型と狭窄型が合併した“混合型坐骨神経痛”があります。鑑別方法としては、
・ヘルニア型坐骨神経痛
⇒身体が前かがみになると痛みやしびれが増す(腰を後ろにそらすと楽になる)
・狭窄型坐骨神経痛
⇒腰を後ろにそらすと痛みやしびれが増す(身体を前かがみにすると楽になる)
・混合型坐骨神経痛
⇒前かがみも後ろへ反らしても痛みやしびれが増す(前かがみでも後ろへ反らしても楽にならない)
となります。対処法はそれぞれ違います。誤った対処法そ行うと益々悪化する場合がありますので、まずは鑑別してください。わからないようでしたら、病院や治療院で検査を受けてください。
【ヘルニア型坐骨神経痛の日常生活での注意点】
先ほども記述しましたが、基本的に前かがみの姿勢が痛みやしびれを増強しますので、避けてください。具体的にあげていくと、
・中腰姿勢で荷物を持つ
・膝を伸ばした状態で洗顔する
・柔らかいソファに座る
・あぐら・長座・体操座りなど和式の座り方を避ける
・長時間の座った状態での作業
などの動作をひかえてください。
また、ヘルニア型坐骨神経痛を解消するためには、腰に負担のかからない姿勢が必要になります。普段の生活でも、腰を前かがみになり過ぎず、反らし過ぎず、自然体な状態の姿勢を心がけてください。自然体の姿勢とは、横から見て「耳・肩・股関節・膝のお皿部分・外くるぶしの前」が一直線になるように心がけてください。鏡を見ながらでも、友人や身内の方にチェックしてもらうでもよいので、良い姿勢のイメージを作ってください。
【ヘルニア型坐骨神経痛用の体操】
ヘルニア型坐骨神経痛を解消するための体操として、
①壁もたれ体操
陰との距離を10センチほど開けて、壁と向き合います。両足は肩幅ほどに開き、両手を天井に向けて伸ばします。
壁に手をつき、お腹から手にかけて力を入れて壁を押します。5秒間壁を押したら力を抜く動作を10回続けます。1日3セットほど焼てください。
②壁押し体操
壁に向かって両足をそろえて立ちます。
壁に向かって両足を前後に開きます
前の膝をまげて、壁を押しながら少しずつ腰を反らしていきます。左右各10回づつを目安に、1日3セットおこなてください。
※急に腰を反らすと痛みの原因になります。壁から腕に押し返してくる力を利用してゆっくり行ってください。
③股関節体操
片ひざを立て、もう一方のひざは後ろにつきます。
立てたひざの足に体重をかけて、ひざを曲げこみながら、腰をゆっくり伸ばし、身体を前下へ沈めます。左右各10回ほどを一日3セットおこなってください。
ヘルニア型坐骨神経痛の原因となる腰の椎間板ヘルニアは、日常生活や体操により腰に負担を少なくすることで、通常は保存療法でおさまっていきます。しかしこれらの生活改善や体操をしても、6ヶ月以上痛みやしびれがきつく続く場合や、尿漏れや脚の筋肉の衰えがきつい場合は、精密検査を病院の方で受けてください。
脚やお尻に痛みやしびれがでると、動くことがおっくうになりがちですが、前かがみになる姿勢を避ける意識をもって動ける範囲で活動される方が、より症状の改善が早まりますので、今回のブログで紹介したことを参考にしていただければ幸いです。
それでも,『接骨鍼灸院じんぎゅう』にご相談ください。坐骨神経によって日常生活に支障がでることを軽減するお手伝いをさせていただきます。
柔道整復師・鍼灸師 久木崇広 監修
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