- Blog記事一覧 -冬は入浴中にヒートショックにご注意を‼︎その原因と対策
12月に入るといきなりの寒さで、例年より冬の到来が早い気がします。
寒くなってくると、怖いのが“ヒートショック現象”による心臓機能停止による入浴事故です。
東京都健康長寿医療センター研究所の研究で、2011年の1年間で約17000人の方が、入浴中に急死したと推計されています。
その大半は冬場の12月、1月、2月に発生しており、また、入浴中に体調が急変することと“ヒートショック現象”との関わりが深いとも報告されています。
比べるものではないかもしれませんが、2011年の交通事故死者数が約4600人ですので、いかに年間の入浴事故が多いのかがわかります。
また、心臓機能停止による入浴事故による救命率は、約1%ととても低いものです。
ですので特にこれからの冬場は、“ヒートショック現象”による入浴事故を、未然に防ぐ必要があります。
そこで今回は、冬場に“ヒートショック現象”による入浴事故がおこりやすい理由とその対策を紹介させていただきます。
このブログを読んでいただくことで、入浴中に起きるヒートショックを防ぐことができます。
ヒートショックとは、温度の急激な変化で、血圧が上下に大きく変動するなどによって体調の不良を引き起こされることです。
ヒートショックの症状としては、・失神・心筋梗塞・不整脈・脳梗塞などを起こします。
ヒートショックは、特に冬場の入浴の際に起こりやすいとされています。
入浴中にヒートショックを起こし意識を失うと、お風呂で溺れてしまうというリスクもあります。
入浴中にヒートショックを起こす過程としては、
暖かい部屋で過ごしていることで血圧が安定している
↓
入浴のために寒い脱衣所で衣服を脱ぐことで血管が縮み血圧が上昇
↓
寒い風呂場に入ることで血圧がさらに上昇
↓
熱い湯船につかることで血管が一気に広がり急激な血圧低下
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脳内の血流量が減るため失神や心臓や脳に負荷がかかり心筋梗塞・不整脈・脳梗塞を発症
とされています。
入浴中のヒートショックを起こすのは、高齢者が多いとされています。
しかし、若い世代でもヒートショックのリスクが存在しますので、しっかりとした予防策を立てる必要があります。
先日、来院された50歳男性の方が、ヒートショックを起こされたお話をお聞きしました。
普段はお車で通勤されていたのですが、車が故障したため、車が修繕されるまでバイクでの通勤に切り替えたそうです。
そしてその直後に、間の悪いことにちょうど気温が低下して、仕事からバイクで帰宅中に冷たい風を受けて走ることで、の体の芯まで凍えたと。
帰宅後、たまらずお風呂に直行して、いつもよりも湯船の温度を上げて熱い風呂に入ったら、頭が痛くなり、吐き気もして、風呂からでたら汗が止まらなくというヒートショック現象を起こしてしまったそうです。
幸いなんとか翌朝には頭痛や吐き気は止まったのですが、数日、体調が思わしくなかったそうです。
普段から外でお仕事をされて、体力もある方なのですが、そんな方でも体に急激な寒暖差を受けると、ヒートショックを引き起こしてしまうことを教えていただいた症例でした。
冬場の入浴でヒートショックを起こしてしまった事例が、厚生労働省や消防庁に報告されています。
その事例から、以下のような冬場のヒートショックへの対策をたてることで発症を抑えることができます。
急激な温度変化を避けるため、入浴前には脱衣所や浴室を温めておくことが大切です。
脱衣所や浴室に暖房設備がない場合は、浴槽の湯が沸いたところで、十分にかき混ぜてフタを外しておく、シャワーで温水を出しっぱなしにして、蒸気を立てて、できるだけ風呂の室内を温め、 温度差が小さくなるように工夫しましょう。
また湯につかる前にかけ湯を入念に行いましょう。
食後に血圧が下がりすぎる食後低血圧によって失神する可能性もあるため、食後、すぐの入浴は避けてください。
また、飲酒によっても一時的に血液血圧が下がりますので、飲酒した直後は入浴しないようにしてください。
また、入浴前に精神安定剤、睡眠薬などを服用するも避けてください。
湯船の温度が42度で10分入浴すると、体温が38度近くまで達します。
体温が上がりすぎると意識障害を起こす可能性があり、そのため浴槽から出られなくなったり、浴槽内で溺れる恐れがあります。
湯船のお湯の温度は41度以下、湯船につかる時間は10分までを目安にし、長時間の入浴は避けてください。
入浴中には湯で体に水圧がかかっています。
その状態から急に立ち上がると体にかかっていた水圧がなくなり、圧迫されていた結果は一気に拡張し、脳に行く血液が減り、脳が貧血状態になることで、一過性の意識障害を起こすことがあります。
浴槽内に倒れて溺れる可能性がありますので、浴槽から出る時は手すりや浴槽のへりを使ってゆっくり立ち上がるようにしましょう。
特に熱い浴槽内から立ち上がったときに、めまいや立ちくらみを起こすような方は注意が必要です。
入浴中に気を失ってしまうと、そのまま湯船に倒れて溺れてしまう危険があります。
万が一、意識がもうろうとした場合は、浴槽の栓を抜いて顔が湯に沈まないようにしてください。
また、入浴中に体調の悪化などの異変があった場合、同居者に早期に発見してもらうことが重要です。
そのためにも、入浴前に同居者へ声をかけてから入浴するようにしてください。
居間や脱衣所の室温が18度未満の住宅では、入浴事故のリスクが高いとされる42度以上に温度をあげた「熱めの入浴」が増加するという研究報告もあります。
部屋や浴槽の温度・入浴時間など、こまめにチェックして、普段から意識しにくい部分について見える化してください。
入浴中による発汗により、血圧上昇・脱水症などを防ぐために、入浴前に十分な水分補給をして、入浴中でも喉が渇いたと感じたらこまめに水分補給をしてください。
夏は暑くて、熱中症というリスクがありましたが、冬は寒くてヒートショックというリスクがでてきます。
ヒートショックは統計から見ると、いつ誰がおこってもおかしくない身近なものです。
特に入浴時はヒートショックの発生率も高いので、十分な対策が必要になります。
このブログを読んでいただくことで、ヒートショックへの対策への助けになれば幸いです。
また、冬場は寒さによって、体が硬くなりがちです。
そのことによって、自律神経や血圧や呼吸に影響が出ます。
冬の寒さに順応しやすい体を作るためにも、お近くの治療院でお体を整えることをおすすめします。
当院でも冬の寒さの影響によって起きる体の変調に対しての施術をおこなておりますので、お気軽にご相談ください。
当院では、痛みに対して治療を施すことはもちろんのこと、患者様のお悩みや希望するご自身の将来像ことを、しっかりお聞きし共有させていただきます。
そして、患者様とともに問題を解決していく治療院を目指しております。
監修 柔道整復師 はり師 きゅう師 ひさき鍼灸整骨院 院長 久木崇広